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三蔵島  作者: たま


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縁結び

「嘘だろ?2人が付き合ってるの?」おじさんは車で神社の社まで優と淳を連れて来ると言った。

「やっぱり無理がありましたか…」淳が舌を出して笑う。

「無理じゃないけど、2人はそんなタイプじゃないよ。

ゆっくり育んだ方が良いよ。」おじさんが見かけに寄らないアドバイスを!

「ウチは縁結びの神だからね〜

きっと2人がこの島に来たのは、ウチの神様の導きだよ。」自信を持って言われる。

「なんで胎内洞って言うんですか?」社の扉を開け神棚に深く一礼しながら優が聞く。

「本来は仏教の考えで仏の身体の中に入り、もう一度生まれ変わると言う意味があるらしい。

ウチでは愛し合う男女が入り、ここで一夜を過ごすと

永遠に愛が続くと信じられてる。

だから島で式を上げた者は、ここで一夜を過ごしてるんだ、昔から。」

神棚の下の箱を手前に静かに引くと…そこに地下への階段が現れた。

「すごいロマンチックですね〜もしかしておばあちゃんもですか?」笑いながら淳が聞く。

「母も俺もだよ。おかげでこの島は離婚無しなんだよ。」おじさんが自慢げに言う。

「それ、本当に素敵ですね〜いつまでも男であり女として愛し合えるって。

夫婦の理想ですね。」淳も憧れる。

階段は10段ほどだった。そこに地下道の入り口があり

それも10歩ほどで広い空間が現れた。

「ワンルームマンションみたい!」優が笑う。

本当にそのくらいの広さの空間だ。

奥に段差があり、そこにゴザが敷かれていた。

「もしかして…」と言いかけたが止めた。

淳はなんか恥ずかしくなってきたのだ。


宿から機材や吸音材サーチライトも持ってきたので作業をもう始める。

「後から食事運んであげるよ。」そう言い残しておじさんは去った。

なぜか気まずいし気恥ずかしい時間が流れる。

「どう即席防音室出来そう?」淳は吸音材を天井に貼りながら聞く。

「吸音材の性能に掛かってるな。空間的や電気系、回線には問題あらへん。」音テストを何回も繰り返してる。

モーションキャプチャーの具合も問題無いようだ。

外はスゴい暴風雨だ。が、ここは全く外の音が聞こえない。静かな空間だ。

が淳的には本当にやばい。

いつも誰かしら何かしら人の気配がしたから、何も起きなかったが、

おじさんがあんな事を言うし、なんせ自分からキスしてる前科がある。

実は30なって大学時代から付き合ってた彼氏に「可愛い年下彼女が妊娠したから結婚するわ。」と二股からのポイ捨てされたばかりで、

今は本当に男こりごりなのだ。

何なら男全体が卑怯で卑劣な生き物しか感じないくらいだ。

まあ、それもメンタルが病みかけてた理由かもしれない。

だから辛辣だが、ズバズバ言うこの関西弁お兄さんは

何か助かった。裏を疑いながら人と関わるのはつらい時期だったので。

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