気がつけば47歳
1年以上ぶりです。
すみませんこれからは定期的に更新したいと思います。
「これから私、どうなるのかな?」
私はボソッと呟いた。
「確かにそうね、あんた死んだ事になっているしこれからが大変だと思うわよ」
留美は何でも無いようにさらりと言った。
「えっ、ちょちょちょちょっと待って、わわわ私死んでいるの?」
私は一気に留美の元に詰め寄った。
「普通、法律では7年以上生死が明確でなかった人は申し立てにより失踪宣告つまり死んだ事に出来るの」
「ままままままままま、マジで?」
「マジで」
留美は慌てている私に更に続ける。
「お母さん、あんたのね。は申し立てをなかなかしようとしなかったんだけど10年前にあんたのお父さんが亡くなった時に申し立てしてたわ」
「嘘…父さん死んだんだ。本当だったんだ」
私の目の前に靄が浮かぶ。泣いては駄目だと思いこらえるが無駄な抵抗だった。
「実は知ってたんだ見えてたから、でも信じられ無くてさ」
私はポツリと呟くと耐えきれなくなったのか涙が溢れでた涙は後から後から途切れる事無く流れ続けた。
私には見えていたんだ父さんの幽霊が見えるのってやっぱりつらいよ。
ー
私が泣き止んだのは日がすっかり暮れた頃だった。
「………おなかへった」
「ごはん…食べる?」
「うん」
私ははいつの間にか用意されていたご飯をもそもそと食べ始めた。
「……あんたさ本当に伯母さんなのか?」
兄にそっくりな甥っ子に話しかけられた、私がご飯を食べるを律儀にも待っていてくれたみたいだ。
「話聞いていなかったの?」
「いや、聞いていたよでもさ信じられるか行方不明になっていた伯母さんが戻ってきたんだぜ。それに…見ため…」
「でも現実なのよ何で30年も経っていたのか分からないけど、時間を返してよ見た目は40代精神は10代ってシャレにもにならないわよ」
私は30年後の世界に戻って来てしまった。今時分の姿がどうなっているかなんて想像は簡単につく。
(お母さんとそっくりなんだろうな…ってあれ私今47歳という事は…いや〜セーラー服来た47歳って痛い、痛々しい穴があったら入りたい)
「えっ!?あんた40代なのか?」
甥っ子は驚いた様子で聞く。
「見て分からないの?」
私はイライラしてしまいついつい甥っ子にあたってしまう。
「だって見た目は俺と同い年か下にしか見えないぜ。なあ母さん」
「ええ、私もびっくりよ。失踪した当時と全く姿が変わっていないだなんてどこに行っていたの?」
甥っ子の言葉に留美もうんうんと頷き言った。
「嘘」
私はそう言うなり留美が使っているだろう鏡台の前に急いで行く。
「………変わって…な…い」
私の姿は多少薄汚れていた物の全く変わっていなかった。
「留美これって喜んでいいよね。でも47歳でこの姿って大丈夫なの?」
「喜んでいいと思うけど、47歳でその姿はおかしいわね」
留美はにこにこと嬉しそうに答えた。
「嘘!あんた47歳なのかよ」
「そうよ、あんたのお母さんの親友なんだから」
私は胸を張って言った。
「ばばあかよ…」
そうボソリと呟いた甥っ子は次の瞬間に宙に舞った。