嫌悪もテンプレの一つだよね
「今日も今日とて仕事ですよっと」
まぁ仕事って言っても今日はほぼ書類仕事だけどー。
「辛いよー部下Aー」
「文句言わないでくださいよ、僕も手伝ってんだから」
「だってこれ……」
私の管轄じゃないものまで入ってるよ、なんだよ住所録って、私じゃなくて宰相辺りに任せろよ。
「宜しく、だそうです」
「いやだ、と伝えておけ」
「はい」
「まったく、私は兵士の健康管理その他もろもろ担当だっつーのに、ていうかそもそもこれも師匠の仕事だし……ぐぬぬ」
爪を噛んで悔しがる、あのバカ師匠は一体どこに消えたんだ。
「まぁそう怒るな」
扉のほうから横柄な言葉を投げかけられイラつきながらそちらを見るとそこには獣王様がおられました。
「じゅ、獣王様!?どうしてこちらに!」
椅子から立ち上がろうとするのを手で止められる。
「あ、あの」
「その馬鹿師匠から手紙が届いているぞ」
「ほ、本当ですか!?」
獣王様が差し出した手紙、その宛先名は私の名前で送り主は確かに師匠だった。
畏れ多くも王の目の前で声を荒げてしまったが今はどうでもいい、あのバカは今どこで何をしているんだ?
「……」
そこに書かれていたことは簡潔そのもので、もうすぐ帰ってくる由と、人間、それも転生者の従者として北の遺跡の探索に行けとのことだった。
何…ですと?
side師匠
祖国にいる愛弟子のことを考える。
「きっと怒ってるだろぉなー」
何故人間の従者などしねばならんのだぁー!とか叫んでるんだろうなぁ。
「誰が怒ってるんですか師匠?」
「いやぁ、私の弟子にな?お前の従者をするよう手紙で送ったんだがあいつプライド高いからなぁ~アハハ」
「ちょっ!洒落になってないですよ!?」
ははは褒めても何も出てこんぞ?
「まぁ大丈夫だろ、いきなり切りかかってくることはしないと思うし?たぶん」
「何故疑問形なんですか?」
「いやぁ、あいつ本当に人嫌いだからな、分からん」
「はぁ……」
さっきからボソボソと「きっと筋肉もりもりマッチョなんだろうなぁ」とか「怖ぇ、超逃げてぇ」って聞こえるがあいつと会ったらビックリするだろうなぁ。
「くふふ」
「笑い事じゃないですよ、師匠」
「な、何故人間の従者なぞにならねばならんのだーーーー!」
案の定城には愛弟子の叫び声が響いたようです。