御神宿
民宿に戻ると居間でまだ大学生達が、ワチャワチャしていた。
女子大生達が男子に「あんた達、本当はアフロディアの友達じゃないの?」と尋問していた。
優の配信が上手くいった証拠だ。
「お兄さんとお姉さん、疑ってすいませんでした〜」と他の女子大生が軽く手を上げた。
会釈だけして2階に上がった。
機材とか全部胎内洞に放置してきた。
片付ける気力も体力も2人にはもう残ってなかった。
2人で重なるように泥のように眠った。
下で何か騒がしい。
翌朝、早朝雨は止んだがまだ暴風が吹き荒れる中
役所の奴等がワラワラと御神宿に来た。
おじさんやおばあちゃんが朝食の支度をしている中
勝手に2階に上がってきた。
3部屋を一気に開けて荷物を勝手に開ける。
「何するんですか?おじさん!泥棒ですよ!
泥棒が入って来ました!」淳が飛び起きて荷物を押さえた。
他の部屋からも「泥棒ーっ」と悲鳴が上がる。
奥の部屋の男子学生が飛び出してきて男達を抑えた。
50代と30代の男が遅れて2階に上がってきた。
「ここに配信者と学芸員はいないか?検めさせて貰う。」と言ったが、
「なんの権利があって、こんな事するんですか?」
淳が怒鳴り、女子大生に「すぐ警察に通報して!」と言い、抑え込んでない男子学生に「携帯で動画も撮って!
すぐに警視庁に送って!」と指示した。
「コ、コラーッ!やめろ!」30代の男が学生に向かうと優が30代を歯がじめにした。
「人の宿で何してる?!」おじさんがユックリ上がってきた。
「お前…稲葉義景が、なんでウチで泥棒してるんだ?てか、部下の村長も一緒か?」おじさんが笑い出す。
「えっ、この人、村長?」淳が優が抑えてる小柄の男を見て驚く。
優だって男性では小柄だと思うが、それより小さい。
淳は163cmなので、ほぼ同じくらいだ。
稲葉義景は180近い体格の良いオヤジだ。
ロマンスグレーのヒゲを蓄えたダンディなオヤジだ。
漁師で鍛えたおじさんもガッチリしてるが、
大学生達は大学の水球部の学生なので皆体格良いので
目立たない。
「朝から本当に何事や?あれ?ヨソもんのお二人さん、朝からなんの用事や?」
動画が回ってるので、稲葉は口を開かない。
抑えられてる村長が、「三蔵島のデマをネットに勝手に上げた奴らが居る。誹謗中傷は困るから検めさせてもらう!」と叫ぶ。
「誹謗中傷なら警察に通報しろ!なんで民宿の客に手を出す?
三蔵島の住民は、いつからそんな無法者の乱暴者になったんだ!
恥ずかしくないのか?お前たち!」おじさんが役所の人間に怒鳴る。
学生に抑えられてる役所の人間は皆目を伏せる。
「もしかして、他の民宿でもこんな事してないやろな?観光客がもう2度と来ないようになったらどうする?
島の産業が成り立たんようになる。
お前ら、なんてことを…」おばあちゃんがガッカリする。
淳が皆の荷物を断って集めて全部中を見せる。
「私達、普通の観光客です!なんでこんな目に遭わないといけないんですか?
この事はキッチリ警察に通報させてもらいますからね!」と稲葉義景をにらむ。
おじさんと学生達と優に皆追い出された。




