23話 エマの冒険 告げられた功績編
ランシェ「折角のシリアス回なのにタイトル詐欺じゃ...」
クレア「始めますよ―――!!!」
「全く!たまたま私が居合わせたから良かったものの!!」
ダンッ!
「普通に登録してたらどうなっていたか、分かってるんでしょうね?!」
ダンッ!ダンッ!
目の前に居るギルド職員が、顔を赤くして本気で怒っている。
それもその筈...実際話を聞いて、私は海よりも深く反省する事を余儀なくされた。
「ドール家御令嬢は、揃いも揃っていい加減なの?」
この一言で、私は本気で反省した。これではお姉様の役に立つ所か、逆に足を引っ張っているではないですか...
「ごめんなさい」「え、えぇ?分かればって...アナタ、セシル様の妹ですよね?」
「はい」「なんか、大人しいわね?」「反省しています」「そ、そう?」
本当に申し訳ない。ドール家に名を連ねる者としてよりも、お姉様の顔に泥を塗る事に私は本気で反省しなくてはいけない。そう思っていると
「いやセシル様は元から気品なんて無いと思うわよ?」
突然お姉様の悪口を言い出した。尚も続けて
「(カーウィンから聞いてた話と違うわね)」
などと言い出した。俯きながら声量を落として言ったつもりだろうが...私は子供の頃から人の顔色を窺っていたせいか、他人の独白を拾うだけでなく聞き逃す事も無い。
「聞こえてるわよ」「地獄耳なとこは姉妹ね!?」「お互い様じゃないですか?」
「ウェニー「?!」」「互いに(心の声が)漏れてるし耳年増ですよ!」
突然真横から声がして、私はネメリア共々驚きソチラに目をやる。するとそこには赤い髪の女性職員が、お盆に紅茶を乗せコチラを窺っていた。
「先輩?あまりテーブルを強く叩かないで下さい。下に思いっきり響いてましたよ?」
「うっ...」「ふふん」「ふふんではありません」「えっ!?」
後輩に諭され一瞬呻く先輩。私がいい気味だと鼻を鳴らすと、その赤髪の職員は私にも指を一本立てながらお説教を始める。彼女は言葉を続けながらも
「良いですか?ええっとエマ様でしたっけ?」「はい、そうです」
「お答え頂きありがとうございます」「こちらこそ」「ってそんな事より!」
テーブルに持ってきた紅茶を置いていく。お茶出しし終えたウェニーはもう一度腰に手を当て、わざわざ指を立てながら
「良いですか?もし先程私が受付していたら、普通に登録して帰るところだったんですよ」
「そうですね。申し訳ありません」「違います!そうじゃないんです!!」
切羽詰まった感じで尚も勢い良く言い募ろうとするウェニーに、ネメリアが割って入ってきた。
「全くアナタは要領を得ないわね」「だって!」「落ち着きなさい」
そう言ってネメリアの言った言葉に、私は先程以上の衝撃を受け猛省する事になる。
「ウェニーさん!本当に、申し訳ありませんでした」「う、うえぇ?!」
「どっから声出してるのよ?」「いや、だって」「分かったから」
私は二人の声を後頭部で受けながら、頭を下げ続けた。すると
「あ、頭をお上げ下さい!わた、わた」「落ち着きなさいってば!」
ここに来た時とは違って狼狽しだしたウェニーをネメリアが今度は優しく絆す。そして
「エマ様、先ず頭をお上げになって下さいませ。それだと、市井の者は肝を潰します」
先程とは打って変わって、私に敬意を払い出した。私もそんなネメリアの言葉を受け、ゆっくりと頭を上げる。
「先程は失礼な物言いをして、誠に申し訳ありませんでした」「!?...っした」
「そんな!お二人こそ頭を上げて下さい!全て私が悪いのですから...」
私は申し訳なく思いながらも顔を上げ、ほんの少し上目遣いになりながら二人を見る。
すると今度は二人が私に対して誠意ある謝罪をしてきた。ウェニーなど少し震えているように見る。
私がウェニーの両手を取り、改めて誠意ある謝罪を申し上げようとした所で
「謝罪合戦はその辺にしておきな」「「ギルド長!?」」「...?」
野太い声が聞こえてきた。目の前にいる二人が向けた視線の先を追うと、そこにはまるで山賊のような風貌をした男が立っていた。そしてその隣にはもう一人...
