109鱗目:クリスマス!龍娘!
『見てくださいこのイルミネーション!とっても綺麗ですねー!』
へー……!イルミネーションってあんなおっきいのもあるんだ!初めて知ったー!
12月も半ばを過ぎて時々雪が降るほどになってきた頃、ちょっと暑めの暖房を入れる事で朝早く起きる事ができるようになった僕は、日課の朝のニュースを見ていた。
「ふぁー……おはよー鈴ちゃん……むぎゅー」
「ちー姉ちゃんくるしいー」
それと主にお胸のせいで、テレビが見えませぬ。
「えへへへへ、鈴ちゃんあったかーい」
「もー」
まぁちー姉ちゃんはそういう所もかわいいんだけど。
「そういやもうそんな時期かー」
「そんな時期って?年末ってこと?」
確かに年末年始は忙しいもんねー。セールとか沢山あるし、そこで次の年の為に1番安い洋服取ったりとか長持ちする缶詰めを山のように買ったりとか。
「今年もがんばらないと!」
「もう、最近見なかったのにまーた鈴ちゃん前の生活の癖が出てるよ」
「……あ」
「全くもう。それに、年末年始の前にクリスマスでしょ」
おっと、そういやそんなイベントもあったっけ。えーっと確か……
「サンタっていう赤と白の服のおじさんが一年間いい子にしてた子の所に何か持ってくるんだったっけ?」
前に商店街で子連れの常連さんが子供にそんな話してた気がする。
「そうだよー。鈴ちゃんはきっと凄くいい子だから、きっとサンタさんからもプレゼント貰えてたでしょー?」
「それがね?今まで商店街のお手伝いしたり、ゴミ拾いしたりしてたんだけど、僕には1回も来てくれた事ないんだよね」
「…………えっと、鈴ちゃん?」
「なんというか、いい子の基準がわかんないんだよね。妹は貰ってたんだけど僕は貰えなかったし……もしかしたら何か必須条件みたいなのがあるのかなぁ?」
事前にお手紙を出しておくとかサンタさんをお迎えするとか…………最近隆継とゲームし過ぎかなぁ……今後はちょっと控えよう。
そんな事を考えながら相変わらずクリスマスの話題で持ち切りなテレビを見ていた所、ふとちー姉ちゃんの雰囲気が変わっている事に僕が気がつくと────
「鈴ちゃん!お姉ちゃんちょっと用事出来たから!」
「うっ、うん!?わかった」
「よし。みんな起きて!緊急事態!緊急事態だよ!あだっ!いだっ!いででででっ!」
ガシャン!ドゴン!ドッテン!ガラガラガラ……
い、一体なんだったんだろう……
ちー姉ちゃんは勢いよくリビングを飛び出し、何かを叫びながら廊下を走っていったのだった。
そしてそんなちー姉ちゃんを見て、僕はぽかーんと暫くの間固まったままになっていた。
そしてクリスマス当日の朝────
「…………んんぅ……」
なんか……なんかすっごい熟睡してた気がする…………えーっと確か昨日の夜はクリスマスイヴだからってご馳走食べて、それからなんか凄くいい気分になってすぐ……
「寝ちゃっ……た?…………ん?なんか枕元に……」
ーーーーーーーーーー
ドタドタドタドタ……
「お、やっと鈴ちゃん起きたかな?さて、鈴ちゃんはどんな反応してくれるかな~♪」
パァン!
「ちー姉ちゃんちー姉ちゃんちー姉ちゃーん!みてみて!枕元にあったの!いっぱい!たくさん!」
目の覚めた僕は、枕元にあった20個は超える大量の可愛い包装の施された箱を翼に乗せてリビングへと駆け込むと、興奮した様子でちー姉ちゃんに届いてたプレゼントを見せる。
「よかったねー鈴ちゃん」
「うん!でも……今まで来たこと無かったのに、どうして今年になって来たんだろ?それもこんなに沢山」
なんか悪いなぁ。
「そういや昨日サンタさんが「今まで忙しくて来れなかったんだ。だから沢山あげよう」って言ってたよ」
「そうだったんだ!サンタさんありがとー!それよりもちー姉ちゃんもういいかな?開けていいかな!?」
「いいよいいよー、ほら開けちゃお!まずはこれなんかどう?」
「うん!これなにかな?なにかなぁ!」
こうして僕は尻尾をぶんぶん振り、翼もぱたぱた動かしながら、今年1番のはしゃぎ様でプレゼントを一つ一つ丁寧に開けて行ったのだった。
しかしそんな翼と尻尾を持つ一人の女の子に夢を与える為に、裏では様々な人々が奔走した二日に渡る大作戦があったのは、また別のお話。




