表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

帝国軍の侵攻

 王都に戻って来た。もう変装などすることがない。堂々と街中を歩けるのだ。


「やりましたね」

「皆んなのお陰だ、ありがとう」

「なに言ってるのさ、ウィルの実力だよ」


「そうです。私達こそ感謝しているのです」


「なに照れてるのよ」

「そういじめるなよ、フレア」

「フフ」


「そうは言ってもやる事は山程ありますね」

「その通りです」


「ウィル様、アナサマからお手紙が届きました」

「そうか、何かあったのかな?…………」


「どうしたのウィル?」


「何だって?」

「ガレキーニがアナサマに来たそうだ」


「……そうですか」

「お姉様」


「後でお父様に報告にいきましょう」

「はい」


なんか感慨深い物があるな。



「よし、これで後はバレタ公爵を失脚させれば、大きく情勢は動き出すだろう」


「そうですね」


「何か考えが有るの?ウィル」


「いや、まだこれと言って考えは無いよ。暫くはバレタ公爵の身辺調査ってところかな」



ーー


ガラザス王国へ兵士を送り出す事が決まった為、リベレルのポーションを納める事になり、城へタクトと共に向かう。


爵命式の時、とは言っても国王も居なければ他の貴族も居ない。下っ端の文官から書状をもらっただけなのだが、それ以来初の登城になる。


驚いた事に総指揮はバレタ公爵が取るそうだ。あれでも昔は数々の武勲を立てた、立派な騎士だったそうだ。それで当時の国王に認められ公爵になったらしい。とても信じられない、裏が有りそうな気がしてならない。


「その方か、リベレルのポーションで爵位を買った男と言うのは」


「はい、ウィルと申します。宜しくお願い致します」


「ふっ、解った、解った。早くポーションを置いていくがよい」


犬を追いはらう様に指だけを上下に動かしソッポを向く。


「嫌な奴だったな」

「全くだ。今にみていろ」



「ウィル男爵殿ではないか?今日は何しに来たのだ」


ガレキーニの息子ハイザだ。嫌な奴に会ってしまった。


「ポーションを納めに参りました」


「おやおや、男爵ではなく御用聞きの方がお似合いだな。まっ、せいぜい頑張れよ、男爵殿」



「今日は厄日だな」

「ああ、本当にそうだ」




「やっと見つけた、待ちなさい」


城を出て暫くして後ろから声をかけられる。やれやれ、今度は誰だ?振り返ると、そこにいたのはリリアさんだった。


あいた、また厄介な娘に会ってしまった。久しぶりに顔を見る事が出来て嬉しくもあるけどね。


「証人を見つけたから会ってくださいね」


どうするか、何とか上手く誤魔化さないと。


「解ったよ。ハッキリさせよう。俺の家に来てくれ」


場所を教えて屋敷に急ぐ。


「解ったわ、後で行きます」



「ウィル、どうする気だ?」

「サユリカにお願いしようと思う」

「あっ、成る程」



ーー


「お帰りなさい。ウィル様」


「ただいま。ちょうど良かった、サユリカにお願いがあるんだ」


「何ですか?」

「実はね……」




「ウィル、リリアさんが来たわよ」

「分かった、今行く」



「驚いた。こんな大きなお屋敷に住んでいるのね」

「ええ、まあ。どうぞこちらに」


サユリカに証人の精神操作をしてもらう事になっている。大丈夫だと思うが。


確かにあの時にリリアさん達を運んでと、お願いした冒険者の人だ。サユリカ、頼むぞ。


「さあ、パークさん、彼をよく見て。この人ですよね?」


「ん~、似てるが違うな」


「そ、そんな。私がいった特徴とピッタリって言ったじゃない」


「そうは言っても違うんだから仕方ないだろ」


「リリアさん、これで解ってくれました?」


「……くっ。私、諦めませんから、他の人を探して来ます」


ごめん、リリアさん。




「色男は辛いわね」

「フレア、言い過ぎですよ」


「そうね、ウィルごめん」


「ウィルの気持ちは解りますが、正直に言った方が良いかもしれませんよ」


「そうですね。考えてみます」


ーーーー




帝国とガラザス・アルバウア・キースロイ王国の連合軍との開戦は俺がポーションを城に持っていってから1か月後だった。


大方の予想どおり帝国軍は強かった。対、帝国用に兼ねてから要塞を築いていたのだが、1週間後には国境近くの街の2つを落とされてしまった。


「こうも簡単にバナロンの要塞が落とされてしまうとは……」


「魔法の威力が違うのです。あのような物だとは想定していませんでした」


「何か方法を考えねば。宜しい、この私が本国に帰り策を検討してこよう」


「しかし今、バレタ公の軍が戻られては全体の士気が下がってしまいます」


「なに、心配はいらん。戻るのは私だけだ、兵もポーションも置いていく。ペナット子爵も優秀ゆえ安心なされよ」


こんな戦に付き合っては居られん。早々に戻って身の振り方を考えねば。



☆☆



「ウィル様、サラン公爵の使いの方がいらっしゃっていますよ」


「何だろう?」


使いの執事さんに連れられて、サラン公爵の屋敷に行くとバナー伯爵とレント子爵もいた。2人とも反ガレキーニ派の人達だ。


「実はな、ウィル君にも話を聞いて欲しくて来てもらったのだ」


「はい、何でしょう」


「バレタ公爵が体調不良を理由に先日戻って来た」

「えっ、全軍戻って来たのですか?」


「いや、彼だけだ」


呆れた人だな。この非常時に。大体、体調不良などリベレルのポーションを飲めば一発で治るだろうよ。


「バレタ公爵が戻って来る前にも、従魔による戦況が次々と入って来たのだが、ガラザスの王都の手前の街に帝国軍が到着したとの報告もあった」


「ガラザスの陥落は、ほぼ確定したと言うことですか?」


「そうなるな」


「バレタ公爵にお咎めは無いのですか?」

「残念だが」


なんか弱味でも握られているのか?あのバカ国王の奴。


「そこで我ら3人で王都ビルコンに行こうと思うのだが君も来るかね?」


帝国軍を相手にか……何か策でも有るのかな?ここで手柄を立てれば一気に駆け上がれるのは間違いない、絶好の機会ではある。


「解りました、お供致します」



ーーーー


「それで行くことにしたのですね」


「サラン公爵が無策で帝国と一戦交えるとも思えないんでね。上手くすればアリス様達も復帰する事が出来るのではないですか」


「そうですが……」

「お姉様、やりましょう」

「解りました」


「私達だけでも帝国なんてイチコロですよ」

「フレアもお気楽だな」

「だって本当の事でしょ?」


「まあね」


ガラザスとの国境で迎え撃つ方が良いとの意見も出たが、なぜかバレタ公爵がサラン公爵に味方をしたことにより、正式に俺達の出陣が決定した。


バレタ公爵の奴は、この機会に邪魔者を一掃しようと言う腹なのだろうが、そうはいくか。後で吠え面をかくなよ。

いつも読んでくださりありがとう御座います。


面白いと感じられましたら、下段に有ります評価の☆星やブックマークを付けて貰えると嬉しいです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