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国王と宮廷医師 小さな改革の前進Ⅶ

政敵のホルツ伯爵が宮廷を去ってようやく静かな宮廷生活を過ごす日々。

しかしこの薄氷を踏むかの様な状況に王妃は覚悟を決めストレートエンセとの関係を進める。

フィリップのおかげで私の陰口や悪い噂話に上がる事もなくなり、宮廷生活では落ち着いた日々を過ごし続けている。


それに何か問題が起こったとしても、マルグレーテとフィリップがなんなく解決して手助けしてくれてたからだ。

フィリップはいえストルーエンセは今や宮廷での地位は名誉国務大臣のみならず王室顧問に就任していたわ。

息子の種痘も成功して、フィリップのいえストルーエンセの宮廷内での評価と地位は高まる一方だった。

もう余裕ができた。

私は新しい舞台に移らなくてはいけない。


私は行動する。

強い決意と共にする為を。


だから………今宵初めてフィリップと…いや。

……ストルーエンセと夜を過ごす。

やっぱり言いなれない名前……だわ。

戸惑っている?

この行動が正しいのか?

私は答えを出せない。


前世の私なら迷いなく本能の赴くままに彼と関係するだろうんだろうけど。

会いたくて会いたくてたまらなかった人だもの。

でも今世では?

そう思える?

私は2人の別れを。そして私達の結果を知っている。

だから?

いいえ。

そうこれは布石なの。


今の私に出来る最良の方法と信じるわ……いえ信じないといけないのよ。

そう身体の関係をなしに彼を繋ぎ止める術はないわ。

彼がフィリップである限り、私達は愛し合う恋人通し自然な流れだから。

深い関係にならない方がおかしいもの。


挿絵(By みてみん)

今夜寝台の上で静かに腰を降ろし、自分の呼吸音さえ聞こえる無音の夜を迎える。

そしてその時を待つ。

受け入れなくてはいけない全てを運命だと思って。


宮廷の厚い黒い雲のような帳の中、私室を与えれたフィリップがひっそりと王妃の寝所に入り込むだろう。


まさに前世と同じような光景を想像しては、因縁を感じとらずにはいられないわ。

あの自分の中にあった知らなかった身体の中の更に奥に灯った炎を…。


マチルダの手引きで下女が使っている通路を抜けてやってくるであろう彼。

庭越しの大きなガラス窓は開いてある。


すっと暗がりに人影が浮かぶ。

私は覚悟を決め呼吸を整える。


全ては前世からの因縁だから……逆らう事などできはしないと言わんばかりに。



***********************************************


「夢のようだ。

 いや夢だと思うよ。

 そうあの日、あの日々を私達の再びを。

 この夜を私は忘れない。

 永遠に」


滑り込むように王妃の寝室の寝台に入った彼は熱い言葉を私の耳元で囁く。

その言葉は緊張した私の身体を解きほぐしてくれる。

嬉しさのあまり身体がゾクゾクして震える。

それは初めての感覚で、自分でも理解が出来ない震え。

恐怖ではなく自分の知らない自分が殻を破って違う自分になるような。

そんな恐れからくるのかもしれないしれないと。


彼の吐息が私の奥底にあったジリジリした炎の明かりが灯されて身体が熱くなるのを止められない。


身体から抜け出るのではないかと思うほど、心臓の鼓動が激しく高鳴っているのがわかった。


彼の唇は私のそれに重ねて、ゆっくりと私を弄った。

彼の舌がまるで生き物のように私の中でかき乱す。

私の心もかき乱す。

私は呼吸する事も忘れて彼にしがみついている。

彼の男らしい腕の中で、私は彼に火照った身体を投げ出した。

そして裸で彼の背を両手で抱きかかえる。

ヒンヤリとした彼の身体は冷気のある宮殿の使用人が使う通路を通ってきたからだ。


全てを差し出す。

身分も地位も関係ない。

彼の望む全てを共に永遠に。


「震えている?

 あぁ~~まるで初めての夜の様だ。

 陛下すら見せた事も。

 触れた事もないかのように……無垢

 の……素晴らしい天使…」


彼の唇が私の首筋を。

私の頬を、瞼をおでこを順に舌で転がす様に愛撫する。


「はぁぁ〜」

私の吐息が漏れると、彼はクスッと笑って今度は鎖骨を胸を弄り甘い言葉を投げかける。


「愛しい……愛しい私の…」


私の身体に電流が走る。

始めての感覚はくすぐったく、恥ずかしくて。

でも身体の奥から灯された甘美な快楽の波も襲いかかる。


「あぁ〜いとしい貴女」

その瞬間私は彼を力いっぱいに抱きしめる。


「スト……エン……愛して……います」


激しい息の下、ようやく言葉が漏れる。

彼の身体が一瞬固まったかと思ったら、突如私の中へと彼の身体の一部が侵入した。


「あぁあぁ〜」

強烈な痛みと違和感で彼の背中に爪を立てて喘いでしまった。


「くっ!!」


傷ついた背に構わず、彼は身体を上下に動かし始める。

その動きと同時に私の奥深くに潜む快楽と苦痛の連続で頭がどうにかなりそうだ。


熱が身体を覆いつくして燃え盛る身体にうっすらと汗が滲む。

彼の額からも汗が垂れてきているようだった。

暗い寝室で確かではないけれど。


「共に……永遠に……ゾッ……フィー……」


彼は滴る汗の額を拭いもせずに私の唇を彼のそれで(ふさ)ぐ。

信じられないくらい。

電流が流れてくる感覚に襲われる。

もう後戻りは出来ない。

いえ出来るはずもなかった。


私は快楽の浪に完全に溺れ、息をするのも忘れ意識を手放した。

この夜を永遠に忘れないと………。




 

王妃の不倫

その代償に得るものは?

次回は経営者不在のキュー商会に新たな事業とその中心人物達が登場します!

そして去った者も。


次回は構想の為休載いたします。



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