ミノタウロスは何処( 'ω')?4
「森、です。
私の名前は、森華灯といいます」
自衛隊の詰所となっている、ダンジョン前に設けられたベースキャンプ。
そこで、話を聞くこととなった。
陽祐の母が念の為に、と持たせてくれた着替えが役に立った。
「あの、助けていただき本当にありがとうございました」
冒険者として選ばれたからか、彼女は自分が死んだことに対してあまりショックを受けていないように見えた。
陽祐達がこの場に立ち会えたのは、華灯の懇願によるものだ。
彼女の話によると、一週間ほど前に別のダンジョンにてチュートリアルをクリアし、冒険者として活動を始めたらしい。
先日、配信クエストも終了したとのことだ。
現在は【売店】クエストを進行中で、さっそく探しにきたらしい。
ちなみに配信は生配信ではなく、予め撮影したものを編集して流すものだったとか。
視聴者数、同接数は一桁台だったとか。
そんなある意味当たり障りのない話から、本題へ入る。
「配信クエストの時に、ガチャを回して色々なアイテムを手に入れました。
中には貴重なものもあって、その時の様子を見られていたみたいなんです。
帰る時に、なんていうか視線を感じたんです。
でも、その時は気のせいだとおもったんです。
けど、今日も家から出るとずっと視線を感じていました。
ストーカーかな、と一瞬考えました。
でも、まさか私が、って考えて気にしなかったんです。
そしたら、ここのダンジョンに向かってる途中で攻撃されて」
最初は足を吹っ飛ばされたらしい。
それから、嬲り殺されたとか。
彼女を爆破し、小さくなっていく様をみて犯人たちは無邪気に笑っていたらしい。
淡々と、華灯は語る。
「意識がブツって切れたあと、気づいたら皆さんに囲まれてました。
まるで嫌な夢を見た後のようでしかなく、怖かったって感覚はあるのに。
自分のことなのに、他人事みたいに感じてるんです」
それで、全てだった。
あとは自衛隊と警察が連携して捜査を進めることとなった。
しかし、襲撃をしてきた連中はフルアーマー姿で顔も兜で覆われていてわからなかったという。
エリーも、顔を確認する間もなく別の仲間が現れて転移したと言っていた。
この現れた仲間も、顔がわからないよう狐の面をつけていたということだ。
本当にこういうことは増えているらしく、被害届が準備されていた。
華灯はその場で被害届を書いて提出した。
ここで、発見者としての陽祐の役目も終わる予定だった。
しかし、
「あ、あの!
水筒さん、ですよね??
世界最速攻略者で最強冒険者の??」
「違います」
少なくとも自認も自称もしていない。
「え、で、でも、みんなそう言ってますよ??」
みんなって誰だよ、というツッコミは飲み込む。
華灯は続けた。
「最強冒険者さんはやっぱり違うなぁ。
あ、じゃなくて、助けてくれて本当にありがとうございました!!
それで、その、お願いがありまして」
「?」
「不躾なお願いだとは重々承知しているんですが、お願いします。
私を水筒さんの仲間に加えてもらえませんか??」
だから、【水筒】は自分の名前じゃない、というツッコミが出そうになった。
けれど続いた【仲間になりたい】という申し出によって飲み込む形となってしまった。
「え、なんで??」
はやくミノタウロス探しに行ってくれないかな、こいつら( ̄▽ ̄;)




