23.7話 ふたり
本作品は、
小説家になろうにて掲載中の
『異世界転生した理系男子が、地味スキルで冒険者をやっていたら、なぜか誰からも攻撃が当たらない件』
の年齢制限部分を、
別作品として掲載したものです。
ぜひ、本編もお楽しみください。
23.7話 ふたり
二人は見つめ合っていた。
ランプの光が揺れている。
ベッドの上で、ミアはコーイチを見上げていた。
二人とも裸だった。
肌と肌が触れている。
さっきまでの優しい空気とは違う。
呼吸が少し荒い。
コーイチはミアを見つめている。
ミアも、その視線をまっすぐ受け止めていた。
言葉はない。
ただ、互いの息遣いだけが近くにある。
ミアがゆっくり手を伸ばした。
コーイチの頬に触れる。
指先がそのまま首筋へ滑る。
温かい。
ミアは小さく笑った。
「ほんと、変な人」
コーイチは何も言わない。
その代わり、ミアの体を抱き寄せた。
ミアの背中がベッドに沈む。
ベッドが小さく軋む。
二人の体がさらに近づく。
ミアはコーイチの肩に腕を回した。
離さないように。
「コーイチ……」
名前を呼ぶ声は、やわらかかった。
コーイチは答えない。
ただミアを見つめている。
ミアはその視線に少しだけ目を細めた。
そしてゆっくり顔を近づける。
唇が触れた。
さっきもキスはした。
でも今は違う。
確かめるように。
求めるように。
唇が重なる。
ミアの指がコーイチの背中を強く掴んだ。
キスが深くなる。
ミアの呼吸が乱れる。
「……んっ」
小さく、苦しげな声が漏れる。
コーイチの腕が強くなる。
ミアの体がわずかに動いた。
ベッドが軋む。
シーツが擦れる音。
ランプの光の中で、二人の影が揺れている。
ミアはコーイチを見上げた。
頬が赤い。
瞳が潤んでいる。
「そんな顔……」
言葉が途切れる。
呼吸が続かない。
コーイチはミアの髪を指で払った。
顔にかかっていた髪をそっと避ける。
ミアはその手を掴んだ。
そして自分の頬に当てる。
「優しいね」
小さく言う。
でもその声は、どこか震えていた。
コーイチはミアを抱き寄せる。
強く。
ミアの体がベッドの上で動く。
ギッギッと部屋中に音が響く。
ミアは目を閉じる。
呼吸がさらに近くなる。
「コーイチ……」
名前を呼ぶ。
その声はさっきより少し掠れていた。
コーイチは答えない。
ただミアを抱きしめる。
ミアの腕も、コーイチの背中に回る。
逃がさないように。
二人の体が動く。
シーツが乱れる。
緩やかに影が揺れる。
窓の外では風が流れていた。
部屋の中は静かだった。
ミアが小さく息を漏らす。
「……んっ」
呼吸が乱れる。
コーイチはミアを見つめている。
ミアもコーイチを見つめ返した。
ランプの光の中で、二人の影がゆっくり重なる。
ミアはコーイチの顔に手を添えた。
そして静かに微笑む。
「大丈夫」
その声は、とてもやさしかった。
ベッドがもう一度、小さく軋む。
夜はまだ続いていた。




