そして、
あの日。
「……んで、やっぱり言いにくいからってルクになったってのか」
タケルの言葉にリオは大きく頷いた。タケルと出会って二年目の春で、リオは十一歳になっていた。
「つーか、そのくーちゃんさんがやらしてたのって絶対いじめだろ。ルクいなかったら死んでたぞお前。気づかんかったのか?」
「んっとね、いじわるだなーとは思ったけど、そこまで気が回らなかったな。お腹減ってたし、寒かったし、眠かったし」
お前なあ、とタケルは嘆息する。ことリオのことになれば、タケルはすさまじいお節介焼きに変貌する。
「そこが駄目なんだよリオは。人の悪意に鈍感すぎ。あれだろ、相手がにこにこ笑ってりゃ、幸せになれる魔法のオクスリの話信じてウン十万払っちまう口だろ。駄目だぞそんなじゃ。世の中やさしいだけじゃ生きてけねえの、他の奴らは身に染みて知ってんだからな。嘘も作り笑いも平気でするんだからな」
あまりにあんまりな言い草にリオは頬を膨らませるが、ルクは深く深く頷く。露骨な悪人の口車に乗せられかけているリオに、何度肝を冷やされたか。タケルがいるここ数年はまだましになったが、会話できないルクひとりの時はどうしても具体的な注意を促すことができなかった。
言葉が話せればいいのに、と思う。
「いいもん。ルクとタケルがいてくれるから平気だもん」
「てめコラ、そういう判断めんどいからっておれらに任せんじゃねえ」
「うるさーい」
リオがタケルに投げつけた骨にトビマルはその名の如く飛びついて、結果タケルに強烈な体当たりをかまして転倒させてしまった。拾った時は中型犬ぐらいだったトビマルはあれからすくすく成長して、今はリオより体重が重い。褒めてご主人様と言いたげに骨をくわえたまま顔をなめまくるトビマルをタケルは押しのけて、てかてかに光るよだれをオプションに悪魔じみた笑みを形作っていく。
「ねえルク、こういう顔の人にはついていっちゃ駄目なんだよね?」
指を差し、ルクを見上げながら朗らかに笑うリオの後頭部によだれまみれの骨が直撃し、リオの頭上高く跳躍するトビマルが逆光を背負って影になった。
そこから先はいつもの光景で、トビマルの脇をくすぐって脱出したリオを鬼の形相でタケルが追いかける。リオはうれしそうな悲鳴を上げて逃げ回り、トビマルもふたりの追って走り回る。ルクを挟んでの大逃走劇が始まり、リオは猫のような身のこなしでルクの周囲を回ったり股を潜り抜けたりした。
「待て馬鹿こんにゃろ、観念せえやー!」
「やー!」
オチもいつものとおりである。頃合いを見計らって、ルクの大きな手がリオの襟首とタケルの後頭部をぐわしと掴み、空中で存分にぶん回したのち地面に下ろす。お互い目が回って、しばらくは動くどころか口もきけない。
ふたりのけんかの収拾がつかなくなった時にもよく使う手だった。トビマルは途中から自分のしっぽを追う方に夢中になって、その辺をぐるぐる回っていた。
「……首が伸びる」
ぼそりとタケルがつぶやく。そのむくれた顔を見てリオはいつも吹き出す。この時のふたりの表情が、ルクはすごく好きだったりする。
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爆弾で穴が開いた廃屋が、その時の彼らの根城だった。爆撃を受けてなお堅牢に外部の侵入を阻んできたドアを一発で蹴破り、ルクはタケルと先を争うようにして中に飛び込んだ。
遅い帰りを心配したのだろう。夜も更けたというのに、リオは膝を抱えたまま玄関に座り込んでいた。青ざめた顔をふたりへ向ける。どちらも血を浴びていて、特にタケルは左半身を緋色に染めていたからだろう。
「ど、どうしたの。大丈夫なの!?」
動転していてもなお、いやだからこそ、リオは無事を確かめようと、血に濡れるのも厭わずにルクの顔に両手を当てる。こんな事態でも、彼女の掌に安らぎを感じるのはルクがロボットであるが故のことで、同じようにタケルに差しのべた両手は彼の右手に荒々しく払われた。
「勘付かれた。逃げるぞ」
必要最低限の言葉で状況を説明したタケルは、背中の突起を足場にしてルクの背中に飛び乗る。致死量の血を被っているように見えるが全て返り血で、タケル自身に目立った外傷はない。
ルクは血に濡れていない方の手でリオを抱え上げる。走り出そうとするルクにリオは待ってと言った。物言いたげに一瞥するルクに、リオは混乱を表情にしたような顔で、
「トビマル。トビマル待たないと」
