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美術展と怪盗

「いやちょっと待ちなさいよ。」


白昼堂々と門を通過しようとしているお兄さん、発見。


そのお兄さんは驚きの表情を浮かべていた。


「通行証を拝見いたします。」


「……見えるのか?」


いや意味不明ですから。見えるのか?じゃないですよまったく……


「通行証を持ってない人を通すわけにはいきません。ねえベル。」


ってベルはうたたねしてる!?


「……他の門にも手練れがいるのか?」


「西門が一番手薄ですよ!へなちょこの私たちが任されてるんですから!」


私たちは門番、双子の姉妹です。妹のベルは今うたたねしてます!


「……名をお伺いしたい。」


「私はファル。かわいいだけが取り柄の西門のへなちょこ門番です!」


謎のお兄さんはどこかへ行った。


しばらくするとまたさっきのお兄さんが門を通過しようとしていた。


「いやちょっと待ちなさい!?」


私は全力で止めた。


お兄さんはまた意味不明な驚きの表情をうかべている。


ベルはぼーっとしてるし。しっかりしてよ!


「通行証だ。さっきは忘れていた。悪い。」


お兄さんから通行証を受け取る。


「……これ偽造ですよね?」


そう言うとお兄さんはまた驚きの表情。


何回驚くのこの人は。


だって文面のフォントが微妙に違うし、サインの筆跡も微妙に違うし……


「……他の門にも手練れがいるのか?」


「だーかーらー!ここが一番手薄です!何度も言わせないでください!」


「……名をお伺いしたい。」


「お前なあ!さっき名乗ったでしょ!」


そう言うとお兄さんはまた驚きの表情。


「そんな顔してもごまかせませんからね!」


私はお兄さんをシッシと追い払う。


謎のお兄さんはまたどこかへ。


……数分後また戻ってきた。まーた門を通過しようとしてる。


「待ちなさい。これで三度目。」


またお兄さんは驚きの表情を……もういいやこいつ驚きすぎ。


「これは明らかなルール違反。もう許しません。」


私は槍を構える。


お兄さんは胸元から護身用の短刀?をゆっくりと出した。


「ふーん、これはもうひっ捕らえて牢屋送りですよ。」


相手は短刀。槍の間合いで制す!


槍を振り回していると彼の短刀が怪しく光り……


刃先が飛んできた!私はそれを間一髪かわす。


「……これも通用しないとは。」


「だーかーらー!もういい加減にしてください!」


「しからば!」


彼は胸元から小さい球状の物体を取り出し、地面にたたきつける。


破裂音と共にケムリがあたりに充満して……


視界が一瞬で真っ白に染まった。


「待ちなさい……」


その隙にお兄さんはまた門を通過しようとしていた。


「……まさかこれすら……ダメか。」


「いやダメとかダメじゃない以前に、通行証!通行証を見せなさい!」


可憐(かれん)なお嬢さんに免じて、今回はこれにて!」


いやお前カッコつけんなよ。全部ダメだったじゃん。


そういえば今、街では美術展が開かれている。


怪しい人物は絶対通すなって、きつく言われてたんですよね。


こういう大きなイベントの時には出るらしい。怪盗が。


まあ西門の私たちには無縁の話ですよね。


一応、ミッションは継続中。


「ファル、誰としゃべってたの?」


「ベル、寝ぼけてないであなたも仕事しなさいな。」

ここまで読んでいただきありがとうございます

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既にいくつか評価いただき誠にありがとうございます

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