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一流料理人転生したら獣人でした  作者: みずいろ
スノウドラゴン編
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第54話「なにこれ...遠足?」

「おはよぉー!ダイゴ。」

マカフィーは昨日見せてくれたローブをしっかりと着こなしている。


シャルはまだ眠そうでぼや〜っとしてる。


「お?新顔だ!」

早速ルカに反応を見せるマカフィー。


「はじめまして、この度皆様のお仲間になることになりました。トリックスター兼料理人のルカ・スカイです。」


「おぉ!新入りさんだったか!ダイゴこんなに可愛い子よく勧誘できたねぇ。」


「いや、それがアクアベリーの頃からの知り合いでさ1番初めに俺とレストランをやると言い出したのはこいつなんだ。アルスと意気投合してここに連れてこられたらしい。」


「あはは..ダイゴが仲間だと認めてるならあたしはそれでいいと思うよ!ねっみんなもそう思うよね!」


マカフィーはみんなの方をむくと眠そうなシャルや来たばかりのモーティも頷いてる。

そこにアルスも降りてきた。


「おはよーさん!おっ!やっぱりルカちゃん着いてくることになったんやねぇ〜。うんうん、ダイゴくん〜!女の子ばかりでウハ

ウハやのぅ〜あははははは。」

白々しぃ...。どうせ全部お前がわかってて仕組んだことなんだろ!?

もう突っ込む気にもならんわ。


「まぁな。こいつと居れば料理人ギルドの依頼もランクの高いものを紹介して貰えそうだしな。」


「うんうん、そういうことにしといたるで。」


「あ〜うざい。ていうかそういうのいいから俺の装備は?」


「あ〜そうやった。用意してあるで、でもなぁダイゴ君がこの前ゲーまみれにしてしまったあれ結構ええもんやったんやでぇ。あ、念の為にルカちゃんの分もあるさかいに受け取ってな。」


ちゃんと刺してくるから文句が言いづらいなぁ...まったく。


アルスが倉庫から出したのはコッコクートのような白のシャツとセットのズボン。


「あ、これは今回はしまっておき〜!プレゼントやこっちやのうて今回はこれや。」


そう言って再び倉庫から出したのはこの前とは違い真っ黒のワイシャツと硬い素材のジーンズだ。


「これは防寒と吹雪耐性、灼熱耐性、風耐性が付与された優れモンなんやで。今度はゲーかけんといてな、ヒヒ。」


いちいち腹立つなぁ。


「さんきゅ。」


「ルカちゃんには動きやすい装備用意したで。あとタロットもあるでトリスタはオルカナの精霊やら星やらマナとは違う自然エネルギーを使って戦うさかいそれに合わせて戦いやすいような装備にしたったで。」


「ありがとうございます。」


ルカはニコッとしてアルスから紙袋を受け取った。


「よーしこれで全員装備受け取ったな。おっとモーティの分忘れとった。ほいこれ。」


「ありがとうございます!やったぜ!ウォーターアーマーだ!」


「好きやろ?そういうん。動きやすい胸当てと佩楯だけのタイプやし氷耐性付与してもらってあるさかい大事に使ってな〜。」


これを一日で用意しながらアクアベリーでの何かしらの用事を済ませ飲みに行った先でルカを連れ帰るこの男は一体いつ休んでいるのか甚だ疑問である。


「あんたやっぱり隙がなくて気味がわりいなぁ。」


「あははは!正直やなぁ、君。まぁまぁ素直なんはいい事やけど建前でももう少し感謝の年を向けるもんやでふつー。」


「わーってるよ!」


「うっしゃ!これで全員に必要なもんは行き渡ったようやなぁ。みんなが着替え終わった頃ダイゴくんみんなに衣の魔法頼むわ。教団の本部のところよりさらに北緯上がるからなぁ...吹雪えぐいでぇ。」


「おう、わかった。」


俺はみんなが着替え終わったのを確認したあとモーティと出かけた時密かに買っていたとあるアイテムを取り出した。


「お!魔光ペンやん!それ使うってことは魔法陣か術式か?」


「あぁ...さすがに全員にルフレをかけ続けるのは根気がいるからな。自動化をするためにプログラムした術式が組み込まれた魔法陣を詰め込もうと思ってな。」


「かっこいいな〜君。魔力は底なしってとこやんな。」


「茶化すなよ。おい、ハルート、理論が間違ってないか試し書きするから見てくれる?」


「あぁ、はい。」


ハルートにチェックしてもらいOKが出たので術式を空中に魔光ペンの光で書き出し魔法陣に組み込んでみんなに陣内に入ってもらう。


「ルフレ!」

全員に衣の魔法がかけ解けそうになればしばらくの間自動でかけ直しが行われ、俺の魔力が一定数減ると自動でマフィールがかかるプログラムが発動し魔法陣は緑色に強く光って消えた。


