第3章第23.5話 避妊魔法
本作品は、
小説家になろうにて掲載中の
『異世界転生した理系男子が、地味スキルで冒険者をやっていたら、なぜか誰からも攻撃が当たらない件』
の年齢制限部分を、
別作品として掲載したものです。
ぜひ、本編もお楽しみください。
コーイチはふと動きを止めた。
ベッドに横たわるミアの裸が目の前にある。
さっきまで勢いだった。
でも、急に現実が頭に浮かんだ。
(避妊どうしよう)
準備なんてしていない。
コーイチは少し躊躇した。
ミアはその様子を敏感に感じ取った。
「どうしたの?」
コーイチは少し困った顔をした。
「ごめん」
「え?」
「こんなふうになると思ってなかったから……準備してなくて」
ミアは首をかしげる。
「準備?」
「避妊の用意」
ミアの顔がきょとんとした。
「えっ?」
コーイチは説明しようとして言葉を探す。
「このまますると……子供できるかもしれないし」
ミアは一瞬ぽかんとした。
それから、あっさり言った。
「できないよ」
「えっ?」
今度はコーイチが固まる。
ミアも少し混乱した。
「えっ?」
コーイチが言う。
「いや、だから……避妊」
ミアはあっさり言った。
「魔法かけてある」
コーイチは一瞬黙った。
「……魔法?」
「うん」
「魔法って……」
コーイチは言葉を選ぶ。
「おまじない?」
ミアは目を丸くした。
「おまじないで避妊できるわけないじゃない」
コーイチはさらに困惑する。
「えっ?」
ミアが言う。
「ちゃんとした魔法だよ」
コーイチの頭の中で何かが引っかかった。
「えっ……魔法ってあるの?」
「えっ?」
二人で顔を見合わせた。
コーイチが言う。
「避妊の……魔法?」
「うん」
ミアは当たり前の顔をしている。
「女なら普通に使うよ」
コーイチはまだ理解が追いつかない。
「そんな魔法が、……あるの?」
ミアが首をかしげる。
「あるよ?」
少し不思議そうにコーイチを見る。
「知らないの?」
コーイチは黙った。
ミアはそこで思った。
(あれ?)
コーイチは何でも知っている。
石鹸の作り方も。
料理のことも。
商売のことも。
時々、びっくりするくらい詳しい。
でも。
(時々)
(当たり前のことを知らない)
ミアは少し笑った。
「母親が教えるの」
「……え?」
「避妊魔法」
ミアは肩をすくめた。
「女の子はみんな覚えるよ」
コーイチはしばらく黙っていた。
それからぽつりと言った。
「文化の違いですね……」
ミアはくすっと笑った。




