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秋雨 異世界旅行記5

峡谷


谷底



パチパチ…


「痛ッ…」


「起きた?モミジ」


「秋…雨…?」


「良かった…、痛い所はない?」


「ここは…?」


「解らないけど…、谷底かな」

「僕が流されてきた後、モミジも流されてきたんだ」


「…そう」


「GLは無事かな?」


「…無事だと思う」

「兄さんが着いていれば問題は無いはずだから」


「…良かった」


パチパチ…


谷底に焚き火の燃える音が響く



「…秋雨」


「何?モミジ」


パァ-ン…


「…え?」


秋雨の顔を叩くモミジ


「…どうして、私を庇った?」

「不良の時とはワケが違う!!」


「モミジ…」


「あの時!私を見捨てれば秋雨は落ちなくて済んだ!!」

「それなのに…!どうして…!!」

「どうして私を庇った!?」

「条件反射で出来る事じゃない!!」


「…うん」


「答えろ!!」

「どうして!私を庇った!?」


「…解らない」


「はぁ!?」


「解らないんだよ」

「気が付けば…、助けてた」


「また「条件反射」とでも言うのか!?」


「…そうかな」

「解らないんだよ、僕にも」


「何が言いたいんだ!?」


「だって…、目の前に危険な状態な人が居たら助けるでしょ?」

「その時の思想を言葉で表すなんて…、僕には出来ないよ」


苦笑する秋雨


「…この大馬鹿」


「え!?」


「馬鹿だよ、秋雨は」

「全くの…、大馬鹿だ」


「そうかな…、そこそこの学力はあると思うんだけど…」


「フフ…」


「モミジ?」


「…何でもないよ」

「さぁ、早くここから出よう」


「う、うん!!」



列車内


「…さて、答えて貰おう」

「何が目的だ?」


「…」


一切喋ろうとしない男達


「…北の国王の命だ」


その中の1人が口を開く


「嘘をつくな」

「ティルリア国王は列車内を占拠するなど手荒な真似はしない」


「…ッ!!」


「本当の事は言えないか?」


「…ああ」


「何、心配するな」

「あのバムとか言う男は逃げた」


「…!」


「貴様達は?あの男を恐れるか?」

「場合によっては我が国で保護してやろう」


「…どうする?」


「従おう…」

「このままじゃ、俺達も殺されるぞ…」


「…あ、ああ」


「誰に殺されるんだ?」


「…ヤグモ様だ」


「…ッ!!」

「生きていたのか…!あのヤグモが…!!」


「俺達は元はハジャ様に仕えていた」

「だが、ハジャ様がメタルに負けてからは…、俺達は空中分散状態にあったんだ」


「…で?」


「そんな時、ヤグモが元ハジャ様の部下達を集め出した」

「「ハジャ様の無念を晴らそう…、と」

「だが、俺達は従わなかった」

「ヤグモに従う気にはなれなかったんだ…」

「だが…、ヤグモは従わない物を実験の材料にしていった」

「元ハジャ様の幹部は体内にヤグモの分身である蜘蛛の起爆装置を仕込まれた」


「お前達は?」


「仕込まれてない」

「あの技はエネルギ-を消費しすぎるらしい」

「俺達、下っ端には何も…」


「その代わり、見張りが付いた…、か」


「…そうだ」


「…理由が分かればいい」

「お前達は我が国で保護する」


「…助かる」


「交換条件だからな」

「さて、俺は2人を捜しに…」


「大変です!!」


「どうした?車掌」


「目の前に!巨大な岩が!!」


「何だと!?」


線路には巨大な岩


「あんな岩…!衝突すれタダでは済まんぞ…!!」


「どうしますか!?」


「止まれるか!?」


「無理です!!」

「この距離、速度では…!!」


「…ッ!!」


ギャギャギャギャギャギャギャ!!!


急に速度を落とし出す列車


「何だ!?」


「解りません!この距離でブレ-キが掛かるなど…!!」

「車掌室には誰も居ないはずなのに…!?」


ギャギャギャ…


「と、止まった…」


ガタン!!


「兄さん!何処に行ってたの!?」


「…ツバメか」


「ラジンから連絡が来てね-!!」

「「シャ-クさん達の列車がジャックされた」って!!」


「ラジンめ…、偶には役に立つ」


「で?ジャック犯ってコイツ達?」


「もう良い」

「コイツ達も命令で強制的にやってだけだ」


「へ-…、そうなんだ…」

「…」


「どうした?ツバメ」


「この人達、縛られてるよね?」


「ああ、それがどうした?」


「ねぇ-!この列車に擽る物、有る-?」


「止めろ」


「コチョコチョ-、って」


「止めなさい」


「だって!縛られてる人見たらやりたくなっちゃうもん!!」


「止めろって」


「むぅ---」


ふくれるツバメ


「あれ?姉さんと彼氏は?」


「彼氏じゃない!!」


「え?そうなの?」

「姉さんの胸を揉んだとか揉んでないとか」


「その話を俺の前でするなぁああああああ!!」


「あの貧乳を揉むなんて凄いよな-」


「だよな-」


爆笑するジャック犯の男達


「…おい」


「え?」


「俺の妹が貧乳だと…!?」


「え!?あ-…、巨乳?」


「では無い」


「だよな-」


「…ツバメ」


「何?」


「擽る物、持って来い」


「解った-!」


「え!?ちょ、ちょっと!!」


「やって良し」


「ぎゃああああああああ!!」



峡谷


谷底


「何処から出られるんだろ…?」


「中々、出口が見えないな…」


「この谷底って、どうなってるんだろ?」


「確か、ベレ-ム谷じゃなかった?」


「え?「ベレ-ム谷」?」


「深さが尋常な深さじゃないの」

「この世界一だったと思うけど…」


「えぇ…」


「確か、この谷底に住んでる人が居たような…」

「誰だっけ?」


「僕に聞かれても…」


「デユゥ?」


「はい?」


「デボボボボボ」


「え?何?何か言った?モミジ」


「秋雨…!後ろ…!!」


「え?」


「デヴァウ」


「…!!」


秋雨の後ろには巨大なミミズ


「デバァ…!!」


口からは幾千の触手と牙


「何…!!」


「デバウラン…!ベレ-ム谷の捕食者…!!」


「強いの…!?」


「軍隊を派遣したら、軍隊で腹を満たした化け物…!!」


「デババヴァババ!!」


(こんな狭い峡谷で能力なんて使ったら…!!)

(確実に崩れる…!!)


「どうするの…!?秋雨!!」

「私のナイフじゃ!この巨体は倒せない…!!」


「3-、2-、1-…」

「ド-ン」


パァン!!


「デボ…」


ドシャアアアアアアン!!


「…!?」


崩れ落ちるデバウラン


「巨大な化け物でも急所を打ち抜けば殺せる」

「覚えておくと良い」


「アンタは…!!」


「シャ-ちゃんは元気?」

「モミジちゃん」


「えっと…?」


「え-!?忘れたぁ!?」

「昔は遊んだ仲なのに…」


「南面利(ナメリ)!?」


「あ、思い出してくれたね」


「どうしてアンタが…!!」


「詳しい事は家で話すよ」

「さぁ、家に行こう」


「誰なの?あの人…」


「元は私の友人だったけど…」

「敵に着いた南の大罪人」

「南面利…」


「どうして、その人が?」


「解らない」

「南面利は…、金田に殺されたはずだから」

読んでいただきありがとうございました

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