「よしっ。これで大丈夫だ。」


「相変わらずダイゴも規格外だよね!あはは!」


「いや〜それ言ったらマカフィーもだいぶ魔力は高いだろ?信仰魔法は扱い難しいらしいのにサポートから攻撃までこなすじゃんか。

それにシャルはバケモンみたいなフィジカルしてるし...ハルートは知識量えぐいし...みんな平等にどっかおかしいんだってあはは。」


「そうかもね〜あたしたちお似合いお似合い〜。ルカちゃんもぶっ飛んでるみたいだし、モーティもきっとどっかそんな部分があるんだと思うよ〜。引き寄せ引き寄せ〜。」


マカフィーちゃんは今日ものほほんとしてますなぁ。


「みんなあらためて準備はええかー?そろそろ転移札で飛ぶで〜。アベちゃーん!ほな留守頼むわ〜。」


「はい、皆様、お気をつけて行ってらっしゃい。アルスさん?僕がいないからって羽目を外しすぎないでくださいよ?」


「んーどやろなぁ...。」


「もぉ〜。」


「あははは!ほな行くで!そりゃ!」


アルスは転移札を掲げると光に包まれ次の瞬間は猛吹雪の中にいた。


「うわ〜衣の魔法無かったら音も聞こえないね!ビュービューすごい!あ、あたしもみんなに一応加護を付与しておいたから氷耐性は少し上がってるよ〜。」


「マカフィー!せんきゅ。」


方向が全くわからないのでしばらくアルスについて行くと洞窟の入口のようなものが見えてきた。

魔素が濃すぎて瘴気を少し放っているのでここかとすぐ理解できた。


「お〜!こりゃまたすごいなぁ〜。中にいる魔物はやばそうや。鉱物やらそういうもんですら魔素だらけでモンスターたちに取っちゃ食うもんには困らなそうでええなぁ...あははは。まぁ食物連鎖の頂点におるスノードラゴンからしたらもはやこれはビュッフェやな!」


アルスがそう高らかに笑うがこいつが言うとなんか腹立つなぁ。


「さ、こっからは結構過酷やで。気絶や絶命なら超回復薬あるからどうにかしてやれんこともないけど飲める本数にも制限があるさかいあんまり死にかけんといてな。ダイゴくんの魔力やマカフィーちゃんの魔力かて温存も必要なこともあるやろし。」


今度は割とまともなことを言っている。

俺は一応念の為日本で言うところのサイダー味のようなエーテルを飲み干しておいた。

マフィールだけでは回復が追いつかないくらいに魔力消費してしまうかもしれないので念の為だ。



用心しながら近づき中に入ると早速洗礼を受けた。

おそらくフリージャスが俺たち目掛けて飛んできた。

俺は即座に同じ威力のフリージャスを打ち返し相殺した。


「かっちょいい〜。」


茶化してくるアルスを放ってシャイマで球体の光を作り辺りを見渡すと氷や氷に似た鉱物で構成された天井や壁であることがわかった。

足元は部分的凍っているところもあるが黒くトゲトゲとした岩になっている。

おぉ〜ダンジョンぽいなぁ。


「ん〜奥に行ったらええ遺物がありそうやなぁ。楽しみや。」


「戦いは久しぶりで緊張するなぁ...。ダイゴ足手まといだったらすまんな。」


「モーティ、大丈夫だよ。いざとなったら全員フープルするから。」


「あー最悪!爪割れたぁ。」


「え!マカフィーちゃんまって補修液あるよ。」


なにこれ...遠足?

モーティまでは緊張感あったのにマカフィーとルカが喋りだしたら死ぬかもしれない洞窟の中で繰り広げられてる会話とはとても思えないのだが。


「早く...戦いてぇなぁ。オオモンなんだろ?今度のボスってやつぁよ、ふぁ〜。」


シャルちゃん、あくびしてますけど洞窟の奥から感じる強い魔素に反発するようにこっちも強めにマナを出して威嚇してるのは俺なんだよ??

もっとみんな緊張感もと?


