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17

 「いつもの時間にいつもの場所」とは、かつてリリーが毎朝アルフレッドのもとへ通っていた頃の約束で、「朝七時に秘密の隠れ家」を指す。悪魔召喚に必要な朝露を草木からコップいっぱい集めるため、早朝から呼びつけられていた。だが、実際にリリーが隠れ家へ到着するのは、いつも八時前後だった。当時、リリーは一人で起床することができず、アマリエ家で最も早起きな家令のジャックか侍女頭のミアに起こしてもらっていた。だから、二人が働き始める七時が、おのずとリリーの起床時刻だった。そこから身支度を整えて屋敷を出ると、どんなに早くとも、到着するのは七時半を回ってしまうのだ。


――めちゃくちゃ眠い。


 リリーは薄暗い中、目を細めて壁掛け時計を確認した。七時を少し回っている。完全な寝不足で身体が重い。昨夜、祝賀会から帰宅して、浅慮なことをしたな、と悶々として寝付けなかった。友人達に、あれこれ聞かれて「複雑な事情があるから、決着がついたら話すね」と説明したことも、もったいぶったみたいで、考えるほど恥ずかしくなった。それで結局、眠りにつけたのは深夜二時だった。自力で起床できたのは奇跡に近い。念のため、ミアに起こしてほしいと頼んでおいたが、手を煩わせずに済んだことだけは、良かった。

 はぁ、と息を吐くと、思ったより大きな音が出た。のっそり起き上がり、カーテンを開ける。朝日はもう屋敷の庭を明るく照らしている。しかし、気分は爽やかな朝とはほど遠い。リリーは、再び溜め息を吐いて、のろのろ身支度を始めた。

 顔を洗って、髪を梳かして、薄く化粧をする。クローゼットから取り出した淡いクリーム色のドレスに袖を通す。ドレスは、最近流行りの、コルセットのいらない楽な普段着だが、会う相手はアルフレッドだし、まぁ良いだろう。アマリエ伯爵家の娘として、最低限恥ずかしくない身だしなみにはなっている。

 リリーは、鏡で全身を確認すると、忘れないようにテーブルに用意していた献上品を手に取って部屋を出た。

 階段を下りていくと、ミアの姿が見えた。リリーが起きてくるかどうか気にしてくれていたらしい。


「おはようございます。リリーお嬢様」

「おはよう」

「お迎えの馬車が参りましたよ」

「え? 迎え?」


 予想外の言葉に、リリーは思わず聞き返した。


「はい。オーウェン公爵邸の馬車です」


 リリーは目を丸くした。昔、アルフレッドは毎朝迎えの馬車を手配してくれていたが、まさか今日も用意してくれるとは思っていなかった。むしろ、約束を守るかどうか疑っていた。昨日は、逃げているのか、拗ねているのか、とにかく意味不明で面倒臭い状態だったのに、悔い改めたのだろうか。


「朝食はどうなさいます? 少しお待ち頂きましょうか」


 拍子抜けしているリリーに、ミアが呑気なことを言う。お腹の空き具合は、普通くらい。話している途中で空腹になるのは嫌だな、と妙に冷静に考えてしまう。


「焼き菓子か何かある? 馬車で食べるわ」


 リリーが答えると、ミアは「畏まりました」と台所へ向かった。そう言えば、小さい頃はどんなに遅くなっても朝食をきっちり食べて出掛けていた。だから、ミアは聞いてくれたのか、とリリーは少し笑えた。遅刻しているのに、結構無茶苦茶やっていた。

 窓の外に目をやると、門扉の前に馬車が見えた。また、こんな風にあの小屋へ行く日がくるなんて不思議だな、とリリーはぼんやり思った。

 

 


 馬車はオーウェン公爵邸の敷地に入ると、本宅の前を通り過ぎ、そのまま西側へ向かった。やがて、木々の鬱蒼と生い茂る一角で止まる。リリーは、馬車を降りて御者に礼を告げると、慣れた足取りで雑木林の小道を歩き始めた。

