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天使かと思ったら魔王でした。怖すぎるので、婚約解消がんばります!  作者: 水無月 あん


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心にしみる

ランチの続きです。

泣いたら、更におなかがすいてしまった。

もう、恥ずかしいところは見せてしまったので、開き直って、無言で食べまくる私!


前世ぶりの巻きずしは、からっぽの胃袋にどんどんすいこまれ、一緒に、懐かしさで心も満たされていく。


はー、満足、満足!


と、顔をあげると、私を見つめるデュラン王子、ジリムさん、ユーリ。


ええ! 皆、見てたの?!  


「いい食べっぷりに、ほれぼれしてた。我が国に伝わる料理をそんなに気に入ってもらえて嬉しいよ」

と、デュラン王子がほほえむと、ジリムさんも隣でうなずいている。


到着したばかりで、泣き、そして、食べまくる王女って、一体…。

ほんと、恥ずかしくて顔が熱くなる。


でも、

「本当においしかった。また、食べたいなあ」

と、思わずつぶやくと、


「ずっと、この国に住めばいいよ。いくらでも食べれるよ」


確かに、それは嬉しい。巻きずし、大好きだったものね!

食が合うところに住めるのは、幸せよね!


と、気持ちがひかれはじめたところに、

「アデル。そんなに、この料理が気に入ったんなら、この店を買い取る? そうすれば、オパール国に店ごとつれて帰れるよ」

そう言うと、ユーリが華やかな笑みをみせた。


店ごと連れて帰る? 文としてすごく変なんだけど…。


…じゃなくて、それ以前に、買い取るって、まずいわよね? 

この国の郷土料理で、しかも一番の老舗なんだよ?! まず、無理でしょ?


私の表情から気持ちを読み取ったのか、

「やろうと思えば、いくらでも手段はあるよ? アデル、欲しい?」

と、ユーリから、魔王らしさ全開のお言葉が。


私は、首を横にぶんぶんとふる。

いりません! やめてください!


国同士の友好どころか、いきなりけんかふっかけるみたいな感じになるからね?

もう、ユーリならやりかねないんだよね。私が断固とめるしかない。


あわてて、

「ほんと、すみません。ユーリが変なこと言って…」

と、魔王発言を謝る。


すると、ジリムさんは、首をよこにふり、

「おかまいなく。そういう感じ、慣れてますから」

と言って、隣をじとっと見た。


ああ、なるほど…。そうですよね…。そちらにもいますもんね…。大変ですよね…。


が、そんな視線をものともせず、デュラン王子が、

「そういえば、アデル王女は、甘いものが好きだったよね?」

と、にこやかに聞いてきた。


「はい! 大好きです!」


「じゃあ、今からでるデザートも期待してて! これも、うちの国ならではの伝統菓子だから、食べたことがないと思う」

と、お菓子にまけない甘い笑顔をむけてきた。


それは、嬉しい!! 思わず、満面の笑みでうなずいてしまう。

 

と、そこへ、デザートがやってきました!!


目の前に並べられたお菓子は、黒々として、四角い形。

前世の和菓子みたいな印象だ。


早速、一口食べてみる。


うっ…、なんてこと! またもや、懐かしい味がひろがった。


今度はあらかじめ、すみやかに、みなさんに予告をしておく。


「これまた懐かしすぎて、また泣くかも…」

と言い終わらないうちに、私の目からは滂沱の涙が流れ始めた。


「「「え、また?」」」

みたいな声がはもっているが、こればっかりは、仕方がないわ。


だって、これ、前世の羊羹なんだもん!

しかも、これまた、おばあちゃんの家でよく食べていた、手作り羊羹にそっくりの味なんだもん!

あずきのつぶつぶ感。そして、このめちゃくちゃ甘い感じもそっくり。


もう、泣かずにいられるか、だ…。

転生して、また食べられるなんて…。懐かしすぎて、心にしみるわ…。


やっと、ランチが終わりました…。色々読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださっているかた、ありがとうございます。そして、ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります。本当にありがとうございます!

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