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ミラリス魔法学校

よかったら評価とかしてねー

 レインは窮地に立たされていた。

 自分の背後は断崖絶壁。前方には自分の事を崖に落とそうと杖を構えている年の離れた実の兄クロスが居た。


「兄さん、何故です! 何故、僕の事を殺そうとするのですか!」

 レインは兄に問いかける。しかし、クロスは冷たい表情を浮かべたまま。

「レイン。お前の思想は危険過ぎる。この場で殺しておかないと、後々や厄介な事になる気がするんだよ」


 危険な思想? そんなものは持ち合わせては居ないはず。

「兄さん。説得すれば、きっと民だって分かってくれるはずです!僕の思想は危険なんかじゃありません!」

「ははは。レイン。お前は何も分かってはいない。バカでカスの国民が分かってくれるはずないだろう」

「ならば、何故殺そうとするのです?」

「私はね。用心深いんだ。例え一%でも私の地位を脅かす奴は、速やかに排除する」


 兄クロスはレインに杖を向けた。

「さぁ、お別れだ。レイン。実の弟を殺すのは私も胸が痛いよ」

 クロスは一ミリも思っていなさそうな言葉を並べている。このままではやられる。レインはクロスに対抗する為。杖を構えた。

「レ・ライトフォルス!(光よ。放て!)」

 二人が呪文を唱えると二人の杖の先から光線が放たれた。

 拮抗する光と光。しかし兄の呪文は強い。レインは徐々に押されてしまう。


「ぐわああああ!」

 レインは負けた。光は彼の肩を貫き、レインに激痛が走る。そのまま彼は崖の下へと真っ逆さまに落ちていった。

「くくく。崖の下へと落ちていったか。衛兵、ちゃんと死んだか、確認しておけ」  

 クロスは冷たく、そう言い放ち崖を去っていった。


 その後、衛兵は崖の下を隈無く探したが、レインの死体は見つからなかった。

 結局レインは海に流され死んだのだろうという結論に至る。

 しかし、レインは死んではいなかった。崖の下の岩場の間に挟まれ間一髪の所で生還する。

「まだだ。僕にはやらなきゃいけない事があるんだ……」

 レインは兄に対抗する為、身を潜めた。

 そして彼は十六歳になった。


 

 完全無欠の生徒会長と怠惰な王子

「おいそこの、お前、ちょっと待て」

 朝。レインは不良らしき男達に呼び止められた。

 面倒くさいな。そう思いつつレインは振り返る。


「はい。なんですか?」

「お前、小銭持ってねーか? 跳ねてみろよ」

 なんと今どき珍しいカツアゲである。レインは何かあった時の為に現金の持ち合わせはあるが、勿論こんな不良にあげる小銭など一円たりとも持ってはいない。

「小銭持ってねーか。聞いてんだ。よこせ!」


 不良達は声を荒げる。正直言って耳障りな声は朝から応える。

 なんで、こんな不良達に金銭をあげないといけないのか。

 こんな時、やる事は決まっているだろう。


「こ、これが財布になります! お納めくださーーい!」

 レインは全力で土下座し不良達に財布を差し出した。

 あまりの潔さに不良達は逆に引いている。

「お。おう最初から、そうすれば良いんだよ。たくっ」


 流石の不良達も全額取るのは気が引けたのだろう。

 レインの財布から幾らか抜いた後、それを返した。

「またな」


 不良達はレインの元から去っていく。

「ま、僕の不戦勝って所かな」

 レインは、そう呟いた。


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