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ミカ
次に晃一の席に、やってきたのは黒髮の清楚な感じの女性だった。
「ミカです。宜しくね!」
晃一は、固まってしまった。ドストライクな、女性だったからだ。
ミカの目を、ジッと見ていた晃一。
二人の目が合い、ほんの数秒だった。ミカの目が、何かを訴えかけるように潤んだ気がした。
晃一は、目を反らしてしまった。そして言う。
「ミカさんも、何か仕事してるの?」
「ううん、私は、学生だよ。大学2年生。演劇部、入ってて、将来は劇団に入ろうと思ってるんだけどね」
「劇団か・・あの、なんかアマチュアの劇団って、食べていけないくらい給料も出ないって聞いたことがあるんだけど」
「うん、そうだよ、でも私は、やりたいから頑張るよ!」
そう言って笑うミカに、晃一は、ただただ見とれていた。
ほんの少しボーッとした晃一は、ミカに聞いた。
「俺は、東京のこと、あんまり知らなくてさ。ミカさんは、東京の何処が一番好き?」
そう言う晃一を、ミカはジッと見て、そして微笑んで言った。
「新宿」
「新宿!?」
晃一は、困惑していると、ミカは、言った。
「もう時間だから行かないと」
そう言って、席を立って去って行った。




