神の好敵手
僕の発見もセイラちゃんのものと似てる。防御の薄い箇所なら新しい武器を毎回出さずとも、勝てる見込みがあるということだ。
だけど。弱点に攻撃を上手く当てる必要がある。今日の敵も、公園で会った風の使い手も、弱点を突くのは容易ではない。
「お姉様に相手の動きを止めてもらうのはどうですか? 止まらなくても遅くするとか」
新たな仲間アグルさん。もしかしたらとんでもない切れ者かも。
「永久にというのは難しいだろうが、限定的にならできるだろう。レンにも扱えるように鎧とペンダントに新機能を付けておこう」
久し振りに見たパールのどや顔。時の流れを弄るような仕掛け。まさに神の御業。
パールは僕のゴーグルと二人のペンダントを持つと、体を光らせる。光り輝く彼女に負けないほどにアグルさんの目も輝く。
「二回目でも美しいです。流石お姉様」
慣れてきたのだろうか。パールも今回の褒め言葉は満更でもない様子。アグルさんにまでお揃いのペンダントを渡す。
「これでいつでもお姉様と一緒」
前言撤回。やっぱりパールはドン引いた。せっかく少し慣れたみたいだったのに。
「敵が近寄ると発動するから。キハの武器とは相性が良いとも言えないかも」
今度は申し訳なさそうな表情をキハに向ける。しかし前向きな彼は気にしない。親指を上に向けた右手をパールへ突き出す。
「俺はセイラが安全なら何でも良い」
思わぬ流れ弾がセイラちゃんを射止めた。
顔を真っ赤にしたセイラちゃんが落ち着きを取り戻し、安心感から場の空気が穏やかなものへ変わった時。チャイムが鳴り響いた。
先生からの説明には僕も興味がある。アグルさんの連絡先を聞いて、僕たちは教室へと向かう。
「ニュースで流れている役所の事件にレンくんとパールさんが巻き込まれたそうです。その時に機械から特殊な武器を渡されたために敵が二人を狙ってくる可能性もあると言います。しかし校名の通り、悪い相手に屈する訳にはいきません。今こそ皆さんで力を合わせましょう」
先生の感動的な演説。しかし、周りの生徒からしたら巻き込まれたようなもの。誰からも拍手なんて。
「今日の戦い。物凄く危険な状況なのにレンさんはどんどん校舎から離れて行ってた。学校を守ろうとしたのよね。流石英雄の息子。勝ち組よね」
廊下の窓から聞こえた声。パールの転校初日に僕に嫌味を言っていた女の子。僕を狙う敵に襲われて怖い目に遭った彼女。
「でも私たちにはレンさんは英雄の息子ではなくて、英雄そのものよ」
名も知らない女の子の言葉にクラスメイトも同調し、巻き起こった拍手。
そして僕を見つめていた目の前の女の子の視線は、パールへと。
「私、レコ・イオン。負けませんわ。イヴさん」
茶色いツインテールの女の子とパールの、絶対に負けない戦いが幕を開けようとしている。のか?




