ビルに囲まれその中で
~幽霊生活日記~
一条カオルに憑いた九尾の狐、一条の体で中々快適な暮らしを送っているぞ!人間に憑依した幽霊は人間と感覚が共有されるから一条の料理を大層気に入って毎日自炊をねだっている!
黒崎スダチは本をメチャクチャ読むぞ!休日に予定が無ければ1日中図書館にいることもある!
この狭い空間の中、ヤマタノオロチの周りを走りながら頸で繰り出される攻撃を避け続ける。今頸は僕に5本、市川に3本ヘイトが向いている。時々の大技の後隙に対して1本頸を落とすこと位はできるが、少し隙ができて逃げる体力を無駄遣いしないこと位の得にしかならない。市川に向いていた頸が1つ僕についてきた。これで僕と市川についている頸は6:2本。僕から先に動けなくして、後で丸腰の市川を仕留めるつもりか。いや、逃げている内にどんどん僕に頸が向いてきているな。市川が相手に攻撃できないのを理解されたな。本来ならバレたら僕が処分されるものだが、やむを得ない!
「市川さん!使ってください!」
僕は服に隠し持っていたナイフを走る市川とすれ違い様に手渡した。武器としては物足りないが、頸に傷をつけるくらいならできるはず。これで市川がヤマタノオロチに攻撃する手段を得た。早速ナイフで相手の体を傷つけているな。流石、これだけで僕の意図を汲み取ってくれたようだ。市川がヤマタノオロチに対して攻撃する手段を得た以上、ヤマタノオロチは市川を放置できない。なぜなら僕にばかり構っていては確実に市川に頸を落とされかといって市川を警戒すれば僕が頸を落とせる。これで相手は僕達が避けきれる量の配分で頸を使わざるを得ない。
「市川さん!避けきれますよね!?」
「あまり私を舐めないで頂戴!余裕よ、こんなの!」
今6:2本。これなら十分に時間を稼げる。時間さえあれば応援が間に合う。応援が来れば人の物量で確実に頸を全て落とせる。勝てる!そう思ったせいか知らないが、いつの間にか僕の体はまたビルに激突していた。なんだ、何が起こった?
「黒崎!!」
あ、ヤマタノオロチの位置が動いている。なるほど、市川に向いていた2本の頸を地面に攻撃させて自分の体を僕に向かって思いきり押し出す。これなら一瞬で僕をビルに激突させられるのにも納得ができる。この狭い空間なら十分に威力を発揮できるな。クソ、右肩...と、右足の骨が砕けてる。急げ!早く動かないと市川が死ぬぞ!鎌を左手で持ちまた走り出す。やっぱり、修復の方がメチャクチャ痛いな。神経をグチャグチャにいじっているからか?まあいい。右腕が使えなくても相手に自分が脅威だと思わせるんだ!左手で鎌を振っても、ブレてうまく傷を与えられない!早く再生しろ!右腕!クソ!痛みと衝撃でまともに走れないし攻撃力もほぼない!せめて両足にもっとふんばりが効けば!僕は今ヤマタノオロチに相手にされてない!つまり市川は8本全ての頸を相手に躱しきらなければいけない。しかし僕がヤツの想定より早く足と腕を再生させられればヤツは僕に対して大きな隙をさらす!しかし、市川が猛攻に耐えきれず戦闘不能になるか、僕の再生が終わる前にヤツが僕を仕留めに来れば勝利は向こうだ!それを阻止するために、僕は!"逃げる!!"ヤマタノオロチが向こうを向いている間に、割れた小窓からビルの中に入り、ヤツの射程外に逃れる。決して市川を見捨てた訳じゃあないということを理解してほしいな。そして逃げた先に、博打ではあるが希望があるはず!僕は階段をのぼり2階、3階へとビルの上へ行く。やはり、ビルはほとんど管理されてない。既に廃ビルなんだ。それならこの作戦もいけそうだ。やっぱり、いた!雑魚の幽霊だ!左手しか使えないような状態でも、こいつくらいなら余裕で殺せる!鎌の一振で殺し、あとは僕の仮説が正しいことを祈るだけ。
「イダッッ!」
体に激痛!再生するときのと同じ!仮説は正しかった!僕の再生能力の源は何なのか、無からエネルギーやブツは生まれないから、霊気で回復するんじゃないかって思ってた。その霊気を外部から吸収することで再生するのが僕の力なんじゃないかって。そして幽霊は霊気で体ができてるからこの鎌で殺せば霊気を吸収できる。つまり僕の能力とは霊気の吸収と生命力への変換だったのだ。これで問題なく怪我がなおる。急ごう。ほとんど完治した状態で、僕はビルから階段で降りようとしたとき、頭に電流が走ったような感覚になった。とある行動が、僕の頭の中でイメージされる。僕はこの3階で階段の反対のヤマタノオロチの方へ向かう。そして窓を突き破りそのまま飛び降りる。なぜだろう。僕はその行動の名前も知っている。僕は飛び降りながら鎌を振りかぶりヤマタノオロチの頸に合わせて振り抜く。
"月影斬・三日月"
斬れた!この手応えは、全部!周りを見渡して、市川も無事だ!
「黒崎!後ろ!」
僕の右側から唐突に打撃!まだ頸が1本斬りきれていなかったのか!ダメか、もうこの技も通じないだろうし、どうしたら!
「獅子!行け!」
し、知らない声だ。そして、なんだ、ライ...オン?が、爪で残りの頸1本を削ぎ落とした...?
「お前ら!大丈夫か!?」
また別の声、これは...、カヅタカだ!たまたま近くで巡回してたんだ。あ、ライオンが消えていく、ぞ?
「誰!?」
気になって起き上がるしかないじゃあないか。姿を見なければ気が済まない。僕達3人はさっきの声の方へ目を向ける。
「こ、子供...?」
その見た目は、どう見たって10歳とかそこらの女児にしか見えない。一体、何者なんだ...。
はい!ということでこの少女は何者なんでしょうか!ということで日々主人公や幽霊の謎を解き明かしながら謎は増えていくということでストーリーを動かすのムズカシイッ!!!




