リカードとレオン
リカード・ハッシュドア
彼は頭の回るリザードマンだ。
幼い頃から奴隷区でオタルと共にゴブリンの老人ゲラルドに育てられた。
奴隷撤廃からは、元奴隷の仲間達でゲラルドワーカーズを設立。
奴隷区ではリーダーとして活躍していた獅子の獣人レオンと共に若くしてまとめ役を担い、着々のその規模を大きくしていった。
小忙しく仕事をこなす中、ゲラルドワーカーズの仲間がリカードの部屋の扉を開けた。
「おい! リカード!オタルからだ!!」
獣人の男が、リザードマンの男の名を呼んだ
「オタル!?」
もしくは幼馴染の名を聞いて身を丸くし驚く。
オタルがとある理由から旅立ってから1年以上になる。その間、無駄だとわかりながらも旅人送りで手紙を送りながら、オタルの安否を心配していた。
ーーーーーーー
遅れて帰ってきたレオンが、リカードから渡されたオタルの手紙を読みながら口を開ける。
「フルド・キャンセム、、いい人間ならいいがな、騙されてないか心配だ」
「今頃ウランダに着いた頃ですかね?」
「着いたといっても、街の中には入れんだろうし」
オタルの返信を読んでいると、再び獣人の男が入ってきた。
「リカード、レオンさん、お客さんです。」
「誰だ?アポ無しは困るぜ」
「カッターなんたらとかいうホルム人だ」
「ホルム?珍しいな」
「それがオタルのことを聞きたいって」
「オタル?なんで、、、」
ーーーーーーー
客間に通したのは黒髪のホルム、普通の体格だが、レオンやリカードと並ぶとかなり小さく見える。
「どうも、情報屋を営んでいるカッター・ロッシュと申します。この度はお時間頂きありがとうございます。」
「いえいえ、それで、その、オタルについてとは・・・」
「言葉の通りです。オタル・ハッシュドアさんと親しい貴方方の知るオタル様の性格や生い立ち、思い出なんでも構いません、教えて頂ければと」
リカードとレオンは顔を見合わすと先にレオンが口を開いた。
「なぜオタルのことを?」
「なぜか、、、上の方がオタル様に興味を持たれたとしか」
「仮に教えたとして、どうなる?オタルに害が渡らない保証でもあるか?」
「さぁ、そこまではなんとも、ただ知りたいだけなのです。あの人のことですからそのうち伝記などを書くのではないですかね」
カッターは話を続ける。
「もちろん、対価はお支払いします。金もしくは情報でも」
対価と言われても、二人は余り話したくないようだ。二人が口を開く前に、カッターは再び言葉を発した。
「でしたら、今現在のオタル様の情報でもお教えしましょうか?旅の仲間の情報もございますが」
「・・・・どんな話でもいいんですか?」
カッターの話に答えるリザードマンのリカード
た。
「はい!別にオタル様自身ではなく、関係者の事でも構いません。
もちろん、あなた方二人のお話でも、どんな些細なことでも、私達からすれば大事な情報ですから」
営業スマイルで受け応えるカッター
レオンはカッターの目的が未だ信用はできなかったが浅く息を吐くと口を開けた。
「では、フルドキャンセムは誰かわかるか?」
「はい、歳は17、18歳の普通の旅人です。銀等級冒険者ですね。」
「なぜオタルと旅を?」
「オタル様にお金を借りたようですね。返す目的で共に旅をしてるようです」
レオンは手紙に目を移す。オタルがフルドについて書かれてることとカッターの情報は一致しているようだ。
「その情報はどこから?」
「申し訳ありません、情報の出どころは命の危険がない限り絶対秘密なので」
「だよなー」
含みのある言い方にレオンとリカードは目を合わせる。
「他になければ教えていただきませんか?」
「教えろったって何から離せばいいのか」
リカードは何をどこから離せばいいか悩み始める。
「そうですね、では、とりあえず、オタル様が旅の先々でオークを討伐していることはご存知ですか?」
レオンとリカードは一瞬目を丸くし絶句した。
「それ、本当ですか!?」
「はい、フルドという男もそれに協力しているようです。恐らくですが、オーク退治が旅の目的の一つではないかと思われます」
「なんでそんなこと」
リカードは信じられないように驚いた。
「お二人でもご存知ないと」
「いや、わからなくもないが、旅の目的にするほどじゃ・・・・」
カッターはニヤリと笑う。
「是非とも御教えいただきたい、貴方方の記憶に、オタル様が同胞殺しをする理由が隠れているかもしれません」