トビマルは蛍が好きなのだ。光の軌跡を描きながら飛ぶ昆虫が面白いらしくて、だから、だから今夜も河原で遊んでいるに違いない。そういう意味合いのことを口早に呟いて、もぞもぞと降りようとしたリオの側頭部をタケルはひっぱたいた。
「悠長なこと言ってんじゃねえバカ女! おれのなり見てわかんねえのかよ! 今回は本当に命が危ねえんだぞ!?」
「でも、トビマル、」
この時リオには、タケルには焦るほど口調が荒くなる癖があることを思い出す暇さえなかった。
「犬っころ一匹におれらの命差し出せるわけねえだろが!! 走れルク!!」
言われるまでもない。両のナイフを振り抜き諸手に構え突貫、阻むように眼前に踊り出してきた同族数体のメインエンジンを切り裂く。解析終了、戦闘ロボットで人間のコマンドなしでは動けない“人形”が四十九体。エンジン数は戌シリーズより多くひとりの人間が複数体を操るタイプなので、操縦者の破壊の方が効率的。
ルクの目標が変わった瞬間をタケルは見逃さない。操る人間へと視線を移動させたルクに怒鳴り上げる。
「何度も同じこと言わせんなルク!! 早くここから離れろ、走れ!!」
タケルの言葉に反して人間の叫び声と血潮が一緒くたに噴いた。腕の中のリオが聞き覚えのある唸り声に反応し、無理やり身をよじってルクの脇から顔を覗かせる。
「トビマル!」
男の腕に噛みついている家族の名前を呼ぶ。やんちゃであっても気性はやさしいトビマルが、今は本能をむき出しにしてご主人様の敵に食らいついていた。
リオは何度もトビマルを呼び戻そうとした。しかし最初こそ飼い主のために戦っていたトビマルはいつしか血に酔って興奮し、リオの声に反応を返すことはついになかった。
抱えていたのがタケルであれば、リオの顔を隠すなりの配慮をしただろう。しかしその瞬間まで、ルクはトビマルの絶命を予測できてはいても、目の前の敵を蹴散らし逃亡することだけに集中していた。
だから、リオのつんざくような悲鳴を聞いてようやく、彼女にとってトビマルの死がただごとではなかったと知る。しかし振り返っても、プーペの機関銃で蜂の巣にされたトビマルはもうどうにもならないことを知っているから、タケルの指示通り敵中突破を最優先に両のナイフを閃かせる。
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ルクとしては不思議なことに、リオはトビマルを助けに動かなかったルクよりも、トビマルを犬っころ呼ばわりしたタケルの方に憤っていた。
追っ手を振り切って、ルクがふたりを地面に下ろしてすぐリオの平手打ちがタケルの頬を直撃し、それから聞いている方がつらい言い争いに発展。理屈で自分の正当性を主張するタケルは一見リオの感情論をひとつひとつ潰しているようにも見えたが、正直なところ、あれこれ言っているようでどれも「お前には人の心がないのか」という一点だけを問いただすリオの言葉を、必死に受け流しているだけだけだった。
止めなければと思い、襟首に伸ばした手をリオは力いっぱい払い飛ばした。
目を押し開く。
束の間、あの日に戻ったかと思った。そう錯覚するほど、見上げてくるリオの瞳は、またひとりになったと呟いたあの時の目つきに似ていた。
しかし同じなのは目の奥で燃えている炎だけで、今のリオは背も髪も伸び、体は丸みを帯びて、芽吹き始めた萌え木のように若々しい女性へと変わりつつあった。彼女はもう十五だった。
うろたえるルクを押しのけ、タケルを無言で睨みつけながら、リオはふたりから遠ざかる。もう二度と帰ってくんなと捨て台詞を吐くタケルの声にも、タケルの人でなしと怒鳴り返すリオの声にも、涙の成分が混じり込んでいた。
ルクは迷う。それでも、結局はいつもと同じように、リオの背中を追った。
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なぜかリオは泣くことに対して異常に抵抗を見せる。だから今もこうして、両掌を顔に当てて横に引っ張るという、未だによくわからない方法で泣くのをこらえようとしていた。
ちなみに引っ張っているのはやっぱりルクである。この辺も理解できないところだった。
「……またルクに顔芸披露してんのかよ」
「ふぎぎぎぎ」とうめきながら顔を引っ張られ続けるリオに、タケルが声をかけてきた時には日にちをまたいでいた。
