第五十一話 女王様謁見
「着きました姫様」
「ありがとうメイ。ではリンネ殿にリフレ殿。これから母上に会って貰うぞ」
メイが扉を開けると、そこには非常に美しく、非常に若い女性が座っていた。
年齢は見た感じ二十歳程度に見えるが、ルナの話であれば五百歳だったとしてもおかしくないんだろう。
そんな綺麗な女性がこちらを向いて
「君たちが異常な魔力の持ち主ね。えっと、リンネ君にリフレさんだったかな?私はシルフ・ツー・ハイエノール。ハイエノール国の女王よ」
「リンネ・アルフィードだ」
「リフレ・ウォーランドです」
「さて、早速なんだけど、君たちの目的は何かしら?」
「目的と言ってもな、森の調査以外は特にないからな」
「そうですね。強いて言うならリンネさんとの旅を楽しむ事ぐらいですかね」
「そうですか。ルナ、二人の言葉は本当?」
「はい、母上。リンネ殿とリフレ殿の言葉には、嘘偽りはありません」
「そうですか。ルナが言うなら大丈夫ですね。ところで二人は随分と魔力が多そうだけど。特にリンネ君に関しては底が見えないわ。ねえ、リンネ君はどれだけの魔力をもってるのかしら?」
「魔力に関しては無限だから、どれだけど言われてもな」
「無限?そんな魔力量、聞いた事ないけど?確かめて見てもいいかしら?」
「確かめるって、測定機でも使うのか?」
「測定機?何かしらそれ?えっと、私の鑑定眼で見させて貰うだけよ。私の目で見ると、名前から年齢、それに魔力や種族といった、あらゆる情報が分かるの。でもほら、何でも分かっちゃうから、事前に使っていいかの確認をしているの。それで、リンネ君もリフレさんも鑑定してみたいんだけど、良いかしら?」
「俺は別に構わないぞ」
「私も全然大丈夫ですよ」
「ありがとうね、二人とも。じゃあ、まずはリンネ君からね」
「鑑定眼」
「あらホント、魔力は無限だし、魔力付与値が1000万て、ホントに人間?でもちゃんと普通の人間ね。じゃあ、次はリフレさんね」
「鑑定眼」
「あらあら、リフレさんも保有魔力が1000万もあるのね。それに木属性の付与値も8000なんて、長く生きていますけど初めてですわ」
「保有魔力が1000万まで増えてたのか?」
「はいリンネさん。リンネさんの練習法で頑張ってたら、どんどん魔力が増えたんですよ」
「ん?どういう事かしら?」
「どうしたんだ、シルフ?」
「リンネ殿、母上はハイエノール国の女王なので、わらわのように名前で呼ぶのは…」
「あら、構わないわよルナ。リンネ君はこの国に所属もしていないしね。それに、名前で呼ばれるなんて数百年ぶりでドキっとしちゃったから、そのままで良いわ」
「ドキっとって…。母上がそう言うのであれば構いませんが」
「じゃあ続きだな、どうしたんだシルフ?」
「私の鑑定眼は基本的にはその人物に関する情報は何でも見えるんだけど、リフレさんの情報で二つ見えない所があるのよね」
「そうなのですか?私の何が見えないのでしょうか?」
「そうねえ。まず一つ目は使用出来る属性ね。火水木土雷光までは見えるのですが、もう一つ???属性ってなってるのよね。しかもその属性の付与値が木と一緒で8000なのよね」
「私には何か特殊な力があるのですかね?」
「そうね。でも私でもわからないので、現状だと調べる術がないのよね。でも、おそらくはもう一つが関係してると思うのよね。それがリフレさんの種族。見る限りではリフレさんの種族も???族になってて見えないのよね」
「ん?ちょっと待て。じゃあ何だ、リフレは人間じゃないって事か?」
「鑑定の結果を見るとそうですね。でも種族不明なんて今まで無かったので、その原因もリフレさんの本当の種族もわからないのよね。何かしらの封印魔法が施されている可能性もあるから、ちょっと全身を調べたいけど、リンネ君は少し部屋を出ておいてくれるかな?」
「俺がいると調べれないのか?」
「リフレさんが良いなら構いませんが、一応全身を確認していくので、服は全て脱いでもらう事になりますね」
「わかった、すぐに出ていくから、終わったら教えてくれ」
「あら、私はリンネさんなら見られても平気ですよ。なので、そのままいてもらっても大丈夫ですよ」
「バカな事言ってないで、終わったら声を掛けてくれ」
「うふふ、冗談ですよリンネさん。じゃあ、終わったら声を掛けますね」
俺が部屋を出ると、部屋の中では
「あらリフレさん、ずいぶんと立派な物を持ってるのね。私もそれなりに身体には自信があったのだけど、リフレさんの身体には負けるわ」
「女王さんも透き通るように美しい肌に、そのスタイル。出るとこは出てますしウエストも細いですし。私も女王さんみたいなくびれが欲しいですよ」
「ありがとうリフレさん。それじゃあ少し全身を調べていくわね」
「超風波」
シルフは服を全て脱いだリフレの肌に人差し指で触れながら全身を這わせていた。
超風波は指先から出る微弱な風を使って、体の表面から内部までを調べる事が出来る。
表面も視認出来ない封印魔法や、内部の状態確認も出来る便利な魔法だ。
「あるわね、封印魔法。ずいぶん強固にかけられてるけど、封印は解いても問題ないかしらリフレさん?」
「そうですね、リンネさんと相談させてもらっても良いですか?あと、その超風波をリンネさんに教えてもらってもいいですか?リンネさんが覚えれば、リンネさんも私の封印魔法を確認出来ますよね?」
「そうね、たしかに鑑定した内容を見れば、リンネ君は風魔法も一つは覚えれるでしょうね。良いですよ、この後リンネ君には超風波を教えますね。それと封印を解くと言っても私には出来ないので、第一皇女にお願いすることになるわ。第一皇女は今出かけてて、数日以内には帰ってくるから、それまでにリンネ君と話をして決めてくれれば良いわ」
「わかりました女王さん」
「じゃあルナ、リフレさんが服を着たらリンネ君を部屋に通してね」
「はい、母上」
そこから少ししてリフレが服を着終わると、ルナが部屋の外にいた俺を呼び入れた。
「終わったかリフレ?」
「ええリンネさん。どうやら私には封印魔法がかけられてるみたいです。それでその封印を解けるのが第一皇女さんらしいのですが不在みたいで、すぐにとはいかないみたいです。それと、リンネさんは私の封印を解いた方がいいと思います?」
「解けば良いんじゃないか?封印を解いたからって何か変わるわけでも無いだろうに」
「えっと、私が人間じゃない何かにかわるんですよ?気になりません?」
「リフレはリフレだろ?種族が違うからって、何を気にするんだ?」
「そうですね、リフレさんってそうですよね。はい私は封印を解きますね。でもその時は私も少し不安なので、リンネさんは私の手を握っておいてくださいね」
「まあ、それぐらいなら構わんぞ」
「うふふ、ありがとうございます」
リフレは慈愛に満ちた、とてもやさしい顔で微笑んでいた。
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