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問題解決

お立ち寄りいただきありがとうございます。


 「いやあ美味かった。ごちそうさま。すごく元気が出たよ。」

「嬉しいな。先生にそう言っていただけて。」


 へイエスは茶も飲み干すと、

「さて、では何から話そうか。」

「はい、まず、先生に私の秘密をお話します。いいですか?」

「ああ、口外はしないが、聞いてもいいのか?」

「はい、それを話さないと話がよくわからないと思いますし、私、先生のことは信じてますから。」

「そうか。」

「実は私には特別な『おともだち』がいるんです。」

「うむ。それは王子に言えなかった想い人のようなものか?」

「いえいえ、全然違います。・・・実は、私は生まれた時に精霊王の加護を受けたそうで、今、2人のカカオとリープという精霊のおともだちがいるんです。魅了の魔石を探してきてくれたり、叔父の不正の証拠を探してきてくれたのはカカオとリープです。」

「おお、そうなのか。たしかにそれが他に知れると大変なことになるだろうな。」

「もうひとつ、別のお友達がいて、それは聖獣なんです。これも生まれてしばらくして精霊王が私を守るためにと送ってくれた子で、フェンリルのスノウって子がそれです。」

「それはすごいな。このことは王子にも言っていないのか?」

「誰にも言ってません。友達も知りません。知っているのは、今の時点で先生だけです。」

「それは責任重大だな。」

「父に、このことがわかると私はいつ攫われてもおかしくない。王家や高位貴族、更には他国からも狙われるだろう。絶対に口外するな、と言われました。」

「そんな大事なことを私に話してくれてよかったのか。」

「はい、先生は特別です。」

「そうか、ありがとう。」


 「いいえ、こちらこそありがとうございます。今まで私、父と母を亡くした時や辛い時に、エヴァたちのように心配してくれる友達はいました。エヴァたちのことはとても有り難いと思っています。でも、身を挺して私を助けてくれた人は先生だけです。先生は私にとってはガーディアンエンジェルのようなもので、本当にありがたいと思っています。」

「たいしたことをしたわけではない。」

「私はその先生の優しさにつけこんで、もっと相談してしまいます。私はずるいです。ごめんなさい。」

「そんなことはないよ。君はいつも一生懸命だ。誠実に、まじめに、そして笑顔を絶やさないように努力して生きている。だからなにか助けたいと思ったんだよ。君には人にそう思わせる力があるんだ。自信をもちなさい。」

「先生にそんなふうにいってもらえて嬉しいです。」ジュリアはにっこり笑った。


 「それで、最初の問題はなにかな?」

「はい、実はカカオとリープから聞いたのですが、叔父が陛下に私こそが魔女だと、それが証拠に私の部屋に入ろうとしてもどうしても鍵が開けられず、斧で壊して入ろうとしたけれどそれでも入れなかった。それだけ特殊な結界を張れるのは魔女である証拠だと主張したそうです。先生、私、どうしたらよいでしょう。」

「結界を張っていたのか?」

「いいえ、カカオとリープが守ってくれてたんです。」

「そうか。では、本物の魔女を陛下に見せれば良いのではないかな。」

「一緒にお城に行ってくれるか頼むということですね。」

「いや、そこまでせずとも、騎士か誰かに魔女の店に行ってもらって、キャシーが行ったという証言を貰えばよいだろう。または、誰か国から言われた者と一緒に君が魔女の店に行って、魔石を買ったのは君なのかどうかを見てもらえば良い。しかも、君は叔父殿の脱税の証拠を持っているから、それを提出すれば良いな。恐れるには足りんよ。」

「あ、そうか。そうですね!」


 「それと、脱税の証拠以外に見つかって困るようなものがあったらそれを隠して、そうだな、ここで預かっても良いぞ、君の部屋は精霊たちにドアを開けられるようにしてもらっておくと良い。」

「ありがとうございます。先生、すごいわ。私、かなり悩んでたんです。それなのに、先生にかかったら全然問題にならないくらい簡単なことのような気がしてきました。」

ジュリアはもうにっこにこである。


 「それじゃ先生、私、ちょっと家まで行ってきます。いろいろ取ってきて、夕食はもっと美味しいもの作りますから、それまでゆっくりおやすみになっててください。」

「いいよ、そんなにしてくれなくても。もうあとは休めば大丈夫だから。」

「・・・もう来ちゃご迷惑ですか?」

「いや、そんなことはない。美味いものを食べさせてもらえるのはありがたいんだが、そこまでしてもらっては申し訳ない。君こそ疲れていて休みたいだろう?」

「私、先生のためになにかしたいんです。先生は私の大恩人ですもの。」

「恩に着なくて良いんだよ。」

「じゃあ、私が先生にご飯作りたいからってことではいかがでしょう。」

「そうか? いや、こんなに甘やかされるとつけあがるぞ。でも戻ってきてくれ。あとで今度は私からお礼をさせてもらうよ。」

「あの・・・先生、奥様いらっしゃるんですか?または婚約者様とか恋人とか。」

「いや、そんなものはいないよ。」

「そうなんですか・・・」

「ああ、寂しいひとりもんのオジサンだ。」

「あははは、オジサンだなんて。では、行ってまいります。」


お読みいただきありがとうございます。

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