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邂逅 引きこもり

「…ここか?。」

 薄暗い建物。建物の中には明かりが灯っておらず陰気な雰囲気が漂っている?。心なしか寒気がする。この建物にいる人物が発しているものだろうか?。


「…本当にこんなところに…」

 そう言葉を発していた男。しかし突如口をつぐむ。いや、正確には閉じさせられたと言った方が良いだろう。


「…やっと会えた。あんたに用があったんだ。」

 なんとか口を動かし自分の目的を告げる。


「…だれ?。ここは私の領域、出て行って。行かないなら…力づくで。」

 一方の人物。その姿は見えないが声からすると女性だろうか、は魔力を迸らせる。


「ちょ、ちょっと待ってください。俺は現七星第六輝夢坂当夜です。あなたに…銀城さんに用があってきたんです。」

 慌てて言い繕う夢坂。いきなり全開。しかも自分の邸内で。夢坂とて強者との戦闘は望むところだがそれでもいきなりは困る。


「そんな人しらない。私を騙そうとしてるの?。ならあなたは悪い人だね。」

 夢坂の話を聞いても臨戦態勢を解くことなくさらには高密度に圧縮しはじめていた。


(な、マジかよ、この人。人の話を聞かなすぎる。それに自分の邸の中だぞ⁉︎、どうなっても良いのか?。)


「…心配無用だよ、あなただけを消し飛ばすから。七星の名を語って騙そうとするなんて…消し炭になっちゃえ。」

 今にも魔法が放たれようとする中、夢坂は創士から託されたある物を思い出した。


「あ、そうだ!これ、創士さんから。銀城さんに渡せば分かってくれるって…」

 藁にもすがる思いで創士から預かった物を投げ渡す夢坂。これが失敗に終わった場合帝になり、迎撃するしかないと思っていた。


「…………………。」

 沈黙が続く。銀城は夢坂から投げ渡された物を見つめている。


「…なんだ創士君の友達か。それならはやくいってよー。」

 銀城が纏っていた魔力が消える。それと同時に電気をつけたのか建物の中に明かりが灯る。それによって銀城の姿が露わになる。夏だというのに長袖のパーカーをフードまで被り下にはこれまた長いスウェット。完全に季節を無視していた。


(いや、七星だって言っただろ⁉︎。それで関係があるって分かるだろ!。てか服。なんか入った時から寒気がすると思ったら建物全部に凄い冷房つけてんじゃん。)

 緊張が解けたことで入った時の違和感に気付く夢坂。


「それで?なんの用?これには何も書いてないけどー?。」

 銀城が紙をぷらぷらさせながら言う。


「えーと、あ、これです。創士さんから二学期にある行事についての連絡、それと伝言で偶には姿を見せろって言ってましたよ。」


「いやーそれはノーセンキューだね。私の姿を見たかったらここに来て、私は常にここにいる。って伝えて。」


(別にただあんたの姿を見たいわけじゃないと思うけど…)


「…それじゃあ俺はこれで…」

 用件を終えた夢坂は建物から立ち去ろうとする。


「はいはーい、…それにしても君結構やるんじゃない?。本当に六輝っぽいねー。てことは私より上だ。上司だ。上司は部下を養う義務があるんだよ?。だからーたまに美味しいお菓子持って来て。あ、別に合わなくていいから、ポストにでも入れといてー。」

 そう言い銀城は建物の奥へと進んでいく。



(…今まであった人の中でぶっちぎりで意味わかんない人だ。)

 心の中で呟く夢坂。


「…今まであった人の中でぶっちぎりで意味わかんない人だ。」

 口にも出していた。

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