477 お探しの場所は
デザートが出る頃になって、瑶迦がキルティスとイスティア、エルラントと共にやって来た。
「楽しんでいただけているかしら」
「おひめさま……」
思わずと言ったように美沙が呟く。
「ヨウカねえだよ。としはヒミツ。けど、お兄ちゃんのずっとまえのおばあちゃんなの」
「……ずっと? あ、わたしといっしょ?」
「ううん。ヨウカねえは、まじょさまだから、としとらないの」
「まじょ……おひめさまなのに?」
「うん」
「すご〜い」
「「「「「……」」」」」
大人達は、優希の説明に戸惑いながらも、何が凄くて納得したのか不思議に思っている。しかし、子どもはそう言うものだ。
「ここをつくったのもヨウカねえだよ」
「すごい!」
それは凄いと、これには大人達も感心していた。
「瑶迦です。ゆっくりしていってくださいね。ユウキさん? その子が?」
「はい! ミサちゃんです」
「こ、こんばんは!」
「ふふっ。元気でいいわね。少し診てもいいかしら」
「みる?」
「お医者さんみたいにね」
「はい!」
瑶迦のような美少女(?)に免疫がないのだろう。緊張気味に答えて体を固まらせる。瑶迦と共にキルティスも近くに来て美沙を見つめる。
「加護は付いてないわね……」
「少し神子の気があるかしら」
「それはあるわね。けど加護はない……消えた神かしら」
「これは先祖返りね。キツネだわ」
「うわ〜、これ、ちゃんと切れてると思う?」
「とても曖昧ね……彼女の親御さん? 自宅の傍に山もやめた方がいいわ」
「「え……」」
「水の気もダメ。山もダメ。静かなところは難しいわね。あ、滞在場所はここが良いわ。女将さんの所は山が近いものね。土地神様もまだ本調子ではないから」
「まあ。残念ですわ。そういうこともありますのね……」
女将は、キルティスとイスティアとは顔見知りだ。話も随分と気安くするようになったらしい。
「他には……うん。明日から数日は、突然眠くなったりすると思うわ。しばらくここで生活した方が良いわね。病院では原因不明と言われるだけになるから」
「よ、よろしいのでしょうか……」
「構いませんわ。ホテル暮らしと思ってのんびりしてください。高耶さん。こちらの方のご自宅と扉を繋いでいただける?」
「分かりました」
高耶はこれに即頷いた。瑶迦が良いと言うなら良いのだ。
「そんなっ……貴重な力だと……」
「それが分かっていれば良いのですわ。この後、移動用のお部屋にご案内しますわね」
「「ありがとうございます」」
「女将さんの所とも繋げてしまいましょう。どこが良いかしら」
そんな話し合いをしながら、デザートを一緒に食べることになった。
「エルさま。ごそうだんいいですか?」
「なんだい? 小さなレディ達」
そんな中、優希達がエルラントに声をかける。優希達にとって、エルラントはお城に住む王様だ。ドレスも贈ってくれるし、ダンスパーティも開いてくれるため、余計にそのイメージが付いたようだ。そして、何よりも自分たちをレディとして扱ってくれる。大人な男性という印象が強い。
「こんどのクリスマスに、ダンスパーティがしたいです!」
「ごいっしょできませんか?」
「それも、エルさまのおしろでやりたくて……」
「おや。光栄だね。では飾り付けも豪華に、城でダンスパーティといこうか。私も参加してもいいのかな?」
「「「ぜひ!」」」
「いっしょにおどりたいです!」
「エルさまにいただいたドレスをきます!」
「わ、ワルツはおどれるようになったので!」
「なんでステキなレディ達だ。今から楽しみだよ」
頬を染めながらエルラントに話す優希達。それを、大人達は目を丸くして見ている。そして、近くにいた美沙も気になったようだ。
「おしろ? だんす?」
「あ、ミサちゃんもどう? ダンスパーティ。おどれなくても、おしろでパーティはたのしいとおもうの」
「っ、お、おしろ……おひめさまの?」
「ううん。王さまの。王子さまはお兄ちゃんだから。ドレスもあるよ」
「ドレス……きれるの?」
「うん。おねえさんたちがつくってくれたのがあるから、だいじょうぶ」
「ドレス……きたい!」
「じゃあ、しょうたいじょうおくるね?」
「うん!」
少し不安そうだった美沙に、また笑顔が戻った。
「お、そうだ」
イスティアが思いついたというように手を一つ打つ。
「家探してんだったら、高耶の家の傍にしたらどうだ? 高耶のことだから、土地は選んでんだろ?」
「……はい……」
「そういや、高耶、今の家決める時に、かなりミサキさん達を誘導したって言ってたもんな」
「ああ……」
「安全なんですね」
「場所を教えてもらえますか」
「はい」
そうして、白木家は高耶の家の近くの物件を探すことになった。
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