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鉄腕オーク   作者: 利
オークと魔女と異世界人
29/71

オークとアマゾネスの子

ハフの村


ブジマ一行との戦闘から一週間程経ったころ

フレイヤが目を覚ました。

いや、2日目あたりからは起きて飯を食っていたそうだが、食っては寝て食っては寝てを繰り返していたのだが、


完全にこうやって外に出たのは今日が初めてだ。

とりあえず俺はカタリナ達から聞いたことをフレイヤに教えた。


「そ、えーと、ミル?」


「あん」


「ミルの情報と大差ないってことね」


「やっぱ階級が上のオークかアマゾネスから聞かねーとダメだな」


「それか現地に行くか」


「南部か?まあお前なら行っても大丈夫ぽいけどよ」


「今の私見てそれ言う??とりあえず国に報告しなくちゃ・・・ねえ、オタルは?」


「元気だぞ、傷も動いて大丈夫なくらいには治ってる」


「ホント?」


「ホントだよ、なんで?そんなに心配なら見に行けばいいだろ。クリシアつかえばすぐんとこだ」


「・・・・・・・」


ーーーーーーーーー


ゴッッ!


オタルは大きな岩に拳を打っていた。

拳を受けた部分から岩のカケラが飛ぶ、

数発打ったところで岩が5つ程に完全に割れた。


オタルは自分の拳を見つめていた。

俺とフレイヤは後ろでそれを眺めていた。


「うっわ。俺あれを毎日受けてたのか・・・・」


「あんたが受けてたのはあれよりもっと強い奴だと思うけど」


横にいたフレイヤがそういった。

そしてオタルに問いかける。


「オタル、魔力ちゃんと練れてないでしょ」


「・・・・うん」


オタルはフレイヤの問いかけに頷いた。


「どう言うこった?」


ーーーーーーーーーーー


魔力には色がある。

十人十色、一人一人違う魔力の性質だ。

この個人個人の性質の違いを簡単に色の違いと読んでいる。

その中で回復魔法を得意とする者はこの色が薄い

そして、薄いほど、ある程度他の色に合わせられるのだ。

色を合わせ魔力を循環、浄化、増量させてあげることにより、

その対象者の怪我の治癒や解毒の補助をしてやるのが回復魔法だ。


しかしフレイヤはその色が濃い、魔法使いの中でも格段に濃い。要するに合わせることはできない。肉親ならある程度合わせられるだろうが、、、肉親でも合うかは五分五分だそうだ。


もし色を合わせず、違う色を無理やり別の者の身体に循環させたら、本人の魔力操作に異常がきたす。一時的に、時には長い間、下手をすれば一生。

そして、最悪の場合死に至る。


フレイヤは言った


「ぶっちゃけ奇跡よ奇跡、あのままじゃ毒で死んでたかもだし。時間と魔力を大量に使って生命力を維持するのでやっだったし、

魔力練れないのも私の魔力が大量に身体を巡ったせい」


こんな女も罪悪感感じてんのか?

少ししおらしい気がする。


「大丈夫です。時間をかければどうにかなるし、全然魔力をねれないわけじゃないし。命を救ってもらっただけでも、僕は本当に感謝してますから」


「ほんとに?ま、そ、ならいいけど」


そう言いながらもフレイヤはよくなさげだが、、


まあそうだ。魔力が練れないてことは、戦闘力の低下を意味する。

基礎魔力、単純な身体能力、第六感、全てに置いて関わってくる。

装衣魔力もそうだ、爆発的な力を生む放出魔力、魔法を使えない者にとっても魔力は筋力と同じくらい大切なものだ。


この世界ではこの魔力が絶対だ。


もし仮に、魔力ゼロの者がどんなに鍛えても。

基礎魔力の装衣、放出魔力が膨大な者には勝てない。


鍛えることで基礎魔力はある程度上げることはできるが。それでも残酷なほどこの世の個人個人の魔力の格差は激しい。



ん??でも待てよ、魔力がうまく練れない、、、

もしかしたら今なら一発オタルに入れられるんじゃないのか?