手を握ろうとして伸ばしかけたタケルの右手がためらいがちに止まり、結局はリオの裾を掴んで有無を言わさず引っ張る。離せ寄るなと口では言うリオだったが、ルクの時のように手を振り払おうとはしなかった。
連れてこられたのは、ふたりが喧嘩別れした場所に立っている、何の変哲もない木の前だった。タケルが指し示すまでもなく、リオはその根元に立てられた板切れに気づく。
どことなく尖っているタケルの文字で、「トビマルの墓」と書かれている板切れを見つめるリオに、タケルはぶっきらぼうに呟く。
「……おれは許さんでいいからさ」
ぷいっとリオに背中を向けて、
「せめてトビマルには、さよなら言ってやれ」
ルクの立つ位置からは、リオの表情は髪に隠れて見えない。見えたのは、壊された砂の山を前に立ちすくむ子供みたいな背中だけだった。
リオが手を合わせてうつむいてから、途方もなく長い時間が過ぎた。
不安になったタケルが、背中からリオを覗く。同じく心配したルクも、身をかがめて彼の隣にいた。
いきなり振り向いたリオが、ふたりの首を抱きしめる。
「お、おい!?」
赤面して引き剥がそうとするタケルをリオは離さない。ルクはルクで、久しぶりに抱きしめられたせいで、状況理解ができないほど混乱し硬直していた。
顔を引っ張った時の、強張った皮膚とは違った。
いつの間にこの人は、こんなに柔くなったのだろう。
リオはふたりの頬に手を添えて、
「……ふたりとも、いなくならないでね」
独り言かと思うほど、かすかな声。
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周囲の景色が歪むほど赤い視界の中、開け放った教室の扉を背に、呆然と立ちすくむリオが見えた。
新たに現れた生命体に殲滅プログラムが即応する。右手が引き抜いたコンバットナイフを振り上げようとして、満身の力を込めた左手がその手首を押さえる。エラー音が体内で木霊し、意識が外に弾き出されそうになるが、八年をかけてルクの中に構築された部分がプログラムに全力で抵抗する。
駄目だ。この人だけは、絶対駄目だ。
荒ぶる衝動を抑え込もうとして体を折り曲げ、手を振り回して後ずさり、ルクはどうにかしてリオから距離を取ろうとする。しかしリオは動かなかった。足元に倒れている、もう二度と動かないタケルの体だけを見ていた。
「……ねえ、どうして?」
ルクの体がびくんと跳ねた。
そのまま、指一本も動かせなくなる。
問いかけるようにその言葉を口にしたリトル・ミスの顔に、理解の色と共に悲哀にひずむ笑みが広がっていく。
笑顔は一秒も持たなかった。リオの打ちひしがれた表情から、今までルクが彼女の顔を引っ張ることで我慢させていた液体が、ほんの少し前にタケルが流したものと同じしずくが、惜しげもなく両目から膨れ上がっては伝っていく。
リオの柔い両手が頬に触れ、血の気を失った彼女の唇が開く。
「なんで? どうしてこんなことしたの?」
体の奥で、何かが砕ける音を聞いた。
抑えるものを無くした殲滅プログラムが牙をむく。リオは知る由もない。目の前にいるのが戌―捌零式流空ではなくルクだと信じて疑わない。
だからその頭を抱きしめる。
全身で流空を抱きしめ、なぜ彼がこんなひどいことをしてしまったのかを知ろうとする。
「ルク。教えて、ルク」
リオの最後の言葉だった。
その時流空は、爆発する“音”を聞く。
ガラス窓が砕けると同時にルクは正気づいた。反射的にリオを床に押し倒して覆いかぶさり、降り注ぐガラスの雨から守る。体が、床が、ガラスの破片が、びりびりと細かく震える。轟くように大きく震える。地震とは違う、今まで感じたこともない振動にAIまで揺さぶられ正確な解析ができない。おそらく音波、しかし何なのだこの周波数は。これは、これはまるで、
ふつっと“音”が消えた。
教室に、突如として混じり気のない静寂が落ちてくる。
体を押しつけるようにしてリオを守っていたルクが、背中に薄く積もったガラス屑をこぼしながら、じわりと身を起こす。
現実を認識するのを、ルクの何かが強靭に拒んでいた。
殲滅プログラムが解除されるための時の条件。そうコマンドされた場合と、対象物の殲滅が終了した場合。
対象物の殲滅が終了した場合。
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと、ルクの双眸がリオへと焦点を結ぶ。
傷ひとつつかないまま目を閉じているその姿は、いつものように眠っているだけのように見えた。
