15話 警戒する悪魔族(トイフェラッセ)
ランシェ「お姉様?このお菓子、とっても美味しいですよ?」
セシル「...うぅ」
カーウィン「ひ、姫様!?お、お気を確かに!」
リア「(報復絶頂)」
三歳「相変わらず(リアの態度が)ひでぇな」
クレア「そうですね...と、いうことで始めます♪」
「どうなっておる!?」
【彼の地郡】にて順調に広がっていく呪紋を視て、至福の時を噛み締めていたら...
【怠惰を貪る者】との呪言まで消失してしまった。
「これは...どうやらセシルの元に精霊の加護が有るのは、間違いないようじゃの...」
儂はこれ以上手駒を失わない為にも、少し本気でセシルの調査をする事にした。
【全てを見通す者】の元を訪れるべく儂はNULL’sを伴い、彼の地へと渡った。
「ヴァサーゴよ」「なんだ?【言葉を惑わす者】か...」
「そう言うでない。土産なら、ほれ」「NULL’sか...相変わらずだな」
私はアガレスの連れてきた土産に難色を示す。
「遥か昔や未来を視ろと言う訳ではない。現在でも、少し前の過去でも...どちらでも良いのじゃ」「...ふん」
過去に私が言った[現在に近い過去なら]を盾に、アガレスは私にお願いしてくる。
強いて言えば...私の全時空の可視化を使うには制限がある、と言っておいたのがせめてもの救いだ。
「何を知りたいんだ。言っておくが無条件に全てとは「分かっておる」...ふん!」
この爺は自分の欲望を満たす事以外に興味が無い。その癖、他者への妬みから来る嫉みには際限が無い。何故なら、自身の欲望が満たせないからだ。
そんな乾いた最古の悪魔族が求めた私にはどうでも良い事は...
「...くはっ!?...コレ、は...」「やはりそうか」「貴様!」「...」
やってくれたな!?
私はあらん限りの胆力でこの老害を睨めつける。だが、予想通りといった面持ちでこの老害は立ち去って行った。
私は「おい、そこのNULL’s」「...?」「仕事を与えてやるから楽にしろ」
NULL’s...喜怒哀楽の属性は疎か、なんの役割もない者達。
彼らの救済は、仕事を与えこなせば褒める。コレを続けるしか無い。そう思っていたが...
「大精霊リア...そしてセシルか...そろそろ私も、動く時が来たのかもしれないな」
増やしすぎた私の命を削る者が、別の形で活かせる術を視せてくれた...
私は初めてアガレスに感謝した。
やはり精霊は居た。しかも...
「あのヴァサーゴの悶絶...アレは普通の精霊ではないな...」
中位以上の精霊で在る事は想定していた。どちらかと言えばやや上位寄りだろうとも...だが...
「上位...それもかなりの...!?まさか...」
儂はドール公爵が治めるグラピアン山脈に、ある疑念を抱いた。
まさか...大精霊がまだ...存在している?
「それはないな」
だが儂はそれを否定した。アレの消滅は確認した。自身の眼で...
「仮に滅びず何かに宿ったとしても...復活の兆しどころか、衰退の気配しかしとらんかった。アレはもう別の存在となり、どこかで芽吹いとる筈じゃ...弱小精霊として、大量にな」
あれだけの存在がこの世界から消えれば、世界そのものが衰退する。じゃから必ず代替品が発生する。
「その世界の構成力を取り入れたかったのじゃがな」
儂は失敗した。そもそも摂理は手に入れてはならぬモノと儂は理解した。
「あんなモノを取り入れたら、世界の一部になるではないか」
儂はあの人間に付いている精霊が大精霊では無いと断じつつも
「その厄介事は【誘惑し盗む者】に任せるかの。元々儂の計画でも無いものに、これ以上浪費する必要はなかろうて」
儂は再び星の息吹に戻り、絶望の歓喜を味わう事にした。
『その始末はファレフォルに任せるかの。元々儂の計画でも無いものに、これ以上浪費する必要はなかろうて』
「相変わらず間が抜けてますねぇ...いや、ヴァサーゴの言うように本当に老害、ボケ始めているのでしょうか?」
私はアガレスに植え付けた自身の固有能力で、あの爺を惑わし聴覚を盗んだ。
「それにしても...頼んでもいないのに勝手に首を突っ込んで、私に必要な情報を教えてくれるのですから愉快な老害ですね♪」
私は瞑想を解き、再び独り言を続ける。
「ですが...大精霊とまではいかなくとも、セシルの元に厄介な奴が居る事に変わりない...始末するにしても、相性が悪すぎる...手駒が芽吹き花が咲いたとはいえ、アレの親である事がどう影響するか...」
そこまで考えて私は
「いけませんね。不確定要素が多過ぎます。次の一手を打つにしても材料が足りません」
ここはやはり蛇の道は蛇、同じ人間にまた踊って頂きましょうか♪
私は前回の失敗を踏まえ、自身の力を込めた鍵を近くに居たNULL’sに手渡す。すると
「グ、ギギッ...」「やはり、コレを近くで見るのは...まぁ視なければ良いだけですね」
私は知覚を閉じ依代の方に意識を向ける。やがて変化が治まるのを待ち続け...
「そろそろですね」
私はそう言ってゆっくりと眼を開けた。そこに居る本体を視界に収めると
「さて、次の手駒の前に行くとしますか」
NULL’sに(意識を)憑依した状態では自身の力を使えない。不便ではあるが依代さえ人間に渡してさえしまえば、直ぐにでも本体に帰って来れる。
面倒ではあるが私は空間に溶け込む事はせずに、自力で人の街まで行く事にする。
「おや?アレは...ふふっ、これは面白い手駒を見つける事が出来ましたねぇ♪」
人の街まで来た所で空間に身を潜めると、そこには格好の獲物が...
私は親元を離れて好奇心を抑える事の出来ない愚かな人間の前に、此れ見よがしに依代を放り投げた。
案の定人間の幼体は恐れもせずにソレを手にする。
「本当に愚かですね」「...(子どもの眼の色が濃い赤色になる)」
鍵の力で支配した子どもに、早速私は指示を出す事にした。
「私が意識を乗っ取るまで、いつも通りにしてなさい」「...はい」
返事をした子どもの眼の色が元に戻ると、空間のズレに気付けない我が手駒は両親の元へ戻った。
「さて、戻りますか」
此処に用事が無くなった私は意識を本体に向ける事で、自身の身体に戻る事に成功する。
「ふふふっ、何時でも(子どもの視界が視れますね」
能力の確認を終え、私は精霊を罠に嵌める時を待つ事にした。
三歳「クレアも段々酷くなってね?」
クレア「此処に優しい人って居ますか?」
一同「「「「「.........」」」」」
セシル「...シクシクシク」
リア「お主も大概じゃし、お互い様じゃろう?」
一同「「「「「ジ―――――……」」」」」
リア「なんじゃ?!その眼は?!」
クレア「続きます♪」
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