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成功を収めるには、二つの方法がある。

成功を収めるには、二つの方法がある。

第一の方法は、法律であり、第二の方法は、力である。

第一の方法は、人間のものであり、第二の方法は、野獣そのものである。


しかも第一の方法だけでは、多くの場合充分ではないのが現実だから、第二の方法の助けを借りる方が有効であることも知っておく必要がある。


要するに君主は、人間的なものと野獣的なものを使い分ける能力を持っていなければならない、ということになる。


「君主論」



(西洋史の具体例)

①チェーザレ・ボルジア(イタリア、15–16世紀)

 マキアベリ氏本人が理想像として直接言及した人物である。

 野獣的側面(力)としては、ロマーニャ地方の反抗勢力を武力で徹底的に鎮圧し、反乱抑止のために残酷な処罰も辞さなかった。

 人間的側面(法・統治)としては、鎮圧後は秩序維持のため有能な行政官を配置し、民衆の不満を和らげる制度整備を行った。

「最初に暴力で秩序を確立 し、 その後に法で安定維持」であり、 法と力の使い分けの典型。

マキャベリは彼の「狡猾さと冷酷さ」を高く評価している。


②ルイ12世(フランス王)

 マキャベリが言及する失敗例として有名。

 イタリア支配で「法的正当性(同盟)」に頼り過ぎ、現地有力者排除や軍事支配が不十分だった。

  結果として、 支配が不安定で維持できなかった。

「法だけでは不十分、力が必要」という命題の反証例になる。


③ナポレオン

(マキアベリ後になるが、思想の実践例として典型)

力(野獣)は、軍事力でヨーロッパ支配を拡大し、法(人間)は、ナポレオン法典で国内秩序を制度化した。武力で権力獲得し、法制度で支配を固定化した。


(日本史の具体例)

①織田信長

 力(野獣)は、比叡山焼き討ちなどの徹底的軍事行動で敵対勢力を容赦なく排除した。

 法・制度(人間)では、楽市楽座で経済活性化し、商人保護で民衆の支持を獲得した。

 恐怖で敵を抑え、利益で民を引きつける。

「恐れられつつ憎まれない」典型である。

②豊臣秀吉

 武力で全国統一し、刀狩で一揆の鎮圧を行った。

 法・制度は、太閤検地で土地制度を整備し、身分制度を固定化した。

 これも、暴力的統一 の後、 制度化による安定を達成した。

③徳川家康

 力は、関ヶ原の戦いで決定的勝利。

 法は、武家諸法度・幕藩体制の整備を行い、長期安定(約260年)の基礎を作った。

 特徴としては、信長・秀吉よりも「法の比重」が大きい。

 ただし基盤は戦争による勝利である。


現実的には、酷い混乱期には法は実質的に機能しない。

正当性も曖昧になる。

「法が混乱を収束させる」のではなく、「混乱収束後に、秩序が安定を作り出す」のかもしれない。

現在の中東問題も、戦闘行為が収束しない限り、法の支配による安定が成立しない可能性が高い。


現在炎上中の家屋は、強制的に消火し、その後に後片付け、再建等行う、にも通じるかもしれない。

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