まあ、この後、俺の淡い期待はすぐさま崩れ去った。


ーーーーーー



オタルの魔力の麻痺が残っている状態だが、私自身の魔力も完全とは言えないがそろそろ、クリフォードの情報を国に伝えなくてはいけない。

村からそろそろ出立しようと計画していた、その日の夜。


村は慌ただしくなっていた。


ミルが産気付いたのだ。

私も心配しながらミルの元へと足を運んだ。

中にはすでに数人の村の女がせっせと慣れたように行動していた。


途中バッシュを預かってもらっいた主婦のアンさんが私に気づく。


「フレイヤさん、いいところに、ちょっと頼まれてくれないかい?」


「・・・ええ」


ーーーーーーーーー


オタル達のいる村の離れの古屋、扉まで近づくとオタルが中から扉を開けてくれた。


「フレイヤ、どうしたんですか?」


「ちょっとね、コラン、来て、ミルが産気づいた、もうすぐ産まれる」


古屋の中のフルド、オタルや、バンズさんとアマゾネス3人の一堂の顔が変わる。

そして一番奥にいたコランは、焦り立ち上がりこちらに来る。

焦りのあまり足元の鍋をひっくり返し、下の火に中身が落ち、部屋に煙が立ち上った。


「なにしてんだボケ」


アマゾネスのピオが悪態をつく。

すかさずバンズさんがコランに向けて言った。


「コラン、いい、早く行ってやりなさい」


「・・・・すまない」


コランは強く静かに礼をいい、私と共にミルの元へと向かった。


ーーーーーーーー


村人の顔が強張る。

村の中に魔物が入ってきたのだ無理もない。

コランには小さすぎる扉を入り、ミルの部屋へと向かう。

二人はあれから一週間以上も会えていない。

扉を通る際に慌て過ぎたせいか扉の戸を壊してしまう。


「コラン!落ち着いて」


「・・・・・悪い」


心ここにあらず、ミルと子のことしか頭にないようだ。

そしてミルがいる部屋にたどり着く。

それに気づいた中の女達は怖気付く。


「大丈夫、本当に害はないから、扉壊しちゃったけど」


心休めにもならないが私はそう伝えた。


恐怖に染まった部屋の中で、老齢の産婆が口を開いた。


「早くこっちにきな!!」


狭い入り口を通りながらコランはミルの側に座る


近づかれた女達は恐れながらも、湯沸かしたり、立ち回る。


コランが側に座るとアンさんがコランに向けて言う。


「ミルさんの手を強く握ってやって、折るんじゃないよ!」


コクりと頷き手を握るとミルがコランに気づく。


「コランッ・・・!?」


「ミル、」


「・・・・コラン・・怖いっ・・・っ」


その後ミルは一際叫び声をあげる。


「もうすぐ頭が見えるよ!きばれ!!!」


「ミル!・・・ミル!ミルは!?!?」


コランがオロオロと今にも泣きそうな顔で産婆さんとアンさんに目を向ける。何故か巨体のオークがこの中で一番弱く思える程だった。


「しゃんとしな!!ほら!身体を支えて!!」


オークがまるでアンさんの言いなりになったようだ。

ミルの戦いは長時間続いた。


ーーーーーーー


東の夜空が色を変える頃、


コランとミルの子は産まれた。

赤子を鳴き声が村に響いた。


もちろん、赤子はオークだった。

部屋にいた女達の目は喜びや感動の目ではなかった。奇異の目か、恐怖か嫌悪か軽蔑か、その全てか。


アンさんが身体を洗いミルに抱かせる。

アンさんの目にも恐れがあったように見えた。

ただ一人の女とオークを除いては

ミル弱りきった姿で、赤子を抱き涙する。

以前に見たことがある。母親になった人の顔だった。


「・・・・・コラン、抱いてあげて」


コランは赤子を抱く、そして大粒の涙を流した。

しかし産婆さんとアンさんは慌ただしく動いていた。


「もっと!綿が足りない!」


ミルの出血が止まらなかった。

コランの幸せがどん底の不安に変わる。


「どうした!!・・・・ミル!ミル!」


いつの間にかミルは気を失っていた。


「コランさん!ミルさんの手を離すんじゃないよ!そのまま声をかけな!!」


「ミル!!起きろ!!ミル!!」


コランの必死の呼びかけにミルは答えることはなかった。

赤子とコランの呼びかけだけが部屋から村に響いていた。



















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