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12.両親に報告①

家に着くと、家の中にはまだ誰もいなかった。

二人ともまだ畑で仕事しているんだろう。

俺は畑に向かい、二人の姿を見つけた。


「お、ライル!手伝いに来てくれたのか?」

「もう、カインったら。ライルはまだ小さいんだから、お家の中でできることを手伝ってくれたらいいんだからね」


「お父さん、お母さん!実は二人に話したいことがあって」


両親は顔を見合わせたが、すぐに俺の方へ向き直した。

「どうしたの?お母さん達はライルの味方なんだから、なんでも言っていいのよ」

「そうだぞ!ここ最近のライルは大人びてきたからな、お父さんは頼られてとっても嬉しいぞ」

優しい笑顔を向けてくれる二人


「実はエクストラスキルを取得したんだ」


・・・・・・・・・


あれ?聞こえなかった?


「実はエクスト――」


「うおーーー!ライル!それは本当か?本当に5歳で取得する子がいるなんて」

お父さんは俺が話してる最中に飛びついて抱き締めてきた。


え?5〜10歳で取得するって話じゃなかったっけ?


「ライル、おめでとう。よかったわね。ほとんどの子は10歳ギリギリで習得するのに。カイン!私達の子ってもしかして天才?幸運なの?」

二人共、心の底から喜んでくれているみたいだ。


「それでライル、どんなスキルを取得したんだ?」

「それは、説明するのが難しいからついてきてほしいんだけど……」



▽ ▽ ▽



秘密基地に向かう道中、二人から聞いて初めて知ったのだが、

エクストラスキルは取得した年齢が低ければ低いほど、珍しいスキルが取得できるらしい。


『ガチャ』じゃなくて『秘密基地』をエクストラスキルってことにしといたほうがいいかもな。この世界の人に『ガチャ』の説明しても理解されないだろうし。


秘密基地の畑エリアにそろそろ到着だ。

「ライル、いったいどこまで行くんだ?こっちの方は木とかも伐採してないから、根っことかも剥き出しだからあぶな……え?」


両親は言葉を失った。


村の住人がいなくなるたびに、家の近くの空いた土地を購入し、村が再び発展したときに、村のために使おうとしていた。

しかし二人だけでは広大な土地を手入れすることもできず、そのまま放置していた土地が更地になっているではないか。


「ライル?これはいったいどういう?」

「ここって、木が生い茂っていたはずよね?」


二人は自分が見ている光景をいまだに信じられないみたいだ。


「実は僕のエクストラスキルは『秘密基地』と言って、」


俺は二人に『秘密基地』の説明を始めた。


お父さんが持っている土地を秘密基地として登録をしたこと。

秘密基地の能力で畑や柵などを作れること。

使えばスキルのレベルが上がって今後も新しいものが作れる可能性があること。


二人はまだ少し混乱しているようだが、俺の説明で少しずつ理解をしてきたみたいだ。

「ライル、すごいわ。素晴らしいスキルを頂けたのね。お母さんには何がなんだがわからないけど、すごいってことはわかるわ」


「ありがとうお母さん。『秘密基地』を使えば、いま家の近くにある畑を作り直せるよ。それに畑の能力とお父さんのスキルを使えば今まで以上に野菜を収穫できるはずだよ」

「本当かライル!!!」

お父さんは驚いたように言った。


「本当だよ!今までより倍近くは野菜の成長も早くなって、質も少し上がると思うよ。

だけど、お父さんが持ってる土地を全部畑にすることも可能なんだけど、3人だけだと全部を管理できないから。元々ある畑と僕が作ったこの畑をまずは管理して、スキルのレベルが上がったらまた色々相談させてほしいな」


二人は俺の話を聞いてキョトンとした顔をしている。

「ライルはほんとに5歳か?話す内容も考えてることもとてもじゃないけど5歳には思えない」


やばい!やりすぎたか?前世の記憶があるって話すしかないのか。でも、お父さんとお母さんが不気味に思うんじゃないか?どうしよどうしよう。


「そんなことどうでもいいじゃない!」

お父さんの疑問にどう返答するか悩んでいた俺を助けるようにお母さんが喋り始めた。

「ライルは私達の息子で天才なの!そんだけでいいじゃない。きっと最近大人びたのも素晴らしいスキルの恩恵よ。カイン、それでもまだ不満なの?」

「いや、そんなことはない!どんなことがあってもライルは俺達の息子だ。俺が想像もしてなかったことが起きたから混乱していたみたいだ。すまんライル」

お父さんは頭を下げる。


「お父さん、大丈夫だよ!実際スキルを取得してから色々考えられるようになったから。どんなスキルを持っても僕は二人の息子だからね」


この二人には前世の話をしてもいいかもしれない、だけど今じゃない気がするな。良いタイミングがきたら二人に打ち明けよう。




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