生徒会の日常
「中々仕事が溜まっているな。これは…骨が折れるぞ。」
創士の目の前には書類の束。若草達全星量勢との合宿のため3日間学校を離れていた。その間の分の仕事が蓄積した結果だった。またとある理由で例年より仕事量が増えているのは仕方のないことである。
「私はしっかりお伝えしたはずです。大変なことになりますよ、と。それでも会長が『俺たちは学生なんだ!。夏を楽しまなくてどうする!。』と威勢よく啖呵を切られ強硬に決定したはずです。しっかり仕事をしていただきますよ。」
生徒会室の会長席の右側、副会長席に座る真利谷が冷たい声で言う。その声にはこうなった原因は貴方なのだから文句なんか言ってんじゃねーよ、という感情が明々と表されていた。
「う、うむ。わかっている。俺は生徒会長だ。自分の言葉に責任は持つ。楽しいことがあった後はしっかりやる。オンオフの切り替えが大事だ。順番に片付けていこう。それに…」
創士が机にある書類の束に手を伸ばす。
「会長〜各委員会からの予算改定要求がきてんで。その他諸々色々きてるわ。まぁ俺が適当に割り振っとくからハンコしっかり押しといてください。」
「2学期の行事日程。教師側からの提案一覧にまとめておきました。目を通しておいてください。」
会長席から見て左側会計の風待と書記の並木が仕事をこなしながら創士に伝えるべき事柄を伝える。
「こんなにも頼もしい部下もいる。…と言いたいところだが、花凛はどこへ行った?。」
創士が真利谷の隣空席になっている席を指差しながら言う。他のメンバーの机の上に比べ散らかっており書類が散乱している。
「あれ?先程までここにいたのですが…。いつの間に…。」
忽然と姿を消した花凛。本来なら大問題になるはずだが生徒会の面々に焦りは見られない。
「はぁ〜またか。真利谷、花凛の机の上を調べてくれ。おそらくその散らばった書類の中に終わった物が混ざってるはずだ。あいつは自由なやつだがやることはやる奴だ。」
慣れていた。花凛が生徒会室を脱走することは日常茶飯事であった。しかし仕事はしっかり終わらせている。それ故大事な会議の日以外は黙認されていた。
「…そうですね。…えーと確かに今日するべき仕事は終わっていますね。」
本当に終わっていた。流石の頭のキレである。
「そうか、しかし今日は少し話すことがあるんだが…」
「ん、大樹君の所にいるって。火祭くんと遊んでるって。」
並木が携帯の画面が見ながら言う。
「んなら俺が迎えに行ってくるわ。会長は仕事しとってや。」
そう言い風待が生徒会室を出て行く。抜群のコンビネーションであった。これは通称花凛フォーメーションと呼ばれ花凛が脱走した時に用いられる2年コンビの特殊技術であった。
「…全く頼もしい奴らだよ。花凛も含めてな。」
そんなメンツを呆れ半分頼もしさ半分の顔で創士が見るのだった。




