04 ※最終話
レイラが屋敷に帰ると、リリィがやってきて言った。
「お嬢様、実は私に結婚の話が入っておりまして、もうすぐここを離れなければなりません」
と。レイラは焦った。だがレイラは、リリィの秘密を知っていた為に反対出来なかった。リリィは実は、人間性を磨く為に研修に来ていた、貴族の令嬢だったのだ。
そしてレイラは人生で一番落ち込んだ。これからどうすればいいのだろう、と。
そして時を同じくして、兄にも結婚の話が来ていた。相手の令嬢は何と、リリィであった。レイラはそのことを数日後に聞き、驚きを隠せなかった。
だがこの結婚には、とある陰謀があった。それはリリィ側の家が兄とリリィを結婚させることでスプリングフィールド家を乗っ取ろうとしていたのだ。だが父も母も、何より兄もそれを既に察知していて、ましてやリリィはそのことを一切知らなかった。兄とリリィは結婚し、リリィはレイラの侍女からレイラの義姉となったのだ。これには家中がお祝いムードに包まれた。
その後、レイラの結婚をどうするかという話になったのだが、兄が「当主は俺が継ぐんだ。レイラは結婚しなくていいじゃ無いか。元々他家との繋がりなんていらないだろう?家族を守れないような家に待っているのは、滅亡なんだよ」と宣言した為、レイラは結婚しなかった。レイラは兄が当主を継いだタイミングで家の事業を手伝うようになり、今では敏腕補佐として活躍している。
ちなみにリリィの生家だが、計画がバレており証拠も揃っていた他、国王自らが自身の子を利用し他家を乗っ取ろうとした罪は大きいとして、リリィの生家は取り潰しになった。国王は愛妻家であり息子を特に可愛がっていた為、息子・娘を政略的に利用しようとする貴族が許せなかったのだ。このことは、兄の発言と合致していた為、兄の正当性が確認される事件となった。
そして数年後、相変わらず男性恐怖症のレイラは、義姉となり以前より距離が近くなったリリィにべったりで、兄はちょっとリリィに嫉妬しているが、時折り見せるリリィとレイラの笑みが嬉しく、その嫉妬もどこかへ消えてしまうらしい。
<完>
文章へったくそですが、完結させました。ここまで読んで下さった方、是非評価をお願いします!