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終末パラノイア ~殺人罠師とミーム汚染アーカイブ #1~  作者: 結城 からく


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第21話 ミーム

 ただの思い込みが現実を歪める。

 ちょっとした不安が命を掠め取ってくる。

 誰もが抱く"かもしれない"が容赦なく的中する。


 ありえない話に思えますが、いずれも本当なのです。

 きっと一部の人間は気付いているでしょう。

 考え次第では意外と簡単に発生させられるのですよ。

 無限弾もその一例と言えますね。


 まだ信じられませんか?

 では一つ検証をしてみましょうか。

 きっと信じてもらえますよ。


「どうするんだ」


 このパトカーを使います。

 婦警さん、トランクに何が入っていると思います?


「……分からない。交通整備用の道具だろうか」


 違いますねぇ。

 正解はゾンビです。


「何っ!?」


 どさくさで一体だけ紛れ込んだのですよ。

 ちなみに警官のゾンビです。

 婦警さんの知り合いかもしれませんね。


 それとトランクに交通整備の道具は入っていません。

 代わりにたくさんの武器が収納されています。

 きっと誰かが脱出のために用意していたのでしょう。

 押収品の強力な銃火器や爆弾が入っています。


「どうして知っている。事前に確認したのか?」


 答え合わせは後でします。

 ではさっそくトランクを開けてみましょう。

 さあ、オープン。


「ギギャォッ!」


 これはまた元気なゾンビですねぇ。

 いきなり噛み付こうとしてきましたよ。

 油断して開けてたら終わりでしたね、ええ。

 とりあえずうるさいので撃ち殺します。


「ゴビェッ」


 さて、これで静かになりました。

 トランクの中身をチェックしていきましょう。


 さっそく銃を見つけました。

 マシンガンにロケットランチャーに火炎放射器までありますよ。

 手榴弾とかダイナマイトもオマケで付いてます。

 他にもやばそうな武器がたくさんあるので、当分は困らないでしょうねぇ。


「ゾンビは確かに同僚で、銃火器と爆弾が入っていた。なぜ分かった? やはり事前に見たのか」


 まさか。

 あの状況でそんなことができるはずないでしょう。


 僕はトランクの中身を知りませんでした。

 だけど、知らないが故にあらゆる可能性が発生します。

 そして強い思い込みが結果を固定させたのです。


 これが狂った世界に根付いた法則です。

 そうですね……仮にミームと呼称しておきましょうか。

 人間の認識が事実をずらしていきます。

 もう手遅れですよね、世界。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >これが狂った世界に根付いた法則です。 >そうですね……仮にミームと呼称しておきましょうか。 「仮に」と言ったって事は、チョイスも本来の『ミーム』の語義(※)から外れている事は自覚し…
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