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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
二学期・スタート!
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エロ三人衆の願い

 採寸した後、一週間で制服のズボンが届いた。

 オレはズボンをはいてみる。すげェよく似合う。もともと女子ン中でも身長は高いほうだったし、先生が言うようにズボンをはくとイケメンに見える。

 少しワイルド系な。


「えと、どうしたんですかその恰好。ズボン?」

「スカートはオレに合わなくてな。ズボンにしてやるから生徒会には入れだといわれた。生徒会に入ったからズボンにさせてもらった」

「スカートのおかげで女性っぽく見えていたのにズボンにしたことで男らしさが強調、ルックスもイケメンでヲタク歓喜! これもこれでアリですぞーーーーーーー! ウェルカム、多様性!」

「多様性で片づけんな。そういうのが厄介なんだよ」

「申し訳ないっ!」


 結構驚かれていた。

 数人の女子が駆け寄ってくる。かっこいいねとか目をキラキラさせていた。おい、ズボンに変えたことでこんな変わんの?

 

「つかさんってやっぱ男装のほうがモテるよねー」

「やっぱそうなのかよ」

「ズボンにしたのは正解! 私もイケメンなつかさん見れて嬉しいーーーー!」

「いや、オレの普段着ズボンだからよく見てんだろお前も……」


 基本的にジーンズとかそういうのが多いぞオレは。


「うちらのクラスの男子基本的にパッとしない人ばかりだからさー。いい目の保養……」

「スカートの時は怖かったのにズボンになるとワイルド系のイケメンになるの素敵……」


 女子からの人気がすごい。

 男子が恨み籠った目で見ている。


「ねね、ちょっとポーズとって! イケメンポーズ!」

「イケメンポーズぅ?」

「こう、足を組んで机の上に乗せるとか! 不良男子がやるようなことを!」

「こうかよ」


 オレはやってみせると黄色い悲鳴が上がる。

 見た目ってやっぱ周りの態度変えるな……。オレも姿見を見てすげぇかっけぇとは思ったけどよ。これも兄貴がかかわってんのかね。兄貴もルックスだけなら負けず劣らずいいからな……。


「これでち〇こついてないもんね!」

「お得!」

「なんだよお得って……」


 というか女子高生が教室のど真ん中で下ネタ叫ぶなよ。好きだろうけどよそういうの。


「で、つかさん生徒会入ったんだっけ? ゲームとかできる?」

「そこまで遅くまでは残らねェからできるけど……。土日とかたまに生徒会で呼び出されるとは聞いたな。すげェだりィよ……」

「あらー」


 他人事だと思いやがって。


「なァ岩島。オレが生徒会に入って正直どうよ?」

「どうとは? まァ、ルックスがいいのなら入っても問題ないのではないか? ピアスをつけてくること以外目立った問題行動もなし、学園の顔としてはまぁ、少しだけ素行面に問題はあるが気にするほどでもないだろう。髪だって染めてないしな」

「お前そういう意見なんだ……」


 本当に公平な男だ。


「けっ、生徒会に入ったからズボンですかー! 役員様は自由だねぇー!」

「男子の僻みが来てますけど……」

「言わせとけ。別にオレはそういうの興味ねェし……」

「ちょっと巽、廊下出ろ」


 と、仁田がいう。

 仁田に続いて坊田、江口が続くのでオレも嫌な予感がしつつ廊下に出た。


「なぁ、名案なんだが、お前男の格好してんだろ? なら男湯に来るのも可能ってわけだ」

「……それ以上先言ったらぶん殴るぞ」

「まァまて。悪い話じゃない。お前、男になりたいんだろ? だから男湯に入っても不自然じゃないわけだ」

「お前、オレを男湯に入れたら女の裸体見放題って思ってんだろ。魂胆分かってんだよ」

「そこまで変態では……」

「そうだ! 言いがかりだ!」

「俺らはお前のためを思って……」

「うるせェエロ坊主! オレは女湯に入るんだよ! テメェらも絶対ダメもとでお願いしてきてんだろ! さすがに男湯に入る勇気はねェわ!」

「くそぅ! 男の格好してるんならいいじゃねぇか! 俺らは顔もそこまでイケてないから辛いんだよ! 女の体なんてエロ本でしか知らねぇの!」

「あとエロ漫画!」

「うるせぇエロ坊主ども! 誰がお前らなんかに見せるかよ!」


 やっぱりろくなことじゃねぇよこいつら!

 エロ三人衆と呼ばれるだけあるわ! だから女子に嫌われてんだよ! 話してるオレもオレだけどよ!











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