×月4日
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【ベルル】
エイカに「出てけ」と言ってから一日が経ってしまった。悲しみと同時に不安が押し寄せてきた。
アレクについてだ。一週間後までにと言っていたので、×月9日までに決めればいい。焦る必要はないだろう。
OKと言いたい気持ちが半分、ガレクへの不安が半分ずつある。アレクからの提案とは言え、ガレクが黙っているだろうか。いや、アリア家に手を出すほどガレクに力があるか?いやいや、ベラにも見捨てられ、エイカのことすら突き放してしまった私のことをもうアリア家と呼べるのだろうか。
大丈夫、ベラは出ていく時自身の荷物しか持っていっていない。なので財力や兵力はこちらにあると考えていいだろう。一応不安になったので、アリア家の専属騎士である『ライタ・ヘンリー』を家に呼んだ。
数時間後、ライタは飼っている茶色い馬、『ウマコ』を連れて家に来た。
ライタが部屋に入ってきたと同時に、一気に悩みを打ち明けた。
ライタとは唯一と言っていいほどの親密な関係で、お互い子供の頃はよく遊んでいた。こうなって大人になってからでも仕事以外の付き合いでも話したりすることがある。流石にライタには手を出していない。
「ふむふむ、『ピルクレア』ねぇ……ショックだけど、なんか実感がわかないなぁ。」
「私もなんだけど……」
余命三十日と聞かされても、うーんという反応しか出てこない。流石に聞かされて当日は大泣きしたが、今となっては逆に実感がなくなってくるというものだ。
「ま、あと三十日を楽しみなよ!!人間終わり時なんていつでもくるもんだよ!」
そう言いつつも、ライタは少し手が震えていた。ショックだったのだろう。隠してくれた気遣いはありがたかった。
「あと、アレクさんのことか……中学はベルルと違う学校だったでしょ?その時同じ中学で、まぁ人気者だったね。あれだけ優しいから、別に俺的にはいいと思うよ。ガレクも流石に介入してこないでしょ。してきたら俺がどうにかするよ!」
ライタ一人ではどうにもできないと思うが、そう言ってくれるだけでもありがたかった。
とりあえず今日は帰ってもらった。不思議と今日はぐっすり眠ることが出来た。
第四話 終
戦闘シーンを入れた過ぎて禁断症状起きそうです