そうであってほしかった。
手をリオの頬へと伸ばす。認められなかった。感知できない心拍数も、小数点いくらの世界で徐々に下がっていく体温も、自らの感覚器の方が故障をきたして発生したエラーなのだと思いたかった。
この時ルクはようやく、自分がタケルの体もリオと一緒に抱きしめていたことと、未だに視界が赤く染まっていること、そしてリオの白い頬に、赤い液体が自分の手形にべとりと付着したことに気づく。
AIの中枢で、タケルの言葉が再生される。
――――リオに出会わなけりゃよかった。大切なものなんかに出会わなけりゃよかった。そしたら、この血に濡れた手で、誰かに触れる罪深さを思い知らされずに済んだのに。
ぽろぽろと、タケルは泣いている。
識堂工房の昼部靖親率いる開発チームが作り出した、戦場最強を謳った戌シリーズであるルクである。
そのルクの、殲滅プログラムに犯された戌―捌零式流空の絞首に、哀れなほど細い人間の頸部が耐え切れるはずがなかったのだ。
ぼたり、と。
ルクの眼前で震える両の掌から、鮮血のしずくがリオの顔めがけて滑り落ちた。まだ凝固を起こしていないくらい、血は新しかった。
寸の間、時が刻むのをやめる。
全身にタケルの返り血を浴びたまま、両手で頭を抱え。
ルクは吠えて。
吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて吠えて、
泣いて、
ぷつん、と消える。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
三人で、青い鳥に手を添えていた。
初めに手を離したのはリオで、そのあとにタケル、ルクと続く。リオは相変わらず顔を火照らせて、恐る恐るといった風にタケルの顔を覗き込む。負けず劣らず赤いタケルは何としてもリオの視線に気づかぬふりをしようとしたが三秒も持たず、緊張で張りつめた表情で彼女を見つめる。それがリオに勇気を与えた。
「ねえ、タケルは? タケルは何をお願いしたの?」
呼吸さえ止まるような数秒が過ぎる。涙をこらえるような、それでいて挑戦するような、まっすぐすぎるリオの視線を受けたタケルは緊張に固まった表情筋を緩め、無表情をぎこちないはにかみに変える。
「リオに、おれの嫁さんになってくれって」
効果はてきめんだった。リオは反射的にばっと後ずさり、両手で口周りを覆う。隠している意味がないほど全身が真っ赤になり、そろそろと手を離しながら、同じ色に染まっているタケルを正面から見る。
そしてそのあとは、蕾がほどけるのを間近で見ているようだった。満開に咲き誇る花に等しい笑顔の只中でただ一筋、朝露が伝って流れ落ちるように涙がこぼれる。受け止める準備もままならぬままに飛びついてきた体重を支えきれず、タケルはリオを抱えたままひっくり返った。痛がるタケルにしがみついて、リオは言葉にならない叫びをあげながら泣き笑う。自分が今置かれている状況をやっと呑み込んだタケルは、最初こそ火が噴き出るほど顔を紅に染めたが、たちまちにその目じりにリオとそれと同じ温度の涙をためて、彼女をかき抱きながら鮮やかな笑みを浮かべる。
「ルク! ルクのお願いは何? 教えて!」
初めての涙に顔を濡らしながら、リオは傍らの家族を仰ぎ見る。憑き物が落ちて生まれ変わったような顔つきのタケルもルクを見やった。ふたりの視線を受けながら、ルクは初めて肌に感じる幸せに目から放つ金色の光を細める。
ひざまずいた。
これからの行為によって自分の思いが伝わるかどうか、確率計算をするのはやめにした。
両手で抱え上げたふたりはルクにすればあまりにも軽かったが、取り落とさないように細心の注意を払わなければならなかった。
ふたりを抱いて己の胸に押し当てる。
全く別個の生物が奏でるひとつとなった鼓動が、ボディを伝いルクの空虚な体内で反響する。
これからずっと、いつまでも自分はこうしていくのだ。この体は、雨と風からふたりを守る盾になろう。この力は、ふたりを傷つけようとする全てを打ち払う矛になろう。伝わってくれるといい。わかってくれるといい。
私が、ふたりを守っていくと。
リオが、新たにあふれる涙をぬぐおうともせずに、ルクに顔を押しつける。恥ずかしがって、眉を吊り上げ口をへの字に曲げるタケルも、そっとルクに寄りかかった。
「ありがとな、ルク」
「ルク、ずっとずっと一緒だよ」
真っ白な光に全てが消えていく。