「はぁ...ったく緊張感ないなぁ。」


「まぁいざとなったらダイゴがいるしどーにかなるよ!ねっ!」


マカフィーちゃん可愛いこと言ってくれますねぇ。


「おう!俺だって暇そうにしてるけどバフを一応重ねて置いてるんだぜ。」


「あらそりゃ失敬。でもアルス!お前はさっきから何してんだ?スマホいじって。」


「あははバレたか!暇やったさかい仕事しとったわ。」


「ったく!死んでも知らんからな。」


「あはは〜そう言わんと助けてや〜勇者様ぁ〜。」


こいつに勇者様と言われると小馬鹿にされてるようにしか感じない。

だいたいなんだよ勇者様って...俺は料理人だっつーの!


「はぁ...はいはい。もう突っ込む気にもならんわ。あほくさ。」


そうこう話しながら奥へ進むと敵もそこそこ現れた。

みんなそれぞれが臨戦態勢に即切り替わり上手いこと倒して進んだ。

アルスはあまり前に出ず手の内を見せないのでそれが気に入らなかったけど。


そのうち進んでいくと割と広いホールのような場所に出た。

天井も今まで歩いてきたところよりは高い。

真っ暗だったのでシャイマのあかりを強くして照らし出すとヤバげなモンスターと対面してしまった。


「んー!!また虫かよ!しんじらんねー!」


今度はコウモリの羽が着いたデカイヒル...。

あーキモイ!


「ホールワームやね。普通はあんなに大きくならへんけど丁度いい巣やったんか...半端なくでかいなぁ...あははは!ここは魔素も強いしいるだけでどんどんデカなるんかもなぁ。」


笑っててムカつく。


「おい!アルス!お前もいい加減にちゃんと戦え。シャル!マカフィー!ハルート!すまないが今回は後ろで見ててくれ!俺とモーティとルカとこのバカで戦ってみるよ。敵が他によってきたらそっちを頼む!」


「おっけー!」 「ずりーぞ!と言いたいが他にも強そうな気配があるから見張っといてやる。」 「はい、分かりました、キズぐすりやエーテルの用意をしておきますね。」


「しゃーない...やるかぁ。」

アルスは一瞬気だるげな顔をしたが気合いを入れ直していつもよりキリッとした目でこちらを見た。


「ダイゴくん俺にシールド貼っといて。」


「まかせろ!フィジックプロト!マナプロト!」


魔法障壁と物理障壁をアルスに言われた通り貼ってやった。


「モーティ!ルカちゃん、すこし気を練るさかいにその間的の気を逸らしといてなぁ。」


「おう!」 「わかった!」


モーティはアルスに言われた通りこちらに気がついて向かってくる敵を正面から受け止めた。


「ウィンルド...!ウォル!」

彼は両足には風の魔法を両手には水の魔法を発生させ体を自由に飛べるようにしたあと敵の方に飛び上がると羽目掛けて水の魔法を放った。


敵はそれを交わし一直線にモーティのところへ向かう。


「アクティブフォール!」

それを体術で受け流し敵を地面に叩きつけるモーティ。


敵はその攻撃をものともせずすぐに体勢を立て直す。


今度はルカが束になったカードをシャッフルし三枚だけ手に取るとそれを表にする。


「オルカナレプリカ!オープン!ソード4!愚者!月!」


オープンされたカードから光が放たれソードのカードからは剣が飛び出し敵の動きを封じるように敵に突き刺さる。

身動き取れずに暴れる敵に対し、逆位置で出た愚者のカードからは黄色の光が飛び出しそれがさらに敵の動きを止めにかかる。

最後に月のカードからは紫の光が飛び出しそれが敵の頭を包み込む。

おそらく幻惑かなにかのカードだろう。


敵はもがき苦しみながらこちらへ殺意を向けてくる。


「アルスさん!早くして!多分私の拘束くらいじゃすぐに抜かれる。」


ルカはアルスの方を見るがアルスはなにやら集中している。


「身体...向上...腕力強化...我...日出処力欲す者...数多の光纏導き賜う...。」


「ったく!俺がやるか!?」

と俺が言った瞬間。


「紅正拳!」


炎を纏った拳を掲げて敵に向かって走り始めたかと思うと一瞬で敵の懐に入り込み燃え盛る拳をふるった。


敵は激しく燃え上がったがまだ動きを止めずアルスに反撃をしてくる。


アルスはそれを...どうやって躱したのか分からないほどのスピードで躱しいつの間にか後ろに回り込むと再びなにか詠唱した。


「我、汝に命ずる。汝あらんところに...火のありけり。炎柱第二式煌!」


すること今度は天井にまで届くほどの炎のうずが発生し敵をあとかたもなく焼き尽くしてしまった。

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