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技師と単衣

「さて…次は剣君だね。剣君も変更があるよ。…『錬装技師』だね。改名の理由はもちろん武器の合成を使用したこと。」

 若草の口から剣の新しい二つ名が告げられる。


「…まだ完全には使えてねーけどな。はっきり言ってまだリスクはでかいしそれに…選択肢が少なすぎる。現状俺が使える合成は二つ。これじゃダメだ。届かない。」


「そう?結構いけてるくない?。」

 剣の言葉に重が反応する。実際剣の武器合成は創士と同系統のものでその威力は並々ならない。しかし


「ふふふ、流石剣君自分の弱点を分かっていたか。そう、君の武器合成は初見殺し。言い方を変えれば2度目は少し危ない武器を使うってだけなんだよ。持久戦に持ち込めば君の自滅すらある。」

 若草があえて剣の魔法の弱点を言う。現状二つの合成しか使えない剣。確かに同じランクの相手ならそれですむが格上にはそうはいかない。二の矢三の矢が必要であった。


「ちっ、…はぁ〜まぁ取り敢えずやれることはやるさ。これを使いこなすのが難しいことはわかってる。だから創士さんはあの鎧を考えたんだろ?。俺は俺の方法で乗り越える。いつかあんたを驚かせてやるよ。」

 それでも剣とて何も考えていないわけではない。その頭の中には次の考えがあった。


「楽しみにしてるよ。…次は重君。重君は…変更ありだ。」


「なんでちょっと溜めたんですか!。」


「いや、ちょっと雰囲気を変えようかと思ってね。それで君の新しい二つ名は『重弍単衣』。多重魔法の爆撃とその炎を身に宿す姿からだね。」


「んーなんか…迫力ないな。前の方が良かった感ある。」

 重が少しがっかりしたように言う。前の千の爆撃の方が迫力があったためである。


「そうですか?。今回の方が語呂が良くないですか?。雅な感じがします。」


「なんか女々しいな。まぁお前見た感じ子供だから似合ってるっちゃ似合ってるな。」

 澪、剣が各々感想を述べる。2人ともなんともいえない感想である。


「…2人とも結構どうでもよさそうだね。んーでもまぁ覚えてもらいやすいって考えれば悪くないのかな。」

 重がなんとか気を取り直す。


「で、結局3人とも変わったのか。」


「そうなんだよ、これは結構珍しいことだね。二つ名は早々変わらない。これは君たち3人が成長したことの証でもあるんだ。誇っていいよ。」

 若草が微笑みながら言う。その表情は後輩の成長を純粋に喜ぶものだった。


「あの…今回二つ名が変わったのは私達だけなんですか?。」

 ここで澪が尋ねる。自分達3人の二つ名が改定したが他にも変わりそうな人に心あたりがある。


「…多分君達も思ったと思うんだけど夢坂君も変わったね。彼は『雷候』。雷を司る者という意味だね。」

 コンビ戦で雷の帝を発動した夢坂。当然その評価は上昇することになる。


「それに…1学期で名を上げて新しく命名された人もいる。この学園では成長しない人などいないんだよ。だから君達も今回のことに驕ることなくこれからも精進を続けて欲しい。」


「当然だろ、俺は駆け上がる。頂までだ。」


「俺だって負けない。唯一の魔導師になってやるんだ。」


「私だって驕るつもりなんてありません。」

 三者三様の返答をするがその心には強くなるという決意が総じてあった。


「頼もしいね。あとは…これは言わない方がいいかな。一応極秘事項だからね。」

 若草が訳ありげにほのめかす。


「え?何かあるんですか?。」

 当然不思議に思う重が質問をするが、


「秘密だよ。そうだね、夏休みが明けたら発表があると思う。それまで楽しみにしておくといいよ。」

 若草は詳しい内容については言及しない。


「ヒントだけ…。強い力が必要だよ当事者になりたければね。」

 この言葉だけを残すのだった。


次回の更新はお休みさせていただきます。

次の更新は6月25日になります。よろしくお願いします。

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