10話
次の日。決意と共に、私の職場である中央研究室へ行きます。
「こんにちは、ルーディスさん。おや?表情から察するに、もう悩みは解決したようだね。」
「はい、室長さん。ご迷惑をかけてごめんなさい。ぜひ、私にも研究をさせてください!」
「了解しました。
一応言っておくけれど、あなたはただ人数合わせといっただけの理由でここにいるわけではないんだよ?一緒に仕事をした私から見て、あなたは優秀だよ。あなたは仕事を覚えるのが特別早いし。」
近くにいた、アルカヌスさんとシルヴァーヌスさんがそれに続けます。
「自信を持ってください。私の魔術談義についてくることができる人はある程度見てきましたが、興味を持って食いついてきた人は私の人生でもあなたが二人目ですよ。あなたも立派にこちら側の人間です。」
「ルーディス嬢は、他の4人にはない才能だって持っている。即ち、『いいひと』だと言うことだ。もし自分に自信がないなら、俺たちが道を踏み外しそうになった時に矯正する役として、この研究室にいてくれ。いずれにせよ、中央研究室はお前を必要としている。」
「そう言うこと。あなたを中央所属にするかどうかの会議は、すぐに全会一致で決まったのよ。この研究室のみんなの意見が合うことなんて、そうそうないのです。だから、自信を持って?」
いつのまにかきていたリーヴィアさんまで褒めてくれます。
「うん、確かに、気難しい中央研究室の面々が皆あなたを認めているからね。それが、すごいことともいえるね。
さて、ジェマ・ルーディスさん。研究員として、私たちの同僚として中央研究室で働いてくれますか?」
心がじーんと温まります。きっと、この人たちなら、私が失敗しても、困っても、助けてくれる。そんな気がしました。
「はい、私、頑張ります!」
「では、研究員ジェマ・ルーディスに初めての仕事をお願いしようかな。今月の活動日誌を書いてくれますか。」
「活動日誌、ですか?」
「はい、みんなでローテーションして書いているんですよ。これまでのを参考に、書いてみてください。」
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…
以上、活動記録です。
自由記述欄:
私を勇気づけてくれて、ありがとうございます。頑張ってみます。まあ、まだ何を研究するかも決まっていませんが…。室長さんは「そう言うものだ」と言っていましたし、どうにかなる、の精神でやってみます。これから、よろしくお願いします。
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ここまででジェマの話はひと段落、本当の意味での物語の始まりです。
これから3章ほどはほのぼのした日常が続く予定です。




