巨人族は見た目詐欺でした。
巨人大陸────そこには最強クラスの身体能力を持つ“巨人”が住むと言われている。
「巨人……か」
俺は黒い翼を畳んで着地した。
目の前には、普通の街が広がっていた。
そこにいた人たちは、人間と変わらなかった。
「あれ……?」
本当にここは巨人大陸か?
巨人なんてどこにもいないぞ。もしかして、間違えたか?
無邪気に追いかけっこして遊んでいる子たちだっている。
これが巨人なわけないよな。
その時、遊んでいた少女が俺にぶつかった。
まぁ、子どもの頃はそんなこともあるだろうな。
ダァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!
「あ、ごめんなさい」
あれ……俺は何で壁に叩きつけられたんだ?
俺はただ、あの小さな女の子とぶつかっただけだぞ……
「お兄さん、もしかして大陸の外から来たのかい?」
呆然としている俺に、一人の男が話しかけてきた。
「あぁ……そうだが」
「巨人でもないと吹っ飛ばされてしまうからな」
「え?」
これが巨人?いや、見た目は普通なのに……
『無宗様、巨人族というのは先祖が巨人だった種族なので〜す。今、体は小さくなってしまいましたが、力は大きかった頃と変わらない、見た目詐欺種族なんですよ〜?』
それ言ったら、妖精族もだいぶ詐欺だったけどな。
「しかし、今のでピンピンしているとは……やるじゃないか」
「あはは……ありがとう?」
というか、こんなことしてる場合じゃないな。
早く目的を達成しないと。
「そういえば、この大陸の大罪魔人はどこにいるかわかるか?」
男は少し驚いた顔をした。
「ま……まさか……アラゾニアか!?」
「あぁ……」
「まさか討伐でもする気か?悪いことはないからやめておけ」
「悪いが、俺の死後に大罪魔人がいられると困るんだ」
男は少し考え込んでから口を開いた。
「お前にも家族や大切な人がいるんじゃないのか?」
「だからこそだ」
俺の目を見て何かを感じ取ったのか、男は笑った。
「空に浮いてるバカでかい魔法陣を目指せ。そこにいる」
「ありがとな」
“飛翔”
「おい」
男は飛び立とうとした俺を呼び止めた。
「頑張れよ」
「あぁ……」
俺は飛び立った。
……あそこにアラゾニアがいるのか。
広がる森を抜けた先に、更地になった広い空間があるのが見えた。
「おい、そこの飛んでるやつ。何をしてるのだ、止まれ」
声がした方向を見ると小さな茶髪の少年が立っていた。
マジか。すぐ先に大罪魔人がいるんだぞ。
ここは優しく注意してあげないとな。
「おーい僕?この辺は危険だから、家に帰ろうね〜。お兄さんはこの先に用事があるから行くね」
その瞬間────少年は俺の頭上にいた。
「え?」
「お前……小生をナメてるな?」
「────いつの間に!?」
バゴォォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!!
俺は地面に叩き落とされた。
辺り一帯の地面はバキバキに砕け散っていた。
そうだった……巨人族の子どもは規格外なんだった。
しかもさっきの少女の比じゃないぞ。……どうなってんだ。
俺はスッと立ち上がり、服の汚れをはたいた。
「小生の攻撃を受けても平気とは……。特別だ、お前に“そこそこ強い男”の称号を与えるのだ」
少年は小さく笑った。
「あはは……急いでるんだけどな」
「小生との会話より大事なことなど存在しないのだ」
少年は仁王立ちで不敵な笑みを浮かべていた。
こいつは何なんだ。というか、巨人の子供でこれだったら、大人はどれだけ強いんだ。
『無宗様。彼の身体能力は巨人族のポテンシャルを超えています。というか、彼、1000年以上生きてるおじいさんですよ?』
嘘だろ……ショタジジイかよ。
「少ししか歳を重ねてないくせに、小生をガキ扱いするとは……敬意が足りないな。────罰が必要なのだ」
あー、めんどくさい。こいつに構ってる暇があったら、大罪魔人を討伐したいんだが。
「ごめんね、俺はこの先の魔人に用があるからさ」
「はぁ……」
少年は深くため息をついた。
「小生はお前の身を案じて止めてやってるのだ」
こいつ……心配してるのか?
「小生があの魔人を倒すまで待つのだ」
「君、本当に倒せるの?」
少年は驚いたように目を丸くした。
「お前……小生のことを知らないのか?」
「ごめん、わからないかな」
「ならば、教えてやるのだ」
少年は胸に手を当てて微笑んだ。
「小生は七聖剣、地護の勇者……チョコラーテ・クロパッド」
「────宇宙最強の男なのだ」
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