 木漏れ日の揺れる道は、昔と変わっていなかった。私有地の奥にあるため人の気配はないが、庭師が定期的に手入れに入るから、道筋は綺麗に整えられている。小道の先には円形に切り開かれた空間が広がっていて、その中央に隠れ家が建っている。木造の簡素な造りで、山小屋を思わせる佇まいだ。ただ、記憶の中の隠れ家と比べると、随分と寂れてしまったように見える。アルフレッドは許可した者以外を中へ立ち入らせなかったから、王都へ移った後は、誰も手入れをしていないのかもしれない。

 リリーは小屋の傍まで歩み寄り、扉を叩いた。鈍い音が鳴るが反応はない。いてもいなくても返事が返ってこないことは重々承知しているため、そのまま扉を開けた。

 窓が閉じられ、光の入らない薄暗い室内に、ローズウッドの大きなテーブルセットが置かれている。埃っぽいが全て昔のままだ。アルフレッドはいなかった。


――自分で窓を開けて、換気なんかしないものね。


 かといって、こんな埃まみれの部屋で待っている男でもない。迎えまで寄越したのだから、約束を守る気はあるのだろうが、一体、何処にいるのか。

 心当たりは、嫌なくらいにあった。大体、リリーが遅刻してくると、アルフレッドは先に裏手の池へ行って朝露を集めながら、ザリガニを捕獲していた。


――ザリガニ好きだったからなぁ。


 黒魔術の生贄にする、などと言う割に、実際に捧げたことはなく、なんやかんや大事に飼育していた。屈折した子供だった。

 リリーが小屋を出て裏手へ回ると、木々の間から朝の陽光を受けて眩しく輝く水面が見えた。対岸まではさほど離れておらず、深さもない小さな池だ。そのほとりには茅葺きの四阿が建っている。四阿の中のベンチには、暗い金髪の男が背を向けて座っていた。


「おはようございます。いい天気ですね」


 リリーはおもむろに近づいて声を掛けた。朝の静かで澄んだ空気の中、遠くで鳥の囀りが聞こえている。だから、数歩後ろにいる人間の声が聞こえないわけなど絶対にないのに、アルフレッドは返事もしなければ、振り向く様子も一切なかった。昨日の面倒くさい状態は継続しているらしい。


「春っていいですよね。気候がいいし、過ごしやすいし。まぁ、わたしは、秋の方が好きですけど」


 リリーが独り言みたいに喋ると、


「……お前、遅刻してきて、よくそんな下らんことを、のうのうとしゃべれるな。どんな神経してるんだ」


 アルフレッドは前を向いたまま憎々しげに言った。


「天候と音楽の話以外するなって言うから」


 アルフレッドが黙り込む。自分の発言を思い出してくれたらしい。リリーは満足して、


「まぁ、いいですよ。はい、これ、献上品です」

 

 小さな手提げに入れて持参した香水を差し出した。けれど、やはりアルフレッドは一向に振り向かないので、リリーは仕方なく傍まで寄って、アルフレッドが腰掛けている長椅子の空いている場所へ置いた。それから、隣に座るのは胸糞悪いので、再び数歩後ろへ下がった。


「……アーサーにやったやつか」


 アルフレッドは手提げの中身を確認することもなく、池の方を見たまま言った。


「違いますよ」

「なんで違うんだ」


 いやいや、とリリーはちょっと笑ってしまった。同じ香水のはずがない。逆にお揃いの匂いが良かったのか聞きたい。


「グレイン子爵は、この匂いではないんで」

「グレイン子爵?」


 デジャヴだろうか。今結構重要なことを言ったのに。どうして、みんな、呼び方の方に反応するのか。


「アーサーのことですよ」

「そんなことはわかっている。お前、俺を馬鹿にしているのか」

「三日前に会いに行きました」


 リリーがさらっと言うと、アルフレッドが反射的に振り向く。会いに行ったことを知っているから、不機嫌なのかと思っていたが、違うらしい。


「会いに行った?」

「はい。だから、貴方に脅されることはもうありません」

「はぁ?」

 

