遠足?
やっと、二日目がスタートします。
和気あいあいというよりは、微妙な空気の中、私は朝食に集中して、おなかいっぱい、美味しくいただいた。
ということで、今日の予定は何かしら?
と思ったら、ジリムさんが、
「まずは、王都を見ていただきたいと思います。そして、帰ってきてから、デュラン王子の図書室へご案内いたします。本はどれでも、好きなだけお持ちください。出発は30分後にしておりますが、よろしいでしょうか?」
と、言った。
「はい! よろしくお願いします!」
と、わくわくして、ジリムさんに答えた。
すると、
「わたしもついて行っていい?」
と、イーリンさん。
デュラン王子とジリムさんが、驚いた顔をしている。
が、私は更に気持ちが舞い上がった。
とういうのも、私は女の子の友達がいない。いたことがない。
だって、友達は、マルクだけだったから…。
よって、女の子の友達とどこかへ出かけるなんて、今世では初めてだわ!
「うん、イーリンさんが一緒だと嬉しい! 一緒に行こう!」
思わず、声が大きくなる。
ということで、30分後。
私、お城の前の馬車の前にいます。
が、ここで、更に思わぬ人が登場。
「ええと、ランディ王子も行くの?」
と、私が聞くと、
「あたりまえだろ。ユーリさんが行くんだから。弟子の俺が行かないとな。ということで、ユーリさんの隣は俺の席な、アデル」
と、なんだかえらそうな態度のランディ王子。
まさかとは思うけど、兄弟子の気分なのかな? 私は、ユーリの弟子ではありませんよ?
そして、ユーリのお隣の席は、どーぞどーぞ、お好きに座って。
私は、イーリンさんの隣に座りたいしね!
ということで、ぞろぞろと濃いメンバーが集まったお城の前。
私も、イーリンさんも、動きやすいシンプルなドレス。
前髪をきった、イーリンさんは、琥珀の瞳がきらきらして、かわいらしい!
そして、ユーリも、デュラン王子も、ランディ王子も、シャツにパンツみたいな、カジュアルな装いだけれど、もとが、きらきら星人なので、妙にきらびやかな集団になってしまっている。
6人でもゆったり乗れる、すごく大きな馬車が用意されていた。
「では、奥に座られる方から乗っていただきたいのですが、どのような並びで座られますか?」
と、ジリムさん。
そうか、3人対3人で、向かい合うようにすわる座席になってるものね。
が、ここは、せっかくなので、
「イーリンさんの隣に座りたい!」
と、私がまず言った。
ランディ王子が、負けじと意見を言う。
「俺は、ユーリさんの隣に座る。弟子だからな」
そのユーリは、
「アデルの隣じゃないと座らない」
…なんだ、それは?
「じゅあ、ぼくは、アディーの真ん前がいいな。顔がよく見えるからね」
と、微笑みながら言う、デュラン王子。
すごいな、みんな、自分の意見を言いたい放題だ。
ジリムさんの眉間のしわが深くなる。
座る並びを考えてるのね…。
「…では、皆さんの好き勝手な意見を、まとめさせていただきました。有無は言わせません。私が言う通りに座ってください」
と、ジリムさん。
「まずは、進行方向にむかって座る席には、奥から、次期公爵様、アデル王女様、そして、イーリン様。向かい側の席には、奥から、ランディ王子、デュラン王子、そして私です。
…ランディ王子、次期公爵様の隣はとれませんので、向かい側でがまんしてください」
と、言い放った。
なるほど…。それぞれの希望を取り入れてるよね。
ジリムさんの差配によって、事なきをえた席順で、馬車は無事出発。
ゆったり座れるスペースはあるのだけれど、濃いメンバーすぎて、圧がすごい…。
でも、前世の遠足を思い出して、わくわくしてきた。
そして、遠足と言えば、お菓子だよね。持ってきたらよかったな。
ちょうど、ブックマークしてくださった方が100人になりました。読んでくださっている方、本当にありがとうございます!!




