9話 報告しよう!
※次話も同時投稿しております。ご注意下さい。
「さて、帰るか!」
「だね〜!寝てスッキリしたし〜!!」
「村へ帰りましょう!!」
俺たちはあのまま階段を降りた小部屋で雑魚寝した。
地面は硬かったが、冷たくはなく意外と寝やすかった。
「……これどうやって取るんだ?」
「持ち上げたら取れないかな〜?」
「ふぬぬぬぬぬ…!ダメです……。」
「ミシミシ鳴ってたし行けそうに見えたんだけどな」
「あれ?この下の岩…ただの岩なんじゃないかな〜?」
「それなら蹴りで折れそうです!」
「よし!蹴れボルク!」
「はい!!オリャア!!」
「折れたね〜!」
「折れたら魔石が取れたな?どうなってんだ?」
「何か大きな音がしませんか?」
「……してるな。」
「してるね〜!」
「これ取っちゃダメだったんじゃ…。」
「今更言っても遅い!!走るぞ!」
「えぇ〜!!」
「ボルク、セラを担げ!魔石は俺のバッグに入れろ!」
「揺らしたら多分出るから気を付けてね〜」
「了解です!」
俺たちは崩れていく洞窟からセラの灯す明かりを頼りに駆け、どうにか出入口まで戻った。
――――――――――――
「ハァ…ハァ……なんとか…間に合ったな。」
「…えぇ、何とか間に合いました!」
「ボルクいい乗り心地だったよ〜!」
俺たちは白み始めている空の下、地面に座り込み思い思いに倒れ込む。
俺はバッグから取ってきた魔石を取り出し、空に掲げ眺める。
「しかし魔石とったら崩れるのは何でだ?」
「というか奥にあんな魔石があるなんて聞いたこと無かったよ〜!」
「英雄物語にも描かれてなかったです!」
「よく分からんがこんなにデカいんだ!絶対価値あるだろ!」
「というかお前らボロボロだな。」
「カラムさんもですよ!」
「全員ボロボロだね〜!」
「まぁそれでも今回の賭けは大当たりだったな!」
「そうだね〜!飲み放題という夢が叶うよ〜!」
「これでまた1歩英雄に近付けた気がします!」
「じゃ帰るか!」
「「はーい!」」
俺達は立ち上がり、村に向かって帰る。
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村に着く頃にはしっかりと日は上っていた。
俺たちはどこか懐かしさを感じながら門へと近づく。
「なぁ門の前に誰かいるぞ?」
「今哨戒してる小隊の隊長じゃないですか?」
「うちの小隊長もいつも立ってるもんね〜。」
「あれうちだけだって聞いたぞ?」
「じゃあ誰ですかね?」
近づいていくにつれて、姿がハッキリと見える。
あれは、俺たちの小隊長だ。
「……なんか胃が痛くなってきた。」
「私も〜……。」
「めちゃくちゃ怒ってそうですね!」
しかし、早く帰り金が欲しい俺たちは意を決して門へと進む。
「……!お前たち……。」
「第7班、ただいま戻りました…。」
「……よく戻った、戻ってきてくれた。ボロボロだな。」
「えぇ、まぁ激戦?でしたので……。」
「爆音が聞こえた際現地へ向かおうとしたんだが、上に止められてな。本当にすまなかった。良く生きててくれた。」
「いえ、本当に来なくてよかっ、じゃなくて、心配をかけすいませんでした。」
「詳しい話は後で聞こう。疲れているだろう?とりあえずは兵舎に戻るといい。」
「ありがとうございます。じゃ…これで。」
「待て、そのバッグ重そうだな?魔石取ってきたのか?預かって先に査定しておいてやろう。」
「え、あ、いやー後でいいっすよ?」
「疲れているだろう。ほら早く寄越せ。」
「あー……はい。」
「……なんだこれは?おい、これをどこで取ってきた!」
「あー…凄いだろ?これなら金貨ぐらい貰えんじゃね?」
「……はぁ。貴様ら!今すぐ尋問室へ来い。」
「え、なんで?疲れて…」
「うるさい!!とっととついて来い!!」
「「「……はーい」」」
「シャキシャキ歩け!」
こうして尋問室で根掘り葉掘り聞かれた俺たちが解放されたのは夜だった。
――――――――――――――
翌朝、絶対に点呼に遅れずに来い、来なければ殺すと念を押された俺達は他の班と同様にしっかりと集まっていた。
「……昨晩死んだ可能性が高いと伝えていた、7班が生きていた。」
「マジかよ…賭け外しちまった。」
「大穴キターー!50倍だ!!!」
「おいおい、お前ら俺達の生存で賭けてたのか!いまからでも俺も乗らせてくれ!!」
「黙れ!!!」
「いいか、それに合わせて伝えることがある。7班は迷宮攻略部隊に転属だ。」
「……え?攻略に?」
「あの貴族や金持ちがいる部隊だろ?」
「栄転?」
「上の考えていることは私にも分からん。だが、お前達が無様な姿を見せると私が怒られる。最後となる今日1日は特別メニューを課すから向こうではしっかりとやるように。」
「そんなことはどうでもいいんだ!一時金は!?」
「一時金?何の話だ?」
「ボルクあの紙出してくれ!…ほら、ここに!!」
「お前達……軍の掲示物を勝手に持ち出すな!!」
「あ、やべ……。」
「特別メニューは倍にする!以上!訓練開始!」
こうして俺達はボロボロになるまで小隊長の訓練に付き合わされた。




