小屋へ行こう
注意!!
これはダークファンタジーです。
「ふう…美味かった。」
「もうちょっと食べるかと思いました。」
「千咲の分は残しといた方がいいだろ、シチューが腐る前に千咲には起きてもらう。」
「なぁんだ、僕のおかわりの分じゃないのか。」
ヴァレは鍋に向かい手をのばしている。
「ヴァレ、腕をちぎられたいの?」
「わあ怖い、頼むからやめてくれよー」
ソウルは少しふざけ、ヴァレの腕を掴んだ。
すると
「触るなッッ!!」
突然ヴァレがソウルを振り払ったのである。
「え……すみません…少しふざけすぎました。」
「どうした?ヴァレ、機嫌でも悪いのか?」
「なんでも…ないよ……
さ、さっさと千咲の分を分けてやれよ、さっきから目を開けてる。」
「!?」
サニーとソウルは千咲の方を振りかえった。
「や…少し元気になってきたよ……」
「良かったです。シチュー、食べれますか?」
「ありがと……」
「僕はそこら辺歩いてくる……」
ヴァレは俯きながら森の奥に入っていった。
「ハァ…ハァ………苦手だ…『あれ』があってから……どうしても触られるのだけは……ッッ!!」
ヴァレは息を荒くしながら木の側に座り込んだ。
その頃千咲達は……
「シチュー美味しい……久しぶりにまともな食事をとったよ……」
「お口に合ったようで何よりです。」
ソウルは少し落ち込み気味であった。
「ソウル、別に気にしなくていいんだぜ?あいつも疲れてんだよ。」
「ですよね…ヴァレはあまり何を考えているのかわかりません、なにより、元敵の支配下に置かれていた方なので、いつ裏切られてもおかしくありません。」
「……だな」
「私の傷、あとどれくらいで治る?」
「いえ、時間がありません、今治します。」
「え?」
「麻酔はしますのでご案内を。」
「俺がやられたやつか」
「サニーさん、近くにテントを立ててください。虫などが傷に入られては死の危険があります。」
「わかった」
数時間後…千咲は傷が綺麗に塞がった状態で、スヤスヤ寝ていた。
「出るのは明日にしましょう。」
「明日が本番……」
「敵にはなるべく見つからないようにして移動しましょう……恐らく、ロッド、ロキも復活しています。」
「いや、ロキは復活してないね。」
「??」
「千咲があいつの額を切りつけたじゃないか、そのとき見えたんだ、千咲がどさくさに紛れ、額と一緒に手首をザクッといくとこ…」
「かなり時間がたっているはずです。つまり……」
「ロキは出血多量でほぼ死んでる。」
「流石です。千咲さん。」
「手さばきがいいんだ、訓練してる時も……」
「さぁ、さっさと寝ましょう」
そのとき、ヴァレがちょうど帰ってきた。
「あぁ…やぁ、元気ィ?」
「今日は早く寝なさい。」
「わぁってるよ……」
ヴァレは近くの木に寄りかかり、そのまま寝た。
「明日、生き延びるぞ」
「サニーさんこそ、絶対死なないでくださいね。」
サニーとソウルは決意を硬め、眠りについた。
翌朝
「行こう」
すでに千咲、サニーは準備満タンだった。
「流石に早いですね。」
「ソウル、いつも本当ありがとう。傷治してくれて、ご飯作ってくれて。昨日の傷も」
「急に何を、こちらこそいつもありがとうございます。ですが、今回は私が死んだら治療する人はいませんからね。」
「わかった」
「ところで、千咲さんとサニーさんに渡したい物があります。」
ソウルは包帯を取り出し、千咲とサニーに配った。
「私とはぐれたり、私が死んだらこれで傷を治してください。」
「ありがとう、そうだ、だったらこっちからも」
千咲はランタンの燃料を取り出した。
「役に立つか分からないけど、ラタンの形見だよ。持ってて」
「感謝します。」
「さぁ、早速行くぞ!!」
先頭にサニー、少し後ろに千咲、ソウル、離れた場所にヴァレが着いてきている。
「決着をつけよう!!」
サニー達は小屋に向かって走って行った。
「ハァ……」
ヴァレは憂鬱そうにため息を1つついた。
SEASONⅡ
〜[完]〜




