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第七十九話 対魔族②

【クロエ・エルシー・イミル】side


「放出魔力量が2000万って聞いたからリンネを想像したんだが、思ったよりも強くないんだな。これなら何とかなりそうだぞ!」


「エルシーさん、油断はダメっすよ。確かに魔法が使えないっすから2000万あってもエルシーさんと同等っすが、それでも私やイミルちゃんだと勝てない相手っす。エルシーさんがやられればここは全滅っすよ」


クロエやイミルも究極級魔法師だ。

三級魔族とはいえ、傷を負わせる程度なら可能だ。

しかし、致命傷を与えるとなると、どうしても火力不足が否めない。

だからこそ、エルシーがとどめをささないといけない状況で、エルシーの敗北はイコール全滅に繋がるのだ。


「大丈夫だぞクロエ団長!目の前にママがいると思って戦うから、油断なんてしないさ!」


「そろそろいいかい、人間にドラゴン。お前たち如きが私たち魔族に勝てると思わないでね」


そんな事を言っていると、クロエの通信用魔法具にリンネから通信が入った。


≪クロエ聞こえるか、リンネだ。俺の所に魔族が10体来たから倒しておいたぞ。エルシーなら問題ないだろうから、俺はリフレの所に行くぞ。エルシーの事は頼んだぞクロエ≫


≪さすがリンネ君っすね。了解っす。こっちもきっちり倒して、終わったらリフレさんの所に行くっすよ≫


≪ああ。じゃあ先に行くからな≫


クロエはリンネとの通信を終えるとエルシーに声を掛ける。


「エルシーさん、リンネ君が10体の魔族を倒したそうっす。それでリンネ君はそのままリフレさんの方に行くそうっすから、私たちもそいつを倒してリフレさんの所に行くっすよ」


「さすがだなリンネは。了解だクロエ団長、最初から全力で行くから、フォローは任せたぞ!」


次の瞬間、エルシーの周りには20本の血の剣が出現した。

その内二本を手で取り、残りの18本は血液操作ブラッドオペレーションで操作する。


「人間如きが私たち魔族を倒した?しかも10体も?嘘もそこまで大きく言うと笑えないわよ」


「リンネが倒したって言うんだから、それは本当だぞ。それに、今からお前も私が倒すしな!」


「久しぶりに人間の世界に来たと思ったら、ずいぶんと生意気に育ってるのね。虫けらみたいな弱小種族が強がって、虫唾が走るわ」


「強がりかどうかは、すぐに分かるさ!行くぞ!」


言うと同時に、エルシーは全力の移動を開始した。

エルシーは一瞬にして三級魔族、ザリアの背面へ移動する。


「へえ、思ってたより早いのね」


しかし、ザリアにはエルシーの動きが見えていたようで、背面に来たエルシーに向け蹴りを放つ。

エルシーは動きを捕らえられたことは予想外ではあったが、エルシーもまたザリアの動きに反応し、その蹴りを手に持つ剣で弾く。

そして、一旦距離を取るように後ろに下がると、その瞬間を見計らいイミルが魔法を唱える。


無感世界ノンセンス


闇の究極級魔法で、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚・痛覚の六つの感覚を奪う魔法だ。

この魔法をくらってしまうと、その全ての感覚が奪われ、まともに立っている事さえ出来なくなる。


「エルシーさん、感覚は全部奪ったので、今のうちに倒しちゃってください」


「ああ!助かるぜイミル!」


エルシーは一旦取った距離を一瞬で詰め、その手に持つ剣でザリアの首を落とした。

ザリアとしては、急に全ての感覚が奪われ、痛みも感じない内に首を落とされていた。

本人としては、死んだことすら認識することが出来ない状況だ。


「さすがっすねエルシーさん。それにイミルちゃんもホントに強くなったっすね。今の魔法、自分に向けられたらと想像するとゾッとするっすよ」


「たしかにな。全ての感覚が奪われると何も出来なくなるからな」


「そんな、エルシーさんのおかげですよ。無感世界ノンセンスは相手にかけるのが難しいんですよ。少しでも移動されると当たらないので、今回は魔族がエルシーさんに集中していてくれたおかげです」


「それでも凄いっすよ。さあ、ここの魔族も倒したので、私たちもリフレさんの所に行くっすよ」




【リフレ・シャロン・シオン】side


「ねえねえ、ホントに貴女は何なの?すでに数十回と首を刎ねているのに、何で死なないの?人間でしょ?人間にそんな回復力はないでしょ?貴女はモノノ怪か何かなの?」


「失礼ですね、人をお化けみたいに言って。私は正確に言えば人間ではなくハイエルフですよ。何で死なないのかは、わざわざ敵の貴女に教える必要もないですよ」


「それもそうね。それにしてもハイエルフって事はユグドラシルの住人かしら?まあ、ユグドラシルの一族は始末したし、別にここに執着する必要もないのだけどね」


「ユグドラシルの一族を始末?詳しく教えてくれますか?私もそのユグドラシルの一族ですよ」


「っち!グリランダの奴、始末したって言ってたのに出来てないじゃない。まあ良いわ、生き残りがいるなら始末すれば良いだけだしね」


「話が通じない人ですね」


「ええ、私は魔族だからね。どんな方法で死なないのかは知らないけど、それなら死ぬまで殺し続けてあげるね」


「ダメね、本当に話を聞いてくれませんね。じゃあ仕方がないですね」


樹柱ツリエント


リフレが唱えると、魔族の足元から突然大樹が現れた。

そして一瞬で魔族を飲み込み顔意外が全て大樹に取り込まれてしまった。


「なに!?貴女いったい何をしたの!?っぐ!全く動けない!」


「ただの拘束魔法ですよ。これで動けないと思いますけど、さてとユグドラシルの一族を狙う理由でも教えてもらえますかね。あっ忘れてました」


死者蘇生リライフ×2』


シャロンとシオンは魔族によって首を刎ねられ死んでいた。

生き返ったところで現状の力では対抗も出来ない為、蘇生せずにいた。

現在は魔族の拘束も完了したので、二人を生き返らせる。


「すごいのおぬし、魔族を殺さずに拘束など、普通出来る事ではないぞ」


「私は一旦、何回殺されたの?やっぱり、この究極魔法師団は化け物揃いよ」


「私は戦闘向きでは無いですけど、回復と拘束は得意ですよ。それに、私も今の戦闘で99回ほど死んでますし、シオンさんも十分強いですよ」



こうして、それぞれの戦闘も終わり、11体の魔族の討伐と1体の魔族の拘束という形で終わった。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

もし楽しんで頂けたなら幸いです。

ブックマークや評価をしてもらえるとモチベーションがあがりますので、もし良ければおねがいします。

なるべく毎日更新はしていきますので、良ければ今後も読んで頂けると嬉しいです。

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