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進撃の巨人における、巨人の恐ろしさについて

≈≈≈

⚠ネタバレ注意!

【進撃の巨人】と【機動戦士ガンダム第08MS小隊】、及び【機動戦士Vガンダム】の重大なネタバレを含みます。

作品を未読・未視聴の方はご注意願います。

≈≈≈




筆者は長い間、

【進撃の巨人】を読んだことがなかった。


今ならば、もったいないな…と思えるものの、

当時は「ちょっと…読みたくねえなあ…」と思うより他になかったのだ。

なぜならば、『ネタバレ』を極端に避ける(これは当然のマナーである)私の友人の説明による【進撃の巨人】のストーリーは、

・“人を食べる巨人”がいる。

・だから、人類は“大きな壁”の内側に住んでいる。


ネタバレを避けて【進撃の巨人】を説明するならば、そう言うより他にない。


しかし、当時の私(臆病者)は

「そんな怖い話、読みたくねえなあ…」

と思うより他なかった。


そして、

 “どうしても進撃の巨人を読ませたい友人”

       VS(バーサス)

 “絶対に怖い話を読みたくない私”


という構図で『論戦』が始まった。


当然、物語を知らない私は“防御一辺倒”、物語を読ませたい友人は“攻撃一辺倒”となる。

しかし、なぜか『物語を読んでる人と読んでない人』という垣根を超えて“進撃の巨人の話ができる”という、他に類を見ない不思議な構図になっていた。


同じ友人から【エヴァンゲリオン】を勧められた時ですら、こうはならなかった。


今にして思えば、

これは《《非常に含蓄に富んだ構図》》だったなと筆者は思う。


私に対する友人の説明は続く。


【進撃の巨人】の世界では、

・時々“壁の外”に調査に出かける人達がいる。

・それは調査兵団と呼ばれ、“軍”に所属する。

・調査兵団は、“立体機動装置と剣”で巨人と戦う。

・巨人は“首の後ろ”を切断すれば倒せる。

・調査兵団の移動・輸送方法は、“馬”である。


「いや…絶対勝てへんやん(関西弁※エセ)…」

と当時の私は思ったものだ。


“15メートルの巨人”に対して、軍隊が『馬と剣』て…

『ザク』に対して『馬と剣』で勝てるか?


「巨人は首の後ろが弱点!」って言われても…

「喉のところにあるホース切れば、ミノフスキー粒子が漏れて自重でザク倒れますよ」って言われてるくらいの無茶振りである。「じゃあ生身で切りかかっても安心!」とは絶対にならない。


部下にそんな命令ができるのは、アニメの長い歴史上でも『カテ公』ぐらいであろう。

『バズーカとトラップ』を利用するシロー・アマダがかわいく思えるほどの無謀であるように、その当時の筆者には感じられた。


私は友人に対して問いかけた。

「というか、なんで巨人がいるのに壁の外側に調査しに行くの?壁の上から巨人に向けて“大砲”撃って安全になってから行けばいいじゃん」

この私からの問いかけに対して、

友人は「知らん読め」と五文字で簡潔に応えた。

怖い話を読みたくない私は「なんでやねん(関西弁※エセ)」と訊ねると、

友人は「読む方が早い」と応えた。


今にして思えば、友人の言葉はとても誠実な返答だったなと筆者は思う。


これからしばらく後、筆者はマンガ版の【進撃の巨人】を11巻まで一気読みした結果、強烈な世界観と“風邪をひいた時に視る夢”のように著しく不安を掻き立てるマンガの構図にしばらくうなされるとともに、一気に【進撃の巨人】という物語に惹き込まれることとなった。

…ただ、マンガ版を読むと“ものすごい恐怖感”が心のなかに一挙に押し寄せてくるので、それ以降はアニメ版しか観ていない。

諫山先生、それから原作ファンの方、申し訳ない。




【総括】

進撃の巨人における『巨人の恐ろしさ』とは、

その強さや大きさ、巨人ごとに割り振られた各種の能力以上に、

『人々の思い込みの恐ろしさ』であるように筆者には感じられる。


しかも、その恐怖は“(つい)の構造”となっている。


《《なぜ》》、《《そうなるのかなんて知らん》》。

《《なぜ》》、《《そいつと》》、《《そうやって戦うのかなんて知らん》》。

いつの間にか『知らない・分からないこと』を受け入れている恐怖。

そして、

『自分で考えることを停止する』という“(つい)となる恐怖”。


《《こうしなければいけない》》。

《《それは》》、《《自分が行わなければならない》》。

そのように『いつの間にか思い込んでいる』恐怖。

そして、無意識的な

『それは自分が望んだことだ・自分が終わらせなければならないのだ』という思い込みの恐怖。

これも、“対となる恐怖”である。


それは当事者の心の内で起こっていることなので、

はたから見ていて理由が分からない上に、“対となっている恐怖”のその一方しか知り得ない。


きっと、対の一方を知り得た側は自分の心の内で“別の(つい)”を見出すのだろう。



当事者と、傍観者。

エレンと、アルミンやミカサ。

パラディ島と、海の向こう。

事情を知っている人と、知らない人。


立場ごとの

“見えているものの違いから生じる”、

様々な『対となる恐怖』。


進撃の巨人における『思い込みの恐ろしさ』は、

“知る者と知らぬ者とでついになっている”。

“当事者の心の中でも対になっている”。

しかも、

“選択肢は常に少ない”。

“考える時間もない”。



ついの恐怖の一方しか知らない側と、多くを識るが故に肥大化した個の内に籠もることしかできない側による、思い込み同士の戦い。


それが進撃の巨人における『巨人の恐ろしさ』のように、筆者には感じられる次第である。




【蛇&足】

ガンダムでもそうだが、

思い込みから解き放たれれば分かり合えるはずなのに、人間同士が互いに争い合うのは哀しい。

思えば、そういう物語ばかり読んだり観たりしてきた気がする。


先達がせっかく物語を通してそういうことを教えてくれているのだから、いい加減『思い込み問題』からは離れられんもんかいな人類。


私にできることはなんだろう?

…ガンダムを観て、“ガンダムそのものの世界”を作り出すことではない気がする。多分。

進撃を観て、“進撃そのものの世界”を作り出すことでもない。

最も恐ろしい“巨人”は、

『数多くの人間の“思い込み”を寄り合わせたもの』。



好きなやつの話は長くなります。

進撃の巨人で好きなエピソードは、

『森の子ら』と『裏切り者』です。

「お前たちは仲間だよ!!」

は涙が噴き出しました。

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