第90話 問答
居眠りしているうちに着陸の時間が来ました。
だいたい八時間くらいの空の旅でしたね。
これといったトラブルもなく、非常に快適でした。
本当にミームなのかと疑ってしまいそうなほどです。
おや、滑走路に誰か立っていますね。
着陸するこの飛行機を遠くから眺めています。
カメラをズームしてみましょうか。
僕の知り合いかもしれません。
……おや。
あれは婦警さんですね。
何度見ても本物のようです。
しっかりと僕のことを認識しているようですし、モブではないと思います。
それにしても服装がおかしいですね。
とんがり帽子にローブですか。
手には木製の杖と箒を持っているようです。
ミーム発動を補助するための格好でしょうか。
婦警さんは魔術のミームを使えたはずです。
きっと服装を魔術師に寄せることで、ミームのイメージを掴みやすくしているのだと思います。
いやはや、探す手間が省けました。
まさか本人が出迎えてくれるとは予想外です。
それにしても一体どうやって僕の位置を特定したのでしょう。
行き先や移動方法は誰にも伝えていませんし、そもそも出発のタイミングも気まぐれだったのですが。
まあ、考えるまでもありませんね。
婦警さんは自分のミームで僕を見つけ出したようです。
この四カ月で色々と習得したようですね。
なんとも面白い展開になってきました。
せっかく出迎えてくれたわけですから、ちょっと話しかけに行きましょうか。
婦警さんの動向はあえて調べていなかったので、新しい情報がたくさん出てきそうです。
このままノーカットでいきますね。
いきなり攻撃されることも想定しておきましょう。
僕としては会話がしたいので、なるべく平和的に進めていくつもりです。
どうも、婦警さん。
お久しぶりですねぇ。
ご無事で何よりですよ。
「チョイス。お前が生きていることは知っていた。殺しても死なないような男だ」
それは過大評価ですよ。
僕はサイコキラーですがただの人間です。
割と簡単に死んでしまいますよ、ええ。
むしろ僕としては、婦警さんが死んでいなかったことに驚きです。
魔術のミームを上手く使いこなしているようですね。
「そうしなければ生き残れなかったのでな。死に物狂いで習得したんだ。お前のおかげで、私は常に命を狙われる羽目になった」




