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太陽のうた
不思議な歌が聞こえた。
あなたは、窓から外の様子を窺う。
見えたものは祈りを捧げる人々。祈る相手は太陽ではなく――。
夕陽が語るはなんなりや それは悲しき死の報せ
月が語るはなんなりや それは嬉しき死の報せ
照る光はなんなりや それは嬉しき報せかや
世界を揺蕩う魂は 生を受け継ぐ小鳥たち
地に沈みし魂は 血潮を仰ぎて木霊する
早く濯ぎ給え 夕陽は急ぎ乞うている
罪を濯ぐ日 月は首を長く待ち給え
――それはカホの歌声だった。
カホはぴたりと歌をやめ、あなたを見上げたのだった。