433.特別授業の生徒と食事会
長々と語ってしまった。
俺達は食事を進める。
みんな話しながら食事を楽しんでいる。
「アルヴィンは何が得意なの?」
「僕は魔法を練習してます。剣などは上手く扱えなくて」
「魔法適性は?」
「火と水と風と土です」
「え?そんなに?」
「はい。父からも珍しいと言われて、上手く扱えるようにとこの杖をもらいました」
アルヴィンは持っている杖を見せてくれた。
「父が作ってくれた杖です」
「いい杖だね」
「はい」
アルヴィンは魔法を伸ばしつつ『体術』を取得させよう。
「素材を触れば杖の作り方が頭の中に浮かぶんだっけ?」
「そうですね。でも僕の場合珍しい素材じゃないとダメみたいなんです。まだ1つしか作り方がわからないですし、その杖の素材も簡単には集まらない物で…」
「だいぶきつそうだね。これ触ってみて」
俺はフリードの鬣を1本アルヴィンに渡す。
「え!?え!?これは何ですか?」
「うちのフリードの鬣」
「ダメみたいです。杖の根幹を担っている素材じゃないとダメなんです」
「そうか」
「貴重なものをありがとうございます」
アルヴィンは頭を下げた。
「強くなって自分でも素材を取りに行けるように、特別授業頑張って」
「はい!!頑張ります!!」
アルヴィンはやる気みたいだ。
「カイゼはどんな戦い方をするの?」
「俺は『音速の獣』と言うエクストラスキルで速く動くことができます。『獣化』もできますけど、安定はしてないです」
「『獣化』は難しいらしいね。武器は?」
「特別得意なものはまだないです」
「ふーん」
カイゼは伸びそうな雰囲気がある。
「カラッカの危険地域でモンスターを倒せるくらいには強くなれるようにするから。それくらいになれば、両親を安定した生活をさせられると思うよ」
「本当ですか?」
「うん。まあブリギッタみたいに騎士とか貴族に仕えるのも安定すると思うよ」
「なるほど。少し考えてみます」
カイゼは笑顔で答えた。
「ブリギッタは飛べるの?」
「は、はい。飛べます。この『魔翼の騎士』を取得してからずっと練習してます」
「追加試験のとき、俺の攻撃を翼で防ごうとしてたよね」
「はい。攻撃にも防御にも使えます」
「おー」
やっぱりブリギッタのスキルは良い。
「ブリギッタはお金が欲しい?」
「そうですね。学園に入れるために稼いでくれた両親にすぐにでも返したいです」
「なるほどね」
スキルも面白いし、ちょうどいい仕事も思いついた。
特別授業でいろいろと見て、良さそうなら紹介しようと思う。
「わ、私もお話ししてもいいですか?」
「いいよ。ルフレッテ」
「あのこれを読んでください!」
渡されたのは大量の紙。
「卒業試験でのライル商会の奮闘を描きました」
「ほー。もう書いてるんだ」
俺は紙に目を通す。
内容は卒業試験でのライル商会の活躍を記事にしたようなものと弟子達が戦っているときの絵だった。
文章は丁寧だし、絵からは戦闘の臨場感が伝わってくる。
広報とかが向いてるかもな。
この世界に記者とかいう概念あるのか?
「うん。だいぶ良いね」
「ありがとうございます!!」
「実家では何を?」
「普通の農家で小さな商店をやってます」
「なるほどね」
完全に埋もれていた原石だ。
ライル商会に欲しくなる。
この4人は化けたら面白くなりそうだ。
ヨーがデザートを運んできてくれた。
アヤノ特製のケーキだ。
「「「「「「わー!!」」」」」」
女性陣はケーキを見て嬉しそうに声をあげた。
女性陣がケーキを食べてる間、ハンと話をする。
「なんかさっき色々質問してきたけど何かあったの?」
「ちょっとな。うちも少し不穏な動きがあって。ライルの人の選び方を知りたかったんだ」
「あーなるほど」
長期休み、自国で何かあったみたいだ。
やはり第1王子。
これだけ高貴な血筋が集まっているのに家の周りにいる護衛はハンの所だけだ。
「相談には乗るからいつでも言って。冬の長期休みはガト王国に遊びに行くから」
「ああ。まずは特別授業を乗り切らないとな」
「ちなみにイタロとかが勘違いしてたから伝えておくけど、卒業試験前にやった訓練はお遊びだからね」
「え?」
「まあイタロとかゴトフに聞きな。2人は心が死にかけてたから」
「あ、ああ」
ハンは不安そうな顔をした。




