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猿蟹月仙のよた話  作者: 猿蟹月仙
10/23

もう終わってしまったゲームを振り返って 「銀河英雄伝説タクティクス」

 ブラウザのタスクバーにブックマークが残っていたので「銀河英雄伝説タクティクス」の攻略Wikiにアクセスしてみると、過去記事のリンクがあったので少し目を通してみました。

 そこでは、開発運営元のDMM.COMの社員さんが運営開始から2ヶ月程経った時点でインタビューに答えていましたが、自分にはこれ程現実からかけ離れた言葉を並べてる人達を見るとはと驚きでした。


 これまでPC9801用として延々とゲーム化されて来た「銀河英雄伝説」でした。ファミコンゲームにも一作ありましたね。それらの出来と比較しても、お世辞にも良い出来とは思えなかったからです。

 むしろゲームとして退化しているとさえ思えたものでした。

 どの様にゲーム化するのかは、あの方々の戦略。そしてこの数ヶ月前にサービス停止という結果が出た訳ですが、その命脈は企画段階で決定されていたのでしょう。


 発表当初、その期待の高さから多くのプレイヤーが失望を覚えたものでした。

 個々のプレイヤーが抱く「銀河英雄伝説」という作品世界の広がりに対するイメージと、余りに隔絶したイメージの貧困さ。

 本気でこのインタビューに答えた事を考えていたのなら、そりゃボタンの掛け違いも甚だしいだろうね。


 彼らは至極当然に、DMMのゲームとして見事に仕上げて見せたのだなと、プレイしてみた当時の感覚を思い出しながら納得した訳であります。


 良くも悪くもDMMのゲームらしい。

 マップや面を小さく区切り、そこへキャラクターを編成したチームで戦わせる。そして、そのキャラクターをガチャで売っていく。優秀なキャラクターを目玉商品として、プレイヤーの購買意欲を掻き立てるイベントを繰り返していく。

 これはDMMのどのゲームも共通する基本的な構成要素で、後はデコレーションを変えていくだけ。美麗なグラフィックや音声で、新規プレイヤーを魅了しつつ、投入した資金を回収していき、ある程度の目処が立ったところで閉鎖し、新規のゲームでより資金回収の効率を高めていく。

 その繰り返し。

 ただ、それはその仕組み自体が飽きられ、他のゲームシステムに食われていく。というか、この手のゲームで遊ぶユーザー層というパイの食い合いで、競争者の増加に押されて食い扶持が減っていく。そんな気がします。


 

 銀英伝タクティクスの場合、失望の余りにプレイヤーの離れるのが早かったんじゃなかろうか?

 俗に言う、マインドが冷え込むって奴?

 自分は友人からレーザーディスクで借りてアニメを観た口で、原作は読んでいないんだけど、大看板である大規模な艦隊戦はそのスケール感からして宇宙戦艦ヤマト世代から図抜けていて、超時空マクロスで表現された大味で大規模な宇宙艦隊戦に比べて戦略戦術的な面で細やかな状況設定がそのストーリー上で描かれてきていた。

 良くある、戦争は戦う前からその雌雄が決している的な。戦闘が始まる前に、どれだけ有利な状況を生み出せるかがあの話の流れの醍醐味で、過去作品ではその辺を生産力やら資源やらの増加や、戦況の変化を再現したシナリオなどで楽しませてくれていたけれど、段々と局地戦のみの再現で、如何に有利な状況を生み出すか、不利な状況を覆すか、等の遊びが、つまりはゲーム性が見られなくなってしまった。


 最後にやった窓版の銀英伝は、小説にあった戦争を如何に戦い勝利するかをゲーム化したもので、こんなもの小説でどう戦況が動いたかを知らなきゃリアルタイムバトルなんて、マップが広すぎて追いつかないやと諦めた経緯があります。

 もしかした、あのシステムなりの勝ち方って奴があったのかも知れませんけどね。アニメしか観てないから、位置関係とか判んないw いっぱい負けを繰り返して、全体の動きを把握して、勝利するまでプレイするなんてね(苦笑)。


 それまでの銀英伝のゲームでは、如何に最後には勝てるかというものであって、同盟軍側で延々と遅滞戦術や回り込んで背後の惑星を落として進軍を遅らせたり、イゼルローン回廊で粘って時間稼ぎしたり、その上で各個撃破しつつ指揮官の数の不利を巻き返したりと、色々無い知恵を絞って楽しませて戴いたものでした。

 つまり、帝国側での勝ち戦には全く興味無くて、同盟側の不利な状況からの挽回が楽しいゲームだったんですよね。帝国側の勝ち戦なんて、ただ突っ込ませれば良いだけの事で、全然ゲームじゃないんだから(苦笑)。


 DMM版をプレイされた他の方々も、帝国側でプレイ出来るか、同盟側でプレイ出来るか、どちらの陣営でゲームを楽しめるかがとても大きな焦点だった印象を受けました。

 ところが、製作側は陣営とかどうでも良かったんだよね。好きに切り替え出来たみたいだし、ガチャでどちらの船も士官も関係なく排出されたし。 

 多彩なキャラクターを再現したのが苦労した点とか挙げてましたが、結局はそのキャラクター性を殺してしまっていたんじゃないかな?


 失礼な話だけど、私はこの原作に対して愛情や想い入れの無さがこういったゲームを生み出したんじゃないかと、プレイした当時は思ったものでした。

 運営側にとってガチャによる課金が一番大事なのは判ります。

 ですが、ゲーム運営をサービス業と位置付けると、お客様第一で儲けは後から付いて来るもの。顧客満足度が高められなければ、自然と経営が成り立たなくなるものではないでしょうか?

 キャラクターの設定を、しっかり書き出していたりデータ化していた事は認めます。ですが、そのキャラクターがその陣営の中でどう関わっていくのか、そこにキャラクターのストーリー性が生まれ、プレイヤーにとっての物語が生じます。そこをないがしろにした結果、客離れを生じさせたのではないでしょうか?


 一番魅力的なキャラクターは、自分にとってはメルカッツ提督でしたね。

 どちらの陣営にも関わり得る立場で、場合によっては帝国側の幕僚にもなり得る。そのIFを楽しめるのがゲームだったのに、ただなんとなくごっちゃ煮状態で、ただそこにあるだけなんて勿体無い話です。


 ガチャでキャラクターを配布するスタイルは、猿蟹にとってはそのキャラクター性をおざなりにする行為に思えてならないんですよね。

 どうやってパーティーに参加するか、RPGだったらその辺はしっかり描くじゃないですか?

 ただ強いキャラを編成して戦わせるんじゃなくて、どう仲間になっていくか、どうパーティーとして成長していくのか、その辺をゲーム化した上で課金を絡めていくと、また一味違ったものが出来上がるんじゃないかと愚考するんですけどね。


 そういった企画を考えてみたりもするのですが、なかなか難しいものですね。


今回の参考サイト:

 http://www.4gamer.net/games/274/G027473/20160307049/

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