薩摩領主戦
さあ、魔物退治にお出かけだ。
魔物もとい領主は地下室にいるらしい。
階段を降りていくと禍々しい気が辺り一面を包んでいる。
「いるぞ!」
いた!地下室の一室に座り込んでいる。
「よく来た。龍の国の者よ。私は自分で自分がどうにもならない。私を退治してくれ。お願いだ。兵士のため、この国の民のため、周辺国のため、世のために!」
「承った。覚悟!」
姫の剣が疾る!
効かない?軽く弾かれた。
「ほう。我に傷をつける剣とは。珍しいモノを持っているな」
姫が弾き飛ばされた。
「だが、ムスメ。貴様の剣は軽い。勇者の剣はこの国全部の命を救うと云う重みがあった。貴様の剣では我に傷を負わせても決して倒せん」
どうする!
姫は得意の連撃技を出した。同時にトグロ、アカツキ、タケゾーの三者が一斉に斬りつける。姫の剣は、多少のダメージを与えているが、三者の攻撃は無傷だ。
領主が、攻撃をして来た。重量級のタケゾーが剣を受けたが、飛ばされて壁に叩きつけられた。
なんだ、この強さ。有り得ない。一時撤退するか?姫は最後まで戦うんだろうな。
僕は、相手の手を取り痛覚をぎゅっと押しながら投げに入った。ヤツに痛覚は通じないらしい。簡単に返され、僕も壁に飛ばされた。
「コタロー。大丈夫か?貴様は弱いんだから、無理するな!妾に任せよ」
「姫、言っては何ですが、今の姫じゃ勝てませんよ。断固とした決意をお持ちください。家臣の一人や二人を失う覚悟も出来ない甘いお考えは捨ててください」
「僕にはこの戦い勝機が見え始めたんです!」
「行くぞ!魔物め!僕は姫を救うぞ」
僕はさっき手を握った時に老師の籠手が魔物の禍々しい気を吸っていたのを感じたんだ。
(ありがとうございます。老師、見ていてください。老師は最期に僕に教えてくれました。「正義を貫き護れ。」って。今こそ、老師の御言葉に従います)
僕は魔物を掴んでは投げを打つがことごとく跳ね返される。受け身は老師に散々やらされたが、ここまで何度も投げられると身体中が、悲鳴をあげている。ただ、領主から、禍々しい気が抜けて来ているのは明らかだ。
「コタロー!踏ん張れ!根性を見せろ」
「コタロー!やっちまえ。投げて見せろ」
僕はやっと魔物の領主の懐に入った。
「せいっっ!」
領主が宙を舞いドスンと背中から落ちた。僕は残らず、禍々しい気を老師の籠手に吸い集めた。
どうやら、素の領主に戻ったらしい。
「父上!」
「能弘。ありがとう。もう大丈夫だ。感謝の言葉もない」
領主は、僕に近づいて来た。
「ありがとう。例を云うぞ。貴様のおかげだ」
瞬間、領主は不気味に笑った。
やばい。隠していた禍々しい気が出て来て僕の籠手を外してしまった。




