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95.妹を獲得せよ?

「へっ?じゃないわよ。妹よ妹。あんたよりも年下で、小さくて見た目も可愛い素敵な妹。欲しい?欲しくない?是が非でも欲しいわよね!?」


途中金恵の欲しい妹への理想像が入っていた気もするが、そんなことよりも金恵の妹を推す勢いが凄まじい。


「欲しいか欲しくないかで言えば欲しい…って何言わすのさ!いきなりどうしたの金恵、ちょっと変だよ?」


ちょっとどころかすごく様子がおかしく興奮気味の金恵。普段冷静で常識人の彼女から発せられる訳のわからない言動に俺は益々混乱した。


「欲しいのね?よし、言質とったわ。これならもう話しても良さそうね。教えてあげるわ稜。私たちがこの島で何をしようとしてるのか…。」


 急に落ち着いて本題に入る金恵見て、俺も自然とようやく本来の目的が聞けると真面目に話を聞く体制に入る。


「私たちがこの島に来た目的は、さっきのあの子を貴方の新しい力として獲得する為よ…。」


「俺の新しい力…。」


「そう。貴方に渡したギアに埋め込まれた七つの鉱石をよく見て。一つだけ他とは違って色がついてない無色透明なものがあるのわかるでしょ?」


確かに、金恵言う通り指輪についている一番右端の鉱石だけ色がついていない。


「それはね、器の中に人の魂が入ってなくて空っぽって意味なの。

貴方に託したギアはね、この世に漂う強い想いを秘めた人の魂が、大昔に降った流星群によって不思議な力を得てしまったものを従え、自分の力にできる能力を持ってるのよ。」


「人の魂を…。なんだか現実離れした能力だね。」


「そうね。強力な力を持つギアほど、現実離れした能力を発揮するものは多いわ。その証拠に、この島がニュースで流れた時一目で分かったわ。この島には何かしら強い人の想いが関与してるってね。

私たち時も(・・・・・)同じようなものだったから…。」


この話をしている時の金恵は何処か懐かしく、それでいて切なさを感じられるような印象的な表情をしていた。


「さて、ここに来た目的も伝えたことだし。さっさとあの子探してちゃっちゃと能力で稜の新しい力にしちゃいましょ!」


「待ってよ金恵。大体話はわかったけどさ、その肝心の俺の力するってゆうのってどうやるの?」


「そんなの互いに気持ちが通じてれば、自然と指輪の中に入ってくれるわよ。私も今からあの子探して、見つけたら教えてあげるから。あんたもあんたなりに頑張ってみなさい。」


重要なところだけ説明がめちゃめちゃ大雑把なんですけど!?


 詳しく教えて貰おうにも、こちらに背を向けたまま高くあげた手をヒラヒラと振りながら、金恵スタスタと歩いて何処かへ行ってしまった。


「頑張ってみなさいって、具体的なやり方がわからないといざって時にどうしたらいいかわからないよ。どうするんだよ、こんな時に偶然あの子を見つけちゃったら…。」


このセリフを言ったことで爆速でフラグが建ったのか、俺の視界の端に月明かりを反射して何かが煌めいたような気がした。


「まさか…。」


そのまさかだった…。

結構村を探し回って見つけられなかった少女がいきなり現れ、何処かへ向かってゆっくりと歩いていた。


 何処へ行くんだ?


 美月達を呼ぼうかと考えたが、大声を出してまた逃げられでもしたらいけないので、建物に身を隠しながら少女の後をつけることにした。

 歩いて行く最中、建物の影に入って少女の姿が見えなくなったので、急いで少女が見える位置まで移動する。しかし…。


「あれっ、何処行った…?」


建物の影に入ったと思ったら、その直後俺の前から姿をくらました少女。あたりをキョロキョロと見渡していると、なぜか少女を追っていた方向とは逆方向に突然姿を現した。

その後も後をつけていたら、姿を見づらい位置に入った所でまた別の場所に移動してるという、まるでそういう手品でもしているかのような現象が何回も起こった。

 あまりにも同じようなことばかり起こるので、まるであの少女にわざとこのように遊ばれているのではないかと思えてきた。

 そこで少女が突然消えた建物の影を調べてみると、地面に不自然に盛り上がった箇所を見つける。

手で盛り上がった土を払うと、少女が通り抜けられそうな穴が現れた。


「あんにゃろう…。俺に気づいてわざとやってやがったな…。」


地面から顔を上げて少女を方を見たら、その場で立ち止まってバッチリとこちらの方を見ていた。

 ずっと無表情で何を考えているかわからない謎の少女だったが、心なしか遠目で見たらなんだかさっきより表情が柔らかくなってるような気がした。

 そんなことを考えていると、少女は村外れ森の中へ駆けて行ってしまった。


「あれだけ散々遊ばれておいて、おいそれと逃してたまるか!ゼッテェー捕まえてやる!!」


今になってこの時を思い返すと、まんまとあの少女に誘導されていたなんてことを考えてもみなかった。

 そんな俺は見事に少女の策略に乗せられて、血が上った頭で感情的に行動を起こし。一目散に少女の後を追うのだった。

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