 どういう意味の「はぁ?」なのか。脅している自覚がなかったわけでもないだろう。リリーは、じっとアルフレッドを観察した。けれど、アルフレッドは何か言いかけたのを止めて、また池の方へ身体を戻した。リリーは、黙ってその後ろ姿を見ていた。こっちから気を遣って話しかけてやる必要はない。根比べみたいな沈黙が続いたが、


「……何を話したんだ?」


 先にアルフレッドが口を開いた。いつになく覇気がなくぼそぼそした声だ。


「事実を話しましたよ」

「なんだそれ」

「秘密です」


 リリーが答えると、


「……お前は、薄情だものな。もういい」


 とぴしゃりと撥ねつけて、座ったまま足元の石を拾い始めた。もっとしつこく詰問されるかと予想していたのに意外だ。調子が狂うな、とリリーは思った。


「昨日から、薄情、薄情って繰り返してますけど、一体なんなんですか?」


 手にした小石の一つを、アルフレッドが池に投げ入れる。ぽちゃんと間抜けな音が鳴る。

 

「貴方が喋るなら、わたしも喋ります」


 リリーが言うと、アルフレッドは連続で二回小石を投げて、もったいつけるみたいに長い間を置いて


「お前………知っていたんだろ」


 と告げた。顔が見えないし声も小さいため、聞き取りにくい。昨日侯爵になった領主なのだし、可愛くもないから、いじけるのは止めてもらいたい。


「何をですか?」

「惚けるなよ」


 別に惚けていない。知っていることは色々あるから、下手に答えて藪蛇になりたくないだけだ。


「父上から……聞いていたんだろ」

「何をですか?」

「だから、惚けるなって」

「貴方にやり直すチャンスをあげて欲しいと頼まれたことですか?」


 リリーが答えると、アルフレッドは思いっきり舌打ちした。それで昨日から逃げまくっていたのか、とちょっと納得できた。同時に、オーウェン公爵がなぜアルフレッドにわざわざ伝えたのか、疑問に思った。だって、絶対に面倒臭いことになるし、実際なっている。そもそも息子の恋愛に口出しすぎでは? と思った。けれど、オーウェン公爵を責めるようなことは言いたくない。諸悪の根源はアルフレッド自身だ。なのでリリーは、


「オーウェン公爵から頼まれたから、貴方に会ってあげたんですよ」


 と父親を恨むのはお門違いだぞ、という思いを込めて返した。むしろ感謝すべきだ。しかも、一体どんな顔して会いに来るかと思えば、あんな態度だ。全部オーウェン公爵に免じて我慢してやったんだ。


「……お前、昔から、父上が好きだったものな」


 それはお前の横暴を一番厳しく叱責してくれる人だったからな、とリリーは返事するのも馬鹿らしくて、さっさと本題に入ることにした。


「謝罪してください」

「は?」

「わたしの頭殴って謝ってないですよね」


 アルフレッドは一瞬黙ったけれど、


「あれは……お前も悪いだろ」


 と囁くみたいに所在なげに言った。


「わたし、何一つ悪くありませんよね?」


 リリーは、いつになく語気を強めて言った。


「わたし、聞いたじゃないですか。アーサーと婚約していいかって。ちゃんと聞きましたよね? 貴方はいいって言いましたよね? だから、アーサーのところへ行ったんです。それの何が悪いんですか?」

「俺は……!」


 リリーの言葉に被せるみたいにアルフレッドが声を荒げた。アルフレッドは口汚く罵ることはあっても、こんな風に大声を上げることはない。リリーは、アルフレッドの次の言葉を息を殺して待った。


「……結婚なんてしても、そのうち別れる」

「は?」


 意味不明な発言にリリーから間抜けな声が出る。でも、アルフレッドは構わず更に続けた。


「家来はずっと、家来だろ……」


 何がどうしたらそうなるのか。結婚は神様に永遠の愛を誓うものだ。別れる場合もあるという話だ。なんで結婚より家来が格上扱いなのか。比べる対象でないだろうに、理解できない。


「……母上は、駆け落ちする途中に馬車の事故で死んだと聞いたんだ」


 謝罪しろと言っているのに、何の話をしているんだ、とリリーは思った。


「なんですか、それ。エマ様はそんな人じゃない」

「お前は、愚鈍だから知らないだろうが、当時、王都じゃ有名な話だった。実際に、馬車に同乗していたのはスカラ伯爵だった」


 アルフレッドがつらつら言うので、リリーは急激に怒りが湧いた。


「それ信じたんですか?」

「別に今も信じているわけじゃない。……だが、真実はもう誰にもわからん」


 今は信じてなくても、昔は信じたんじゃないか。今も疑っているんじゃないか。


「絶対に違います。エマ様は駆け落ちなんかしてない。だって、わたしにお土産買ってくるって約束してくれました。わたし、エマ様が亡くなったってお母様から知らされた時、そんなの嘘だって、クッキー買ってきてくれるって約束したから死んだりしてないって、泣いて言ったこと、はっきり覚えてます。エマ様が亡くなる前の日に、わたしに約束してくれたんですから!」


 冗談じゃない。馬鹿すぎて一周回って笑えるくらいに苛ついた。下世話な噂を蒔いた連中にも、それを信じたアルフレッドにも。


「……そうか。お前、そんな約束してたのか」

 

 そうだ。約束していた。エマ夫人は駆け落ちなどしていないし、事故に遭わなければちゃんと帰ってきた。結婚はいつか別れる前提じゃない。下らない噂を流す雑魚なんか信じず、初めからわたしに聞けば良かったのに、とリリーは思った。


「家来なら別れないと思ったんですか」

「あぁ」

「だから、あの時、殴ったんですか? 家来なのに、アーサーのところへ行くと言ったから?」

「……そうだ」


 無茶苦茶だ。そんなの知らない。それで殴ってよい理由にもならない。でも、アルフレッドの揺れるような小さな声を聞いていると、怒りの種がすうっと消えた。アルフレッドの弱気な姿は見たくない。昔から嫌なんだ。

 リリーはアルフレッドから視線を下げて自分の足元を見た。アルフレッドがさっきから無意味に小石を拾って投げているのに倣って、リリーも靴先で小石を掘り起こしてみたりした。


「……悪かったな、殴ったりして」


 アルフレッドが独り言みたいに言う。こんなタイミングで謝られても困る。だって、本当に謝ってほしいのはそんなことじゃない。だって、


「物凄く痛かったんですよ。あの時、痛くて、泣いて、めちゃくちゃ腹が立って……それから、ざまーみろって思いました」


 リリーが静かに言うと、アルフレッドがゆっくり振り向いた。


「婚約していい? って聞いた時、貴方、好きにしろ、つまらんことを聞くなって言ったじゃないですか。せっかく聞いてあげたのに、何だよって思いました。いつかわたしの価値に気づいて、うんと後悔すればいいって。だから、殴られた時も、わたしはもう家来じゃないんだ。ざまーみろって思いました」


 それでも、もし、アルフレッドが謝りに来たら許してあげようと思っていた。もしも、アルフレッドが頭を下げて全部謝ったら、自分もアーサーに謝罪して婚約を解消してもらおう。アルフレッドにもアーサーに謝らせよう。そう思っていた。アルフレッドは、来なかったけれど。

 アルフレッドと目が合う。笑ったような、拗ねたような、泣きたいみたいな曖昧な表情をしている。


「今もざまーみろって思ってます」

「……お前は、本当に薄情な奴だな」

「だって、わたし、アルフレッド様のこと好きだったから」


 リリーは溢れ落ちるように言った。アルフレッドの深い緑色の目が大きく開く。


「もう九年も昔の話ですけど。今は、あの頃とは違います」 


 だって、そうだろう。九年だ。同じであってよいはずがない。もう戻れない。無駄に生きてきたわけじゃない。家族がいて、アーサーが傍にいて、学校へ通って、メアリと出会って、笑ったり悩んだりしてきた。アルフレッドがいなくても。

 リリーは真っ直ぐアルフレッドを見つめた。アルフレッドは、そこだけ時間が止まったみたいに、動きもせず黙っている。でも、視線は逸さなかった。


「何か言うことあります?」


 痺れを切らしたリリーが尋ねると、


「俺は変わっていない」


 と不機嫌に答えた。


「知ってます」

「だろうな。お前、ずっと知っていて黙っていたんだものな。質悪いな」


 アルフレッドが心の底から忌々しげに言う。別に知りたくて知ったわけじゃない。文句があるなら自分の父親に言うべきだろうに。


「変わってください」

「嫌だね」


 アルフレッドは短く答えると、また後ろを向いて石を拾い始めた。なんだそれ。嫌だと言うなら、お前はもっと誠心誠意謝罪したり、縋ったりするべきだろう。胸糞悪すぎて、今何の話をしているのかわからなくなってくる。エリスは、あんなにお姫様みたいだったのに、この落差。期待するだけ無駄だ。だから、もうそれは諦める。


「貴方は王様にはなれないし、わたしもお姫様にはなれません。貴方の好きな公平です。だから、変わるしかないんです」

「そうか」


 アルフレッドが興味のない話の合槌みたいに答える。本当に屑でどうしようもない。他には誰も手に負えないから仕方ない。


「でも、まぁ、謝ったので許してあげますよ。それに、いいこと考えたんです」

「なんだそれ。意味不明だな。大体、お前のいいことはいいことであった試しがない」


 それはそのまま返したい台詞だ。この男とは相容れない。例えば天と地がひっくり返らない限り。だから、


「わたしが、王様になったらよいんじゃないですかね」

「……は?」


 アルフレッドが道端のゴミでも見るような目つきで、こっちを向いた。


「それで、貴方を家来にしてあげますよ」

「馬鹿か。もういい。お前のような薄情な女の家来になどなってたまるか」

「そうですね、では、跪いて愛を誓ってください。そしたら家来にしてあげます」


 アルフレッドは思いっきり舌打ちをして、親の仇のごとく睨みつけてくる。リリーも対抗するように眉を寄せた。そして、確かに自分は薄情な女かもしれない、と思った。


「あと十秒で時間切れですよ」


 なので、こんなことも平気で言う。

 アルフレッドは苦虫を噛み潰したような顔で、また池の方向に身体を戻した。何かの儀式みたいに、じゃらじゃらと拾った小石を手の中で遊ばせている。リリーは黙ってその後ろ姿を見ていた。薄情で質が悪いので、この条件は絶対に変えない、と思いながら。しばらくすると、アルフレッドが石を地面に戻して両手を払うと、唐突に立ち上がり振り向いた。朝の冷たい静けさが緊張感を煽る。目が合うと、アルフレッドは大きな溜め息を吐いた。信じられない。何処までも失礼な男だ。今は、愛の告白の場面じゃないのか。リリーは、本当に十秒数えてやろうかと思った。そうだ。こんな奴に同情の余地などない。


「いち、」


 リリーが数え始めると、アルフレッドがまたもや盛大な舌打ちをした。しかし、今度はリリーは笑った。アルフレッドが激しく睨みつけながら、近づいて来るから。そう、そのすぐ足元まで――





**


さて、その後二人がどうなったか。

冒頭の断り通り記載はしない。

約束を守って理由は述べる。

やはり、リリーは薄情な女ではないのである。筆者は、その慈悲深さに強く敬意を表したい。故に、彼女の頼みを聞こうと思う。

「世界一傲慢な()()のために、割愛して頂きたい」と。



 


王様の頼みを聞く話 了

これにて完結です。

途中、更新が滞り申し訳ありません。

最後までお付き合いくださりありがとうございます!


感想、ポイントなど頂けると嬉しいです!

よければ是非ください!


お読みいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
涙止まらなかったです。 毎回感動をありがとうございます。
完結ありがとうございます&おつかれさまでした。 ずっと待っていたのでとっても嬉しいです! これは正に『王様の頼みを聞く話』ですね(*'ω'*) 大好きで何回も読み直していましたが、思わずまた読み返した…
完結ありがとうございました。この話大好きで、何回も読み返してます。 こんなクズ男なのに、なんか可愛くて魅力的です。そのうち、この2人の後日談等あったら嬉しいです。
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