女性がテンパる姿は見ててかわいいと思(ry
「見たところ冒険者の様だけれども、仲間に魔術の使い手は居ないのかい? といっても確かに魔術師は市街に溢れているというわけでもないが」
練兵場の皆様には、少なくとも火を飛ばして来たりする人は居なかった。というか仲間以前に知り合いすら少ない現状では何と答えたものか。あいまいに笑ってごまかす。しかし、その言い方では魔導の方すら常人には難しいもののようだ。
「いや、根本的には魔導は誰にだって使えるものなんだよ? 君たち冒険者だって強化術とか言って原始的な魔導を使っているじゃないか」
すみません、自分それすら知らないんですよ。とはいえ誰でも使えるということは自分も使えるということだろうか? できるなら是非教えを請いたいというと、女性はニヤリと口元に笑みを浮かべた。
「ふふん? なら対価を貰えれば教えるとしよう? そうだなぁ……魔石をひとつかみ分、それでどうだい? 一つまみなんかじゃないぞ?」
あ、それくらいでいいなら今とってきますねとダッシュで部屋を出る。
「なんて冗談……あれ? え?」
「……ふぇ?」
ひとつかみと言われたので是非ひとつかみしてもらおうと、まるっと袋ごと持ってきた次第である。ささ先生、どうぞずいっとなどと袋を差し出してみれば、ポカンとした表情で固まってしまった。あ、これはやらかした系ですね。
「ば、ば、馬鹿者ぉぉぉ! こんな量をおいそれと人に見せたらダメだろ! 君には常識とか警戒心とかが欠如してる!」
すごいあたふたとし始めた。なるほど、面白いなこの人。常識に関してはもうしばらくお待ちくださいとしか言いようがないが。自分で言うのもなんだがしっかりと学べば常識的な行動の一つや二つくらい軽くこなせる自信がある。
「そういうところが常識がないって言ってるんだよもぉ! ……こほん、取り乱したね。ほんの意地悪な冗談のつもりがこういう返しをされるなんて思わなくてついね」
なるほど、どのあたりが冗談だったのかはなんとなくわかるが、しかし一般人が知らない知識を教えてもらうのに必要な対価と言えば実際結構な額になるのではないだろうか? と思えばあながち冗談ではないんじゃないかと思ったのだけれども。
「ああいや、さっきも言っただろう? 根本的には誰でも使えるって。じゃあなんで魔導士が溢れるほどいないかっていうのは、つまりちょっとした適性の問題でしかないんだよ」
適性?
「自身の持っている魔力の運用に関する才能、そもそもの魔力の量、適した属性、まあそういったもろもろだね。運用や量に関しては鍛えれば何とか出来るけど、質なんていうのはそうそう変わるものじゃないのさ」
なるほど、つまり土属性しか持っていない人は小指ほどの火も起こせないっていう事ですね?
「そういう事。それに加えて体系化した魔導なら効率よく現象を起こせるけど、あやふやな知識で適当に魔力を使ったところで大したことは出来ないんだよ。でもお勉強なんてみんな嫌いだろう?」
なるほどなぁ。