「アナタは衛兵詰め所に居た...」「ヴァン=クロイスです。公女殿下」
ロイに案内され紹介された、衛兵詰め所の長官だった。そういえば...何故あの時互いに自己紹介していなかったのだろうかと不思議に思いながら、私は気の緩みだろうと当たりを付ける。
「私の事はエマとお呼び下さい。ヴァン殿」「では私の事もヴァンと...」
「分かりましたわ、ヴァン」「おいおい?俺にも自己紹介くらいさせてくれよ」
そうやって互いに自己紹介を済ませ、名前呼びする事を確認した所で
「俺の名前はベン=アーガイルだ。毎回ギルド長なんて味気ない呼び方はゴメンだからな」
自らをベンと名乗った男の自己紹介を受けた。そんなベンに私は
「それで...ギルドの長官であるアナタは、何用でここにいらしたのでしょうか?」
「おいおい...ベンって!?まぁ良いけどよ」「...」「私から話そう」「そうかよ」
敢えてギルド長と呼び、少しだけ辛辣な態度を取った。すると不服そうにする山賊モドキを見かねたのか、ヴァンが口添えを買って出る。そんな私たちに気を使ったのか、ネメリアとウェニーがコチラに頭を下げてから退室していった。
二人が出ていくのを確認してから、ヴァンは私たちに席に着くよう促す。私たちが座ったのを見計らってから自らも「失礼します」と、私に一言添えてから着席する。ギルド長は何も言わずにヴァンの隣に勢い良く腰掛けたが...
「教会に赴き、何か分かった事はありましたでしょうか?」
「いえ、特には?」「そうですか...」「何か気になる点でも?」
ヴァンの質問に幾つか答え...と言っても殆ど何も答えていないのと変わらなかったが、それでもヴァンは
「ありがとうございます」「いえ、大してお役に立てず...」
「いえ、そんな事は...」「あるだろうよ」「ベン!」「わりぃ」
私に礼儀正しく振る舞ってきた。隣の山賊崩れは時間が経つ程、その風貌に見合った態度を示してきたように感じるが...
コンコン...「失礼します」
ノックすると共に、ネメリアが許可も取らずに入って来た。そして迷わず私の横に来て、ギルド証をテーブルの上に置いた。そこには
【ラン=クードル】Cランク
と書かれており
「まだ一度も依頼を受けた事がありませんのに、どうしてCランクなのでしょうか?」
私がネメリアにそう聞くと、ギルド長が
「おめぇさんは既に一度指名依頼を受けた事になってんだよ」「は?」
「いや、だから「そんなモノ受けておりません」聞きなって嬢ちゃん」
横から口出ししてきて、しかも嬢ちゃん呼びときた。そんなギルド長に辟易していると
「以前ネス湖での事件、あれを解決したのがエマ様...いえ、ラン=クードルとなっておりますので」
私はヴァンの放った言葉に、自分の耳を疑う事は出来なかった。
ランシェ「またなのよ...流石にやりすぎだと...」
三歳「どうした?ずっとノリノリだった癖に」
サミー「度が過ぎたって事でしょ」
リア「加速度的にやらかすからのう」
ランシェ「そこまで酷くないでしょう!」
セシル「そうかな...」
ランシェ「お姉様...」
サクヤ「毎回思うんですが...過ぎた事を後悔しても、何も進みませんよ?」
クレア「続きますよ―――!!!